とことん山キャンプ場(秋田県)
2019年 12月

所在地:秋田県湯沢市皆瀬字新処106
料金 ¥830/大人 ¥410/子供
(宿泊者は温泉入浴料無料)

師走の月になってこの数日間は寒気の襲来で、冬らしい降雪・積雪のニュースが流れてます。
その降るべきところ・・・特に日本海側から内陸にかけての各地は雪に覆われているらしい。
馴染みのキャンプ場のエリアの周辺も本格的な雪景色になっているようであり、当然キャンプ場自体も雪で覆われているのだろう。

真冬になると主なキャンプ場は閉鎖しており、公に楽しめる場所は限られてしまう。
それに冬の寒さや冷たさよりも、雪による現地までの道程の危なさのほうが問題になりやすいと思います。

圧雪・凍結路面でのスリップや視界が無くなるホワイトアウトの事故、キャンプ先に行けたとしても急な大雪により車が出せなくなって帰れないなど・・・
とくに天候悪化しやすい冬のキャンプやレジャーには危険が満載だと思ったほうが良い。

そう考えると、冬でも営業しているキャンプ場であれば除雪など管理され、そういう点は心配が無く楽かと思います。



さて、そんな細かいことばかりを言うような者は家に籠っていれば良いわけですが、先のように雪のニュースを見ればウズウズするような、何か血が騒ぐような(笑
テント越しに雪見酒を呑み、真冬の雪景色・情景を味わいに行きたくなっています。

そういうわけで今回の行き先は、秋田・湯沢の山奥は皆瀬にある「とことん山キャンプ場」です。
そこはこの週に降った雪で本格的に積もっているらしい。
「とことん山」はもうスキー場は廃止されたがキャンプ場営業は生きており、前出したような冬でも営業している数少ないキャンプ場の一つ。

   

湯沢の周辺は雪、冬景色。
この先、目的地である皆瀬のとことん山キャンプ場まではまだ距離があって、湯沢からは約20kmほど。



R398沿いを進むと途中には彼の有名な稲庭地区・稲庭うどんの里があり、そこを通過する。
もう周辺は完全に冬の情景であり、冬の生活感が漂っている。

それにしても、ここ数日間に降った雪は本格的だったようです・・・
家々の屋根に積もっている雪の厚さがそれを物語ってますね。

この先は更に雪に覆われる地域だ。



この入り口の坂を上ると、とことん山キャンプ場へ到着だ。
早速、管理棟にて受付する。

先に言ったように、とことん山は既にスキー場の営業は廃止した。
それでも、スノーピーク社との提携キャンプ場とするなど、従来からのキャンプ場営業の継続にはいっそう注力している状況だ。
湯沢市主導のもと、折からのキャンプブームを背景に特別豪雪地区ならではの雪の多さを逆手にとり、雪中キャンプ場のメッカをアピールしているように思えます。

そして、利用料金については昔と同じで、ほぼ値上げされていないのはありがたい。
料金体系は人数料金のみでシンプル、ほかにテント料金や駐車料金などの加算がないのも良心的。
その料金で泊まれて更には場内の天然温泉にも24時間自由に入れるのだから凄くリーズナブル・・・2回も入れば元を取った以上の気にさえなれる。
特に東北以南のキャンプ場の料金は、信じられないくらいに高額で驚く。

さて、受付して驚いた・・・

これまで冬季は場内の炊事棟やトイレ棟は閉鎖されていたはず・・・
その炊事棟や離れたトイレ棟も、冬季でも利用出来るようにしてあって更には燃えるゴミも指定に従い分別で捨てられると教えられる。
まさに至れり尽くせり・・・これだけの条件が揃っていては、冬のキャンプと言えばもうここ一択ではないか?とさえ思ってしまいますな^^



いつもの駐車場までの道路も除雪されていて、いつも通りに車を上げられる。
荷の多い向きには重宝するだろう。

  

旧スキーゲレンデにも雪はたっぷりである・・・
ちなみに、スキー施設リフトは翌年に撤去予定だとか。
もしかすると旧ゲレンデもキャンプサイトになるかもしれなかったりして?・・・

