晩秋の北東北ドライブキャンプ旅(青森−岩手編)
2006年 10月

大間崎テントサイト〜姫神山一本杉園地

10月も中旬となり各地の紅葉も見頃となり、季節も晩秋と言って良いだろう。
週末の天気予報は概ね良さそうで、キャンプ日和が期待される・・・皆さんも各地で大いに楽しむことだろうな。
ご多分に漏れずワタシも、今回は三泊三日の北東北へのドライブキャンプ旅を決行したのだった。
木曜日の夜、仕事から帰ると荷物を点検して積み込む。
R4号を北上する。



pm8時を過ぎ宮城−岩手の県境に近づくに従い交通量も減り、かなりスムーズに走られるようになった。
途中、適宜休憩を挟みながらドライブが続く。
キャンプなどで飽きるほど走っているR4も、夜は遠くの景色が見えずネオンなどでいつもとは全く違った印象だ。
更にドライブを続け盛岡を通過するあたりで、今夜の目的地を設定する。
岩手の北部、青森の県境にも近いところ辺りまで行くことにしよう。

ナビで適当な公園を探り、一戸町に入りR4から1kmほど離れ良い距離にある公園を目指した。
農村らしい雰囲気の場所にある駐車場はこじんまりとしていて良い広さだった。
駐車場には一台も車が止まっておらず、時間もpm11時を過ぎていたこともありここでの車中泊を決定した。



車を止めエンジンを切るとシンと静まり返ったが、少し風が出てきたのか時折強い風音がする。
助手席に移り背もたれを倒す。



狭い車内で晩酌のウィスキーをやりながら、翌日のドライブコースを考える。
あしたはこの旅の一つの目的地、青森・大間まで行くのを決めていたのだ。
実は新潟のキャンプ友ライちゃんから、大間を巡る青森旅の情報があったのだ(笑

大間・・・いわずと知れた本州最北の地。
宮城から一般道のみで往復、う〜〜む、遠いじゃないか!(凹
とか思いながら地図を眺めているうちに、何とか行けるように思えてきてしまうのが自分でも怖い。(笑
仕事のほうも問題なく調整がついて条件は整った。あとは金を掛けずに時間を掛けて旅に出るのだ。(笑
そんな訳で今夜は青森の県境の前まで来ている・・・翌朝は早く発てば遠い北の果て大間までも午後には到着できるだろう。
さて、am0時前となった・・・シュラフに包まり寝る。



翌金曜日の朝、am5半頃に目覚めた。あたりは薄暗く天気は曇りでどんよりしている。
外に出て体をほぐす。シュラフを畳み身支度で整える。
昨晩は暗くてよく判らなかったが、綺麗な芝生もある雰囲気の良い公園のようだった。
しばらくして出立。R4へ戻った。



さて、このまま大間まで一気に進むのも芸がないような気がする。
朝の早い時間のこともあり十和田湖・奥入瀬渓流に寄って行く事にした。
R4で金田一温泉を通過し青森の県境を跨ぎ、三戸で一旦R104へ出て更に分岐して貝守地内からR454号へ抜ける山道へと入っていった。



途中、迷ヶ平キャンプ場の近くを通ったはずだが良くわからなかった。
それにしてもこのルートは最高だったのである・・・この紅葉で萌える山の中を行く!
素晴らしい紅葉に染まりながらゆっくりとドライブする。
天気が良くなかったのは残念だったが、この紅葉風景をたっぷり堪能した。
やはり寄り道は・・・してみるものですねぇ(笑。
やがてR454へ抜け十和田湖畔でR103へ切り替える。



湖畔はどんよりした天気のおかげで冴えない風景だった。
湖畔沿いに少し上がると子ノ口にてR102号に分岐して進み、奥入瀬渓流となる。
うまい具合に道脇の駐車場が空いており、駐車して奥入瀬渓流を散策する。
まだam8時を過ぎた早朝で、観光客も少ない。



銚子の滝や九段の滝などを見る。紅葉も始まっているが来る途中に見てきた紅葉には及ばない。
しかし、こうしてゆっくりと奥入瀬渓流を散策したのは初めてで、なかなか楽しめたのだった。

さて、これからは一気に大間まで北上する。ライちゃんはバイクで移動中だがすでに八戸辺りまで移動できたらしい。
この頃から天気も好転、いい天気になってきたのだった。
再度R4号で野辺地、そこからR279でむつ市を横切り北上して大畑町。
まだ昼前だ・・・奥薬研温泉かっぱの湯へ立ち寄ることにした。



