馬返しキャンプ場(岩手県)
2007年 12月

岩手県岩手郡滝沢村滝沢岩手山
料金:無料

今年も12月、師走、もう真冬だな・・・。
今週の行き先は何処にするか、と思い巡らした結果は北岩手方面に繰り出すことにしました。



とても良い天気の土曜日、家を出るのは少し遅くなってしまったが気持ちの良いドライブだ。
岩手の県境を過ぎ一関に差し掛かる頃から、やや移動が滞り始める。
どうにも速度の遅い車両が多く距離が稼げない。

さて、何処で幕営するかな・・・。
北岩手でのお気に入りは、なんと言っても姫神山一本杉園地。
ここからの南部富士岩手山と夕日の風景は素晴らしいと思う。
このまま天気が良ければ決まりだ、と思っていた。

思うように移動がはかどらず、盛岡に着た時にはもうpm2時を過ぎていた。
空模様は一転して曇り時々雨と、これまた冴えない状況になってしまった。
う〜む、と考え込んでしまった。
それならば・・・と、対案を考えた場合、相の沢キャンプ場と馬返しキャンプ場が浮かぶ。
そう言えば、馬返しキャンプ場は覗いた事はあるが泊まったことが無かったな・・・。
とりあえず行ってみようか・・・。



滝沢の岩手山神社のところ、網張温泉方面と分岐して岩手山に向かって直線道路の坂を上がってゆく。
既に積雪の路面になっていて、街乗り用の軽自動車では雪のワダチにハンドルをとられ、うまく走れない。

      

何度か引き返そうかとも思いつつ、ようやく馬返しキャンプ場の駐車場へ到着できた。
このあたりはもう一面の銀世界だ。
入り口(登山口)すぐにトイレがあり、旧式トイレだが閉鎖されておらず使用可。



登山道の左側の雪原がテン場となり、その奥のほうには炊事棟があるが今は水が止まっていて使えない。
その雪原に踏み込み炊事棟まで歩いてみて、場所を決める。
殆どが緩い斜面のようで、雪中キャンプなら良いが無雪期は平坦なテン場を決めるのが難しそうだ。

   

今回はザック一つでテン場に上る・・・適当な場所に決め設営とする。
本格的なバックパックの用途なら、ステラ3は不釣合いに大きくて重いテントだろう。
しかしワタシの場合駐車場から一発でテン場へ行ければ良く、何よりソロで入るとこの広さがとても贅沢なのだ。



今朝、テントを入れるとき、そう言えば冬用外張りを持っていたなと思い出し、珍しく持参してきていた。
これは2年前のとことん山キャンプ場で一度使ったきりでその後は何故か出番が無かった・・・少しかさばって荷物になるのがイヤだったのかもしれない。
今日のような風も無い穏やかな状況だと、スノーフライではオーバースペックとは思うものの・・・。
せっかく持ってきたし雪もちらつき始め今夜は雨にもならんだろう、との読みで2年ぶりにスノーフライを被せることにした。

    

設営が済むとすぐに日が翳ってきた。
背面には雄大な岩手山が控えているはずだが、吹雪いていて全然望めなかった。
123Rの火に手をかざしつつ、湯を沸かしてウィスキーを割ってホットウィスキー。
薄暗いテン場には独りきり・・・ウィスキーの酔いのお蔭なのか、まるでこの雪原風景に溶けてしまいそうな感じだ。



深々と気温が下がってくるが、風が無く外にいるのが気持ち良い。
時おりチラチラと雪が飛んでくる。
駐車場にも他には誰も居らず、独りの雪中野営なのだ。

   

完全に日が暮れて更に冷え込む、今は−8℃ほど。
ここは少し標高も高い高原地なのでこうして気温もグッと下がるのだ。
簡便な食事メニューだが、123Rストーブで熱々にしたシチューがウマイ。



pm8時を過ぎた頃、雪が降り始めてきた。
そろそろテントに入って篭る事にしよう。
耳を澄ませるとテントに降る雪が当たる小さな音が聞こえる・・・カサッ、カサッと。

テントに入って防寒着を脱ぐとふわりと暖かく感じる・・・と言ってもテントの中はまだ2℃ほどにしか温まらないけどね。
ウィスキー用に湯を沸かすと、とたんに暖かくなるが開いている入り口ドアから入る換気の風が混じって心地良い。
ラジオで天気概況を確認、今夜は安定した状況で心配無い様だ。

程好く酔いがまわりpm10時頃、そろそろ寝ることにしよう。
と、ふと思いつきで試してみたいことが出来た。
冬季用の充分なダウンシュラフとは別にもう一つ薄いシュラフもあって、こっちは扱いも楽。
何のことは無くて今夜はこのペラペラな薄くて扱いの楽なシュラフを使う、という単なる手抜きな発想なのだった。



MICRO DOWN Light200・・・名の通り僅かダウン200gの薄いシュラフ。
もう今夜はこれで寝てしまえ!(笑
防寒着もあるし、結構この状態でも充分寝れるでしょ。
足先は空いたザックに突っ込んでしまう・・・これがまた冷えなくて良い。
ジツは以前にも真冬のツェルト泊で同じ事をしたことがあって、既に実証済みなのだった。
・・・てなことで、時折テントに当たる雪の降る音を心地良く聞くうちに寝てしまった。



翌朝、目覚めはam5時だった。
ヌクヌクと心地良く・・・とは言えず寒いながらも充分に寝れた(笑
これでやれるのなら冬用シュラフは持たないで、その分スリムなパッキングに出来るのは確実ではあるね・・・。
もっとも雪中キャンプのレベルゆえ、さほどパッキングの軽量化は最優先とは考えていないのだけれど。



まだ薄暗い中を散策すると、もう何台か車が入ってきた。
身支度をして黙々と岩手山へ上っていく、本格登山の方々です。



am7時を過ぎると、もうこんなに車が来て大勢の登山者が上っていった。
馬返しキャンプ場は、この岩手山の登山としてのベース基地としての野営場なのだ。

   

さて、身支度を整えて湯沸しして熱々の紅茶をすすりながら雪中風景の中、軽く朝食を楽しむ。
テントに着いた降ったばかりの粉雪を払い撤収を始める。
チョッと名残惜しい気分なのだけれど、遠くまで来ているのでそろそろ車を出そうか。

   

馬返しキャンプ場への道は、自衛隊の岩手山演習場と牧場に挟まれて、約3kmの直線道路でキャンプ場に向け上り坂。
この道路は除雪が整わず雪が積もり、本格的な冬にはこんな気軽な車では厳しくてもう来れなくなるだろう。
さて、このまま街に下りるのもつまらないので、温泉だ。



網張温泉、温泉保養館・・・開館時間丁度だった。
雪が深々と降っている。
露天風呂は丁度良い熱めの湯。
強い硫黄の匂いが旅情を感じさせてくれるのが良い。

   

湯上りはとても気分良くホカホカだ。
道を下りてきて、相の沢キャンプ場を覗く。
ここも、雪原状態で良い感じ。
奥には旧式トイレもあるので、またザックを担いで雪中幕営に来たいね。



そのままR4号に戻るのはつまらないので、雪道ドライブをしたい。
雫石、沢内、湯田へと遠回りのドライブを楽しんで帰路となりました。




END





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