通常は管理棟の下の大駐車場から赤い大型ソリで荷揚げの往復をするのが、この冬キャンプでの恒例の行動様式であった(笑
この先、例年のような雪の多さとなればこのサイト脇の駐車場までは無理になるかもしれません、まだ雪が少ないのでこの状況かもしれません。



先の説明通り、駐車場側トイレも補修作業中ですが冬季も利用可となった。

    

炊事棟もきちっと囲いがなされ、凍結防止のヒーターまで巻かれてる!
さきの説明通り、冬季のキャンパーを多く呼び込むための対応、また数少ない雪中キャンプ場としての営業体制への気迫・気合を感じる。

   

林内はもう深く雪が積もっており、そのままでは入れないので除雪された通路をバンガロー/温泉棟へ向かって歩く。

   

温泉棟まで来て、いよいよそこから雪原の中へと分け入る。
まだ雪が少ないので通路脇の雪の高さは低い。
年明け頃は通路の除雪の関係もあって、積みあがる雪の高さはこの倍くらいにもなるか・・・。

   

いやはや、まだ冬の初旬だというのにもう既にこんな厚みの積雪・・・チョッと想定外。
スノーシューを持って来た方が良かったかも・・・ちょっと失敗。
そのため雪原にツボ足で入るが、ズボズボと足が吸い込まれるように膝まで深く入り、一歩毎の進みがキツイ。

   

程好い距離に入り込み、雪を掘り除くのではなく足踏みにて雪固めする、このほうが楽。
そしてテントを設置するため枡形に踏み固めて平場とし小さなサイトを作る。
これだけのことですが結構な重労働で、寒いどころか汗が滴るほどの作業となる。

さて、今回はザック一つの歩荷(ぼっか)一発!!
と言いつつ、たかが駐車場からでありまして、なんちゃっての情けなさではあります(笑
ただ、こういう雪中野営では、無雪時によく使ういろんな道具類を何度も往復してまで荷運びして使おうとは思っていないのです。

雪に囲まれるような野営キャンプ、しかも単独の野営キャンプであれば、あれこれと大掛かりな道具建てをしないで極力シンプルなのが楽です。
もし仮に強風・大雪などと天気が急変し荒れてしまうと、持ち出してしまった幕体&道具類が大きくて数多いほど安穏としていられなくなります。
寒中や雪中でのソロ野営であれば特に多くの道具も要らないので、ジツは通常の時よりも機動性も良くて楽だと思います。



風がないし雪も降ってないので非常に作業がしやすい。
条件が良いのでサクサクと作業が進む・・・と言っても、先の雪踏み固めと幕体の設置だけのシンプルな作業です。

雪の状況なので、テントにはセオリー通りに専用のスノー・フライを合わせる。

   

このテント専用のグランドシート以外に汎用のグランドシートもケチらずに持参していた。
それによりテント下にはシートを2枚重ねとしておき、更にテントの内側フロアにも別のシートを奢って敷く。
更にその上には、古キャンパー定番である薄いアルミマットを敷く・・・恥ずかしながら至って簡素な構成である。

平地のための雪固めは労力要ったが、シンプルなテントは10分掛からずで建ち、幕体類を出して軽くなったザックを中に放り込めば一式の作業は終了である。

   

・・・と、思ったのですが、このテントから僅か先にある温泉棟までの通路が無いんです・・・
さっきツボ足で歩いた穴凹しか無いんであります(汗

温泉棟までの短い区間なんだけれど、膝までの雪深さのために踏みしめるにしろスコップで除雪するにせよ、細い通路でもひとりで作り出すのはなかなか面倒な作業です・・・



足でラッセルして、ある程度通路らしきが目途付いたところでよしとする。
スノーシューがあれば多少は効率がイイが、今回持ってくるのに気が回らなかったのが悔やまれる。

    

さて、このキャンプ場でのお楽しみは、この天然温泉での湯治スタイルであります。
今日は本格的な雪見風呂・・・



心地良い湯加減の天然温泉の湯に身を浸し・・・
一杯・・・雪見酒!やらさせていただきます!

