国設くるみ台野営場(秋田県)
2022年 5月

秋田県山本郡藤里町藤琴字藤琴沢国有林
料金:無料

三日目

青森県・下北半島は大間崎からの出発。
今朝は霧が立ちこめて風も冷たく、寒い。

マッタリするには状況がイマイチなので出立するが、いざそうなるとどこへ向かえば良いか思案が定まらない。
ここから宮城の自宅までは、それはもう遠く感じる(凹

さておき、本日もどこかに適当な寝処を検討するとして、せっかくここまで来ているのでいつもの様に下北半島をドライブして戻ろうかと思う。



大間町からR338へ乗り、いつもの様に佐井村方面へ進む。
マサカリの刃の部分だ。

   

このR338は海側の道”海峡ライン”・・・しかしながら、実は山岳路でもあって深い山間を縫って走るようなルートなのだ。
所々で海は見え隠れするが、佐井村を過ぎれば海を見下ろすルートになる。



景勝地、仏ヶ浦まで来て展望所より見下ろす。
霧で霞んでいる。

いつもはこのまま海峡ラインを進むのですが、思い付きで途中で分岐する。
R338から県道253へ分岐して、更に県道46へと分岐して川内町に下りもとのR338へ戻ることとした。

県道253を進むとすぐに野平高原が見える。
この野平高原にはキャンプスポットもあって、それこそ、もうかなりの昔にはここでソロ野営をした記憶がある。

   

懐かしさに立ち寄ろうとしたが、閉鎖中のため進入止めとなっており入場不可であった、残念。

    

野平高原を過ぎて進む。

渓流沿いの一画が野営スポットかと思われたが、実は鎮魂碑があって供え物も上がっており・・・
いわゆるそうした関連の場所。

さて、車はむつ市〜野辺地町へと下がり下北半島を離れることになるが、この先に決め手がなくあてもなく彷徨ってしまう・・・
う〜〜ぬ、どうしようかな、どっち方面へ向かおうかな・・・
昨日来た道をそのまま南下するのは、大いにつまらないしね。

がしかし、なんともズルズルと南下してしまい、十和田市まで下りてきて来てしまった、これはマズいな。
思い切って西に舵を向けて弘前方面へ向かってみようかと思うが、それだと途中には十和田湖周辺か八甲田の山間を抜けねばならないな・・・。

   

八甲田を越えるのは気が引けるので、十和田湖をかすめる。
観光スポットの奥入瀬渓流に入ってしまったので、休憩がてら車を停めて少しばかり散策する。



とっても好いところだよねぇ・・・

素晴らしい風景、景観・・・自然美。
日がな一日を、弁当持参でゆっくり散策するのもイイかもしれない。
その際の泊りは、生出とか宇樽部あたりのキャンプ場か?

さてさて、冗談抜きで本日の寝処をどうするか・・・
いま記した宇樽部や生出キャンプ場のあるエリアまで来ているので、いっそ其処でもいいのではないか?と思うも、何か気が乗らない・・・安直すぎる。
まだ時間に余裕もあるのでもう少し検討すると、ここからまだまだ遠いが北秋田・藤里の国設くるみ台野営場を思いつく。

おぉ、そうだソコがイイよ、決定だ!

そうと決まればR103発荷峠から県道2号樹海ラインにて秋田・小坂町へと抜ける。
途中、無料利用の自動車専用道路もあり、長距離ながらも結構スイスイと移動できている。
順調に進んで、小坂〜大館〜鷹ノ巣〜二ツ井と来る。

二ツ井から分岐を重ねて県道317へと辿る。
途中に、何度もゲート先からの冬季通行止めの案内看板が出てきて焦る。
通行止めの地点はここから約27km先、ゲート場所はよく承知しているがそこまで行ってもし野営場へも行けなかったらヤバい。

ただそれは第二ゲート以降とあるので、釣瓶落峠を通り青森・西目屋へ抜けるルートのことを指していて、そのゲートでの分岐以降のことだ・・・と思う。
案内内容の第二ゲートでの分岐から、くるみ台野営場〜岳岱、藤里駒ケ岳登山口への黒石林道のほうには通行できる・・・ハズだ。

   

藤里・真名子を過ぎ第一ゲートを通過。
件の第二ゲートはまだまだ先だ・・・

ひたすらクネクネとして細い山間の道を進んで行く。



心配事はもう一つ、大間崎を後にしてから天気の具合が悪く、ポツポツ雨降りなのだ。

チョッとテンションが下がるが、ここまで相当に山奥まで入り込んでしまっているので、これでもし引き返す事になればかなりのショックだ・・・
なんとか野営場へは無事に行き着いて欲しい。

    

ここの分岐地点に第二ゲートがある。

予告通りに、右側の青森方向へは通行止め。
左側の黒石林道は通行可だ・・・あぁ良かった!行ける。

   

昔、ここに初めてきた時にはこの道は未舗装の荒れた砂利道で、えらく心細くて車を進めるのも苦労したものだった。
今は舗装され凄く往来しやすくなったもので、この細くクネクネした道を進むと、ようやく目的地のくるみ台野営場へ到着。

   

