東北 山歩と野営の旅 その3 (4日目〜5日目)
2014年 9月

   

〜 第4日目 〜

昨晩、鳥海山の登山後の野営は、秋田・象潟の奈曽川河川公園での野営でした。



朝から天気がイイ。
抜けるような青空が広がっていた。

管理人さんと鳥海山の話をすると、周辺の観光スポットや登山のハナシなどひとしきり盛り上がった。

am8時を回った。
今日の出立はゆっくりだ、特に急いで向かうアテなど無い。



さて、キャンプ場を後にして車を出した。
野営人の思考はその日のテン場・野営場にアンカー(重し)が掛かっており、それを中心に考えが回るようになっているのだ。
気ままにドライブする中で頃合になれば適当な野営地を思い出すに違いない。

とりあえず、日本海に沿ったR7を北に上がるに従う。
秋田市〜能代市へ・・・男鹿半島を廻るか悩むが、今回は寄らずに上がってしまった。

能代でR7からR101へとスイッチ。
八峰町八森、青森との県境手前の「道の駅はちもり」で今夕の晩酌用の肴を仕入れようと思い立ち寄った。
平日なためか品揃えが悪く、お値打ち品がないようだった。

そうだ、このあたりは白神山地の入り口。
明日は白神岳への登山も良さそうじゃないか。
そうしようと思い県境を越えて青森入り・・・この旅を始めて、福島〜新潟〜山形〜秋田〜青森となった。

明日のターゲットを白神岳にする気持ちであったが、県境を越えてみると瞬間的に遥か向こうに岩木山のかすかな山影が望めてしまったのだった。
すると一気に名峰・津軽富士、岩木山へと思いが染まってしまった^^)

気持ちが定まらないまま、R101大間越街道を上がり深浦まで来てしまった。
夕日の綺麗な深浦町・・・

      

もうここらで、お気に入りの野営地の行合崎に落ち着こうと思う。
深浦の海に沈む夕日に涙する哀愁の野営に浸るのだ・・・(ばか
着てみると誰も居ないのはいいのだが、もう営業期間終了ですべてが閉ざされていた・・・期間中は¥1,500ほどの有料場所なのだ。

日もまだ高いし、焦ることはない・・・まだまだドライブが続く。
うむ・・・一気に岩木山まで行ってしまおう。

広戸〜鯵ヶ沢〜弘前の百沢・・・
さすがにもう夕暮れ時になってしまった。

     

到着したのは岩木山神社の上にある桜林公園である。

今夜はこの簡素なキャンプ場もある公園で野営とする。
岩木山への登山道は、下の岩木山神社からこの公園内を通って行くようになっており、前泊地としては非常に都合がいいのだ。



下のほう、入り口側にはテントが二つ建っており、ライダーさんがいるようだ。
そこからだいぶ離れ、スキー場手前の都合のいい平地に入った。

場内にはキャンプ場としての炊事棟&トイレ棟の施設と、登山道脇の立派なトイレ棟とがあり、全く不自由なく快適な野営ができる。
なかなかイイ感じの野営風情に浸ることができる場所だ。

      

「道の駅はちもり」で買ってきたものが今夜の食事である。
この日の酒は、スッキリしたラベルの「白神山地の湧き水で仕込んだお酒」というのが美味く感じられた。
ワンカップのほうは、いま一つ重い口当たりで最後まで飲めなかった。

     

かなり昔に、一度ここで野営した記憶がある。
そのときはもう少しトイレ寄りの場所だったように思う。



今日もだいぶ走ってきたな・・・と心地良い疲労だ。
ここの野営情景もまた素晴らしい。

桜林公園というだけあって、多くの桜の木に囲まれた公園であり、花の季節は大勢で賑わっているのは間違いない。
いつかはそんな繚乱の桜の景色の中に埋もれて野営をするときも来るんだろう・・・きっといつかは。

     

