毘沙門憩の森キャンプ場(秋田県)
2016年 10月 東北野営旅 その二

所在地:秋田県能代市常盤字毘沙門
料金 無料

東北野営のひとり旅・・・二日目です。

とことん山キャンプ場を朝早く出たものの、だからと言って特に行くアテは無いのであります。
さしあたり北方面に行こうかな、などとやはり判で押したかのようないつもの野営旅の流れです・・・。



旅に出てしまうと、遠くへ・・・もっと遠くへと無性に行きたくなってしまう。
そうは言っても、そんなに都合良く進めるワケではありませんが・・・。

今日は天気予報通りに雨が降っていて、雲も黒く暗い日です。
そんな中をアテもなくドライブしています。

やがてR105に乗って北上する・・・手慣れたいつものコースだ。
北秋田エリアに入りこむあたりで、時間が早いこともあって目についた林道に分け入る。

すると・・・

さる山奥の秘境の林道、その細い砂利道を行く先に軽トラが大きく斜めに傾いており、そのわきの草むらには年老いたおばあさんが一人、傘をさして座り込んでいた。
事故か?と思うも、それはすぐに車が脱輪した状態と判明した。
草で隠れて見えなくなっている細い側溝に、軽トラの左側の前輪・後輪がスッポリと嵌りこんでいたのだった。

どうしたのか?と聞くと地元の方であり、相方の運転手のおじいさんは救援してもらうために人を探しにどこかに行ったらしい・・・
しかし、ここは人里離れた完全な山奥・・・の更に奥だ、携帯telも完全に圏外。
車の往来もまずない。

林道の先に進むと、そのおじいさんがいた。
丸太を抱えていた。

さしあたり自分の車で引っ張ってみることに・・・。
軽トラには牽引ロープがないので、自分の車の野営の荷を一旦降ろしてスペアタイヤの脇にあるジャッキと牽引チェーンを出す。
軽トラに引っ掛けながらふと見ると、スリックタイヤを履いている・・・
おー、スゲー!スーパーレーシング軽トラじゃん!?・・・ってなワケ無い!丸々坊主タイヤですがな!?

ヤバいよ・・・

20分ほど悪戦苦闘の末、やっと救助完了。
軽トラのヤバいスリックタイヤもパンクせず無事・・・

ヤレヤレ・・・じゃ、と挨拶もそこそこに林道の先まで行って戻ってくると、林道の出口で先の軽トラがこちらを待っていた。
先のお礼にと、封筒を寄こそうとするけれど、たかだか牽引したぐらいで、人生の御先輩・年金生活の方からお金なんてもらえるはずがありません。
気持ちだけありがたくいただき、頼むからそのお金でタイヤを交換してくれ、と祈った。

とまぁ、雨降り山中での出来事でした・・・。



山奥を出て更にドライブを続ける。
雨は引き続き強弱を繰り返しながら降り続いている。

今日の天気はこの先、悪くなってこそすれ改善する見込みはないようです。
どうするかな・・・今日の幕営は。

まだ時間は昼前だ。

一気に青森に入ってしまおう、と一瞬脳裏を過ったがこの雨模様では気力が萎えた。
そんな葛藤で気持ちがざわめく頃には、北秋田市の市境を越え能代市側に入り込んでいたのだった。

雨模様のこともあって、今日はここらで荒れた雨天のもとで過ごすことになるであろう野営地を決めることにした。
そうこうして辿り着いたのは、能代・常盤地区の毘沙門憩の森キャンプ場だ。



こんな天気だから当然、ほかにキャンパーがいるはずもない。
管理棟に入ると石油ストーブに火が入っていて暖かく、特有の匂いが充満していた。

申し出ると、管理人のおばさんに驚かれながら受け付け。
「雨だから東屋の中に張るといいよ」と、管理人のおばさんに進言されるも、取りあえずは東屋脇の芝生に幕体を建てる。



この時点では雨が上がっており落ち着いた感じだったのだ。



炊事棟は大きくて立派で素晴らしい。



東屋も、やや幅が細いが大きく立派だ。
綺麗で居心地もよさそうです。

      

管理人のおばさんは大変に親切で、差し入れに石油ストーブの上に乗っていた焼き芋をいただいた。
おやつ代わりにほおばりながら、これもどうぞと貰った「あきた白神観光文化総合マップ」と「米代フォレストライン」のパンフ資料を読書している。

この資料はイイ、すごく情報量がある。
今後の野営旅の参考資料になる。

     

夕刻に近づき、やはり雨は強くなり今夜の荒れた大雨の来襲を予感させた。
気合を入れて芝生上に建てた幕体ですが、管理人さんの進言通り素直に屋根の下に入れたほうがよさそうだ・・・。

     

しばらくしてまた管理人さんから、石油ストーブで沸かした熱いお湯と甘い粉末コーヒーを差し入れてもらった。
今夜はどうも大荒れのようだということで、万一の避難用に管理棟はカギを開けておくとか、バンガローを一つ開けておこうか?と、本当にご親切に気を使ってくれた。
管理人さんの親切な申し出に感激しながら、立派な東屋にテントを入れさせてもらえるだけで十分と伝え、そんなご親切の気持ちだけをいただいた。



そうこうするうちに、管理人のおばさんの帰宅時間となりご主人が軽トラで迎えに来た。
別れの挨拶の後はキャンプ場には自分独りとなった。

時間とともに大雨が豪雨の様相になり悪いことに風も出てきて、多少屋根下まで吹き込む。
しかし、建物が立派なことに加え、寝処の幕体も屋根下に収めたことの安心感で、こんな晩でも野営気分で寛いでいる。

      

今日の野営は、昼過ぎの早い時間からこの場所に居ついて過ごしている。
屋根を強くたたく雨・・・。
簡易な食材で晩酌。

頃合いで幕体に籠ることにして、道具・食材を仕舞う。
テントの中でウィスキーで晩酌。

相変わらず風雨が強く叩きつけ、一向に収まらない。
時間が早いが、もう寝る。



明け方、3時過ぎ頃は静かだった・・・。
雨だれの音はするが風雨は収まったようだ。



朝になり、雨が上がったのでテントを出て周囲を散歩した。
隣には神秘的な毘沙門沼。



向こうに見える赤屋根のバンガローは\2,390と安価に泊まれるとのことです。
この場所はレクレーション施設で、小さな子供から年配者までのファミリーに最適な感じの場所です。



ここに連泊して、周囲のドライブや山歩のための拠点にしても良いですね
昨日、そんな話を管理人さんとしていた。



場内の桜の木に花が咲くのはGW頃だという。
花見時期も賑わうらしい。

この施設の開設期間は4/20〜11/10まで。

能代市、毘沙門憩の森キャンプ場でした・・・。
ここを視察したのはもう10年くらい前のことでしたが、当時と変わらない雰囲気でした。
風雨の荒れた夜でしたが、管理人さんの気使いと立派な東屋の屋根のおかげで気持ちよく過ごせました。

am8時を過ぎ車を出立させる。
さて、今日もどうしたらいいものか・・・



三日目へ続く





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