平日の昼間だからなのか誰も居ない、貸切の野天風呂を堪能する。



かっぱの湯のかっぱ(笑!・・・賽銭とキュウリがお供えされている。
この野天の湯も最高なのだ。すぐ脇を流れる渓流と鮮やかな紅葉。



野天風呂脇の渓流に掛かる橋からはこの風呂が丸見えになっているが、それもまたこの野天風呂のもつ風情だろうか然して気にならない。
ずーっとこのままマッタリしたい〜〜、が先を急がねば・・・約30分ほど温泉に浸かり堪能する。



ちなみにこのかっぱの湯の駐車場はキャンプ禁止です。
温泉を上がり車を出そうとした頃、パトカーが巡回に来て場内を見回していた。
あまり大っぴらにキャンプを張ると、退去勧告されるのだろうね・・・そう言うご時世と思う。



大間に到着したのはpm1時半を過ぎた頃だった。
大間港ではマグロ祭りが開催されているのだ。

   

ライちゃんのバイクはすぐに判った。隣に車を停める。



     

会場の中ではマグロの解体ショーが始まっていて賑わっている。
頭丸ごとや尻尾、カマなどをオークションしていて、目当ての人達が競り落としている模様だ。
一段落して、解体したマグロの即売が行われるようになり人がばらけた。

ライちゃん御夫妻とここで合流。
なんと!ライちゃん!!さっきのせりで落としたマグロのカマを抱えている!
デカイなぁ〜〜!すごい・・・お?ライちゃんTVの取材を受けている(笑

今日解体したマグロは約155kgだそうだ。
人混みの中、3パックほどを選んでカミさんの実家宛に宅急便で送る・・・カミさんや子供たちも実家に行く用事があったからで都合が良かったのだ。
一仕事が終了して安堵(笑。
ライちゃん御夫妻はホテルへチェックINし、ワタシはテン場へ向かう。
夕方、一緒に飲むことにして一旦別れる。



<大間崎テントサイト>
青森県下北郡大間町 料金:無料

      

大間港から程近く、大間崎に無料のキャンプ広場がある。
この日、キャンプ広場には既にテントが2張りあった。
マグロ祭りのこともあってそれなりにテントも多いかとも思っていたが、良い様に予想は外れた。
週末とは言えまだ平日、金曜日のためかもしれない。

     



ここには前回の視察で、快適な炊事棟があることを知っていた。

      

綺麗で広く、なんとガスコンロも¥100/30分で使えて、灯りもコンセントもある。
外は風が強く寒いが、この中は全く快適な炊事棟だ。
今夜のライちゃん御夫妻ともこの中なら快適に寛げるでしょう。

     

テントを炊事棟近くに設営する。海からの風が吹いている、少し強い。
テントは時間も掛からず設営が終わり、周辺を散策する。



本州最北の碑のテントサイトを挟んで反対側に夕日が沈んでゆく。
一時間ほど波際で夕日の沈む風景を鑑賞する。



冷たい風に吹かれカモメも寒そうだ(笑

     

夕日が水平線に下がってくると、カモメも寄ってきて乱舞する。
空が黄金色に染まり始めた・・・津軽海峡に沈む夕日。絶景なのだ!!



夕日・・・ここでは夕やげと言うのだそうだ。
大間では、朝やげ、横やげ、夕やげという突端ならではの風景があると言う。
太平洋から上る朝日(朝やげ)、函館の夜景を横から(大間から)見る横やげ、そしてこの日本海に沈む夕日の夕やげだ。
なんとも絶景ポイントだらけの町ではないか(笑

さて、この夕やげも水平線の厚い雲に沈んで終わった。
早速、炊事棟の中のテーブルの一つに陣取りくつろぐ。
暗くなると炊事棟の中には長期滞在のおっちゃんたちも集ってきた。
聞くと似たような炊事棟のような施設は、この他にも3施設ほどあると言う。
この人達は主に車中泊で何日もココに居る。ここに来る前はあちこちでまた何週間かいたらしい。



長期滞在者たちは、なんとこうしてTVも持参していて見ている。
確かにこういう風に過ごせれば何日でも居られるだろう。
但し、残念ながらこの快適な炊事棟は冬季の一時期は閉鎖のようだ。