ホッと安心して早々に見分。
いつもの広場は草が生い茂り、雨で濡れており歩くと足元も濡れる。



くるみ台キャンプ場?名称が変わったのだろうか?国設ではなくなったのか?
自分としては、国設くるみ台野営場と呼ばれたほうがしっくりくる、古キャンパーの習性か?(凹



案内図にある下側の2ヵ所のテントサイトは鬱蒼として湿気も強く草が激しい、仮に活用するなら草刈り等の大規模な整備必要。
このまま入れば蚊、ブヨ、ダニなどの餌食となり、仮にサバイバル趣向キャンパーだとしてもこの状況では現実的にキャンプとしては楽しめないと思う。
何かの修行でも訓練でもないんだしね・・・

特にマダニなどの虫が媒介するSFTS感染症の流行は現在大きな問題化となっており、感染すると命にかかわる。
知識も無く不用意に、こうしたヤブや原生林への立ち入りは危険だ。



樹々に覆われるように囲まれ、なんとも圧倒される情景ではないか・・・!!

このような情景のなかで、独りポツンと居られるなんて感動で打ち震える思いがする。
これまで何度も来て幕営したときでも、同じくそうだった・・・

   

さて、こんな湿気った天気でキャンパーなどいるはずがなく無人状態・貸し切りになるであろうとして、いつもの東屋に居つかせてもらうことにして必要な荷を運ぶ。
かなりの湿気、小雨が降ったり止んだり・・・

大間崎からここまで・・・
一体何キロ走ってきたんだろうかねぇ?笑

独り苦笑いしながら缶ビールを開ける、感慨深い至極の一杯だ。

   

向こうの屋根はトイレ棟。
右は炊事棟。

   

まだ利用するには時期が早かったのかもしれなく、どちらも水は止められたままだ。
トイレ棟の使用はできるが、水洗トイレの水が止まっているので脇に備えてある水で流す必要がある。



持参の飲用水はまだ少し残っているし、脇に渓流があって汲んでくれば水には困らない。
無問題だ。



件のチープな焚火台にて、狼煙上げする。

   

渓流から水を汲んできて、拭き物や手濯ぎなどに使えるよう、この焚火で湯を沸かして置く。

   

そろそろ頃合いで寝処を設置します。

   

しばらくすると、小雨の合間に一寸だけ日が射す。

それにしても・・・

ここに居ると脇の渓流の水音しか聞こえない。
水音に吸い込まれて、なにかトランス状態にでもなるかのような錯覚もありつつ、それが独特の居心地だ。
この先日が経てば、大量の蝉の声が加わり充満するであろう。

更には、この周囲の大きな樹々に囲まれ威圧されるかのような、または荘厳な空気感・・・
そのような独特の情景に浸らせてくれる、この場所はまさに稀有な場所だ。
とくに今日のように天気が悪いと、いっそう、そうしたことを強く感じさせられる。

このような場所こそ、ソロ野営には相応しい情景であり場所であろう・・・

一般にはこの独特の状況には耐えられなく一晩を過ごすなどできないだろうが、とんでもない。
そんな心地良き緊張感こそがソロ野営キャンプでこそ味わえる最大の愉しさ、と思う。

とにかく、今は渓流の水音が他の音をかき消すほどに響いており、更に周囲は雨に濡れた樹々の囲みに圧倒される、そんな情景・・・

山奥に入り込み相当に奥深く、すぐには麓へは戻れない・・・
何事かあれば即座に撤収の覚悟は要る。



焚火の狼煙がまるで霧のように、草地を撫でるようにゆったりと漂う・・・
夕刻、一瞬だけ日が射してくれる、このまま小雨も上がればイイね。

   

明るいうちに夕餉。
野菜たっぷりの熱いインスタントラーメンを啜る、今は寒いから暖まってイイ。

   

暗くなるのでケロ・ランタンを稼働。
煌々と明るい灯りは、漆黒となる夜に頼もしい。



焚火の様子もイイ感じ・・・
こんなチープな品でも、なんとかこうして焚火を楽しめている^^)

夕刻からの冷え込みもあって明るい時には煩かった小虫も退いており、心地良くまったり過ごしている・・・

   

小雨が断続して降ったり止んだり・・・
それでも、この大きな東屋の屋根下とこの焚火があることで、だいぶ心地良く夜更けの情景を愉しんでいる。

相変わらず、脇の渓流の水音の響きだけが周囲を支配している。



翌朝
気持ち良く起床。



幸いに雨は強くならずに済んでいて、無問題で寝れていた。



朝模様・・・
湿気っているがしんなりとしたイイ感じ、好い情景だ。

覆いかぶさるような樹々、その中に埋もれてしまいそうな居心地・・・
そんな情景に痺れる・・・

本当に、最高な情景だ。

   

今日の天気は好転して、結構良い感じの日になりそう・・・
あぁ、連泊したいなぁ・・・



帰宅予定日のため、後ろ髪引かれる思いで早めに撤収・・・連泊したいけどなぁ。
この情景、空気感が好い。

季節が違えばその都度の情景がイイ・・・
ここも何度も来たいのですが、如何せん遠いんですよ宮城の自宅からは・・・凹

帰路・・・

ナビによれば約370kmの道程・・・やはり、途中でもう一泊すべきでは??
と思うも、頑張って自宅に戻ったのはpm5時前でした(笑


余談
この野営場は藤里・駒ケ岳の黒石登山口へ至る途中にある。



かつて自分も2度ほどその駒ケ岳へ登ったことがりました、気持ち良い山でしたね^^)
参考web







END




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