あだたら野営場で一緒になったyama*toさんからもらった大型シェラカップを早速使ってみる。
造りが良いのと大きなサイズで重宝する道具だ、ありがたい。



明日は日の出とともに行動を開始したい。

      

さて、夜が更ける前に寝ることにしよう・・・。
pm8時丁度・・・就寝。



〜 第5日目 〜

グッスリと寝たようだ・・・途中一度も起きることなく明け方まで一気に寝ていたみたいです。



スッきり起きて、時刻はam4時過ぎ。
まだ白々ともしない。

周囲はまだ暗いがテントを畳み始める。

朝食のあんパンをかじりながら、ザックの中身をそろえる。
2L分の水が重い・・・

やがて白々と明るくなり、am5時を過ぎてもう少しで日が差し込みそうである。



4時起きで余裕をかましてたら、もう日が出てきてしまったじゃないか(笑
これから向かう岩木山の山容が望めた。
まるで、漢字の「山」そのもの・・・。

     

登り始めこそ肌寒かったが、すっかり日が出てくると樹林帯でも蒸し暑さを感じ、急登の繰り返しで息苦しさも覚えるほどだ。
水の消費も早い・・・まだ半分も来ていないのに、もう1Lを飲み終えそうな勢いだ。

     

枯れ沢の登りに来たところで、若い感じの一人に抜かれる。
少し先の岩の上で、連れの人が居るのか後続の様子を見ているらしかった。
すると、一人が追いつき少し挨拶がてらハナシをしている間、また一人後続者が来てその手には小型のビデオカメラを持っていた。

百名山ひと筆書きの一行だったようだ。
最初に抜いていった一人が田中陽希氏だったみたい。

枯れ沢の登りのキツさに一息入れている間の出来事だった・・・。
さて、まだ半分来ていない・・・。



ゴロゴロ岩の急登斜面・・・坊主ころがしの長丁場を乗り切り、ヘトヘトになったところで錫杖清水に辿り着くと、冷たくて美味い湧き水をがぶ飲みした。
ふぅー、生き返る。

      

やがて濃いガスが掛かってきていた・・・。
苦労してようやく山頂への取り付きまで来たのだから、この先これ以上天気が崩れないように祈りながら進んだ。

    

岩だらけで転げそうな遥か長い急坂を慎重に登り、最後の急登を詰めるとようやく山頂となった。
まずはお参りし、旅の安全を祈る。

一息つく間もなく、ポツリ、ポツリと来た・・・あぁ、やっぱり。
そして雷鳴のとどろき。



避難小屋に入ったとたんに激しい雷雨が始まった。
2度目の雷のとどろきとともに、年配のご夫婦が小屋に飛び込んできた。

これはしばらくここでやり過ごすしかなさそうだ。
一時(いっとき)で過ぎてくれれば良いが。



今回はちゃんと「箸」を持参した!と自慢する余裕なんてないですよ、雷ですもの(汗
雷雨は激しさを続けていて、ひょっとして今夜はここで泊まり?などと気持ちの準備すらしていたほどでした。

先のご夫婦もこの先の成り行きを気にしていたが、一緒に山の話などするうちに落ち着いてきていたようだった。

かれこれ小一時間ほど経ち、静かさが戻って日が射し始め周囲は明るさを戻していた。
様子を伺うと、雨は上がっており雲間も切れて青空を覗かせていた。



小屋でレインウェアを着込んで出立準備をしていたので、そのまま下山に掛かる。
登ってくる時に無かった水溜りがあちこちにある。



標高1,625m・・・
山は標高の高低だけで言うもんじぁあ無いとつくづく思う。
この岩木山にしても、ここに到るまでの長い道のりはどうだろう・・・ほんとうにこの山の持つ懐の深さを思い知らされる。



雨上がりの岩だらけの急坂を下りてゆく・・・。
あぁ、あそこのロープウェイに乗って下り、その先のスカイライン駐車場からバスで下ろうか・・・。