ぷしゅ〜〜(笑

   

テントから温泉棟までの通路がまだまだ踏み締まっていないので歩くのが上手くいかないものの、この後何度も歩いて通えばしっかりした通路になるだろう。
テントの場所は雪が締まって高さが浅いのだけれど、その周りはズボズボと深みに沈む感じの状況です。



テント内・・・ま、こんなもんであります。
いかにもな、古式ゆかしいスタイルなんだわねぇ(笑・・・
キャンプ世代の古さがバレバレだわなぁ(汗

今時流の冬キャンプでのテント状況ならば、幕体から煙突が伸びてそこから煙がたなびいているのでしょう・・・
ジツは自分もそれなりの装備を持ってはいるのですよ・・・



モノポール・テント、それにフォールディング焚火の箱&折り畳み式煙突の薪ストーブ。
今や説明も要らない有名なアイテムでしょうが、まだ実践投入しておらず既に3,4年ほども棚の肥やし状態で”熟成”が進んでいるのであります。
大掛かりな気がして未だ未投入のアイテム。



ともあれ、今は大変良き雰囲気です。
何より風が無く過ごしやすく、雪に囲まれた冷気が心地良い。



ただ、寒さだけで言えば、先週の石蔵山のほうが冷え込んで感じられたような気がする。

    

温泉に2度ほど通っているせいもあると思いますが、とても心地良く寒さも感じません。
テントのドア越しに見る雪景色がイイ。
そしてこのテントから僅か約20秒ほどで通える温泉、雪中キャンパーにとってはさながら桃源郷ですね(笑



本日の酒は秋田の「雪の茅舎(ぼうしゃ)」という、杜氏さんも有名な齋彌酒造店の酒です。

が、しかし、このこだわりの酒なのですが、若干ワタシのお好みではなかったのが残念・・・
まろやかなお酒なのですが、呑み下した後の戻り香が僅かに特有で、これがチト気になってお好みでない・・・もっと普通のがよかった
※ちなみに「山廃」とは米を擂り潰す作業、すなわち「山卸(やまおろし)」とか「もとすり」とも呼ばれる大勢が行う重労働の作業を廃した、と言う酒造にかかわる言葉

ともあれ湯上りのテント内、暗くなりつつある景色を眺めながら雪見酒を呑んでいる。
うむ、贅沢なる心地良さだ。

   

呑んではまた温泉に浸かるのです。
湯治気分ですからね、今日は。

   

手間なく美味しい、一人鍋を暖めて日本酒とともに・・・。
〆には鍋ラーメンをひと玉投入、この菊水の鍋用ラーメンはうまいです。
熱々でホカホカ。



夜には断続的に雪、時折雨〜みぞれが降ってます。
好い情景ですねぇ〜まさに最高じゃないですか?

さて、程好い時間となりました。

   

久々のインフレ・マットとDWシュラフの組み合わせ・・・小さなザックでコンパクトにできなかったのはこの嵩張る寝具のせいです。
AltiachのマットとNangaのオーロラ改・・・って、これまた骨董品級だなぁ(汗
ですが、さすがにコレの組み合わせは温かい。

寝ることにしましょう・・・zzzz



湿った重い雪ですが、大して降らず平穏な一晩だった。
テント内の水も凍らず、雪に囲まれているから冷え込みも程々だったもよう。

起床、すぐに寝具と小物を整理・片付け、ザックに収納してしまう。

   

ゆっくり朝風呂を楽しんで・・・いや〜贅沢だなぁ。



雪景色を味わう・・・
頃合い、名残惜しいですが引き上げます。

    

幕体に着いた雪の塊をよく払いながら畳み収納して、一式完了。

    

雪を払って車を出す。

帰路はR13に出た後、R108仙秋サンラインに分岐して奥羽山脈を越え宮城・鳴子へ抜ける。
県境付近の鬼首(おにこおべ)峠までは一部が圧雪路の状態で、峠を越えての宮城側は乾燥路面となる。

冬、キャンプ場への行き来には安全第一、充分に注意しましょう!





END




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