そうこうする内、ライちゃん御夫妻も到着して再会を祝う。
しかしまぁ、新潟は上越からこの大間は遠いでしょう!?しかも二輪でのタンデムツーリング。
ライちゃんはもとより、奥様には敬意を表したいものです。(笑



今夜用のマグロは別に買っていた安い赤身だが、さすがは大間の本マグロだけあって相当にうまい。
楽しくて話が尽きない・・・いい夜だ。
さてpm8時を過ぎて、飲み過ぎてはイカンので早く寝ることにしてお開き。
この晩ライちゃん持参のスダチ焼酎一本が空いて、見送った後には長期滞在の方々とまた軽く呑んでしまい持参のウィスキーも空になってしまった。(笑
深酒はしないように10時前にはシュラフへ・・・寒風で揺れるテントの中で就寝。



翌朝am7時に起床。
「朝やげ」を見たかったが、寝すぎてしまった(笑。
がしかし、たっぷり寝たので昨晩の後遺症は皆無、スッキリ起きた。

     

向こう側に居たキャンパーは既に撤収が終わり、バイクのエンジンを掛け出立するところだった。
ワタシのほうも昨晩寝る前にあらかた荷物は車に入れており、テントとシュラフを畳めば終わりなのである。
仲良くなった長期滞在者達に別れを告げ、am8時に出立。



ちなみに付近のスーパーは一店で、スーパーMAEDA(マエダ)で大抵のものは揃いそうだ。
此処があるのを知らず、チューブ入りワサビを求めに隣の風間浦村まで行ってしまった(笑。
この後、佐井村〜脇野沢へと海岸沿いをドライブすれば、前回のドライブと合わせてこの下北半島の主要幹線路をあらかた走ったことになるのだ。



<貝崎園地キャンプ場>
所在地:青森県下北郡脇野沢貝崎  料金:¥410/張

天気も良く風景を堪能しながらのドライブ。やがて脇野沢へ到着した。
ココには気になるキャンプ場が一つある・・・貝崎園地キャンプ場だ。
だが、数ヶ月前に役場に聞いたときには園地への遊歩道が崖崩れで園地へは行けないとのこと。
今後の修復の目途もなくキャンプ場も使えない状況だということだった。

ともあれせっかく此処まで来たのだ、一応見に行ってみる。
脇野沢の小さな街中を過ぎ、海岸沿いの道路を行き九艘泊という小さな漁村で行き止まり。
ココの小さな漁港の駐車場に車を停める。
貝崎園地へはここから海岸沿いの遊歩道となるが、狭い岩畳みの遊歩道の入り口に進入禁止の看板があった。

      

少し先まで歩いて行って見たが、遊歩道の先には確かにゴロゴロと岩が崩れ落ちた状態で、見上げると崖状の岩が覆いかぶさっている怖さ。
しかも、遊歩道そのものが崩れ落ちているのと強風が叩きつけていて、確かに非常に危険。
そもそも進入禁止なのでそれ以上は行かずに戻った。
貝崎園地まで約1kmだが、いづれ遊歩道の回復となれば必ずや行かねばならないキャンプ場だ。
入り江の海岸沿いで、絶対にロケーションの良い場所に思えるのだ。



さて脇野沢を過ぎむつ市方向へ南下する。今日の宿営地は北岩手だ。
そのままR4号で下っては面白味がないので、東通村に来たところで太平側へ移りR338へ乗る。

     

六ヶ所村へ入り、源燃PRセンターの近くに来たところで「六ヶ所温泉」がポツンと建っていた。
建物に大きく「日本一深い温泉」と標している。
日本一深い温泉???溺れるようなほど深いのか?・・・そんなバカな?(笑
なんだろう?と中に入り¥350を払う。

「日本一深い温泉ってあるけど、何が深いの?」と聞くと何のことは無い、湯脈に当たるまでにそうとう深く掘ったそうだ。
その深さが日本一らしい。約2,714mとは確かに深く掘ったものだ。



お湯はかなりしょっぱい塩の湯で、薄く緑がかって白濁している。
内湯の脇に露天風呂があり風に吹かれながら浸かるが、塀が高く眺望は無く隣に温泉掘削の施設跡が見える。



<姫神山一本杉園地>
所在地:岩手県盛岡市玉山区馬場前田  料金:無料

   

南下を続け八戸を過ぎ、R4へ向かい岩手へと県境を過ぎる。
姫神山一本杉園地に到着したのはpm3時半を過ぎた頃だった。
見晴らしの良い園地の上方部の登山口前には誰も居らず、サッとテントを張って落ち着く。



     

ここもワタシのお気に入りの場所のひとつ、とてもイイ雰囲気だ。
目の前に名峰南部富士・岩手山の素晴らしい姿が、迫力ある風景となって目の前に広がっているのだ。



夕日が岩手山の脇に向かって落ちてきて、周囲に夕日の色を染め始めている。
昨年は岩手山に夕日が沈んだが、今日はまだちょっと左側だった。



やはり11月初め〜4月頃の冬から春頃だと、丁度岩手山に夕日が沈む絶景が見られるのだ。



昨日に続いて夕日ショー、この絶景が拝めて凄く嬉しい。
来る途中心配だった風はここでは無風で、焚き火でマッタリする。

     

簡単な夕食をスベアで温める。このところキャンプでのストーブはこのスベア一つで間に合っている。
ガスはとても簡便、ケロストーブは燃費良しだが、不思議になぜかこのスベアを使いたくなってしまう時があるのだ。(笑
ランタンの灯り、焚き火、ラジオの音・・・周りはとても静かだ。岩手山の裾野にキラキラした灯りが夜景となって綺麗に見える。
見上げると星空が・・・北斗七星とカシオペア座がくっきりと見える。
今夜は結構冷えてくる、この秋一番の冷え込みかもしれない。

今夜は焚き火を囲みながら珍しくジンを呑んでいる・・・夜景も星空も堪能しいるとpm9時を過ぎた、そろそろテントに篭ろう。(笑
懐中電灯を点けシュラフに潜ってジンを呑みながらラジオを聴いて過ごす・・・ぬくぬくでルーズな気持ち良さが堪らない(笑。
しばらくして10時を過ぎた頃、就寝。



翌朝、am5時に目覚める、まだ周囲は薄暗い。
かなり冷え込んで寒いが氷が張るほどではない、寒中キャンプと言うにはまだ早いね。



ランタンに灯をつけ暖をとり、じっと岩手山を見つめている。
少しずつ姿がはっきりと見え始める。



やはり、この姫神山一本杉園地はイイ!!ワタシにとっては凄く良いキャンプ場だ。
6時を過ぎるころずいぶん明るくなり、岩手山に一時の赤味がついて見えたりした。

     



今日も天気が良くさわやかな朝。
そろそろ下から姫神山への登山客が鈴の音を鳴らしてやって来た。



am8時、一日中ゆったり過ごしたく名残惜しいが出立する。



ここからいつものお気に入りルート、岩洞湖へと向かう。
実は一本杉園地からここまでは車でわずか20分でこられる、とても近い位置なのだ。
牧場脇を通ったりしてなかなか雰囲気の良いルートだ。

途中、岩洞湖家族旅行村の管理棟へ立ち寄る。今日で今年の営業は終わるはずだ。
この前と違う管理人のおばさんだったが、先日のピクニック広場でのキャンプの件を説明してお礼を言う。
そして来年もまたあの最高の白樺林の広場にキャンプさせてもらう旨をお願いすると、快く再訪を喜んでくれた。
なんと、この管理人さんの話によると自宅では今朝は−4℃に冷え込み霜柱が立ったと言って笑った。
ここ藪川地区の最低気温記録も−27℃だと言われるが、それどころか−30℃になったこともあるのだとか・・・この地域で生活を営むと言うのは凄いことなのだ!
もうすぐあと一週間もすると一気に冬模様、と言うことだ。
来年の遅い春の頃にまた来ることを約束して後にした。



岩洞湖は紅葉と白樺林に囲まれてとても絵になる風景だった。
盛岡市街に下りてまたR4号に出るといつもの帰路。

   

まだ時間も早いのでもう一つ寄り道。
大好きな大沢温泉自炊部の露天風呂・豊沢の湯に浸かる。
無色透明のさらりとした湯。
いつもながら素晴らしい眺めだが、今日は紅葉のおかげでこれもまた絵になるような風景だった。
風呂上りの銀河高原ビールは土産にした。笑

pm4時無事帰宅。三泊三日の旅は走行距離約1,300kmだった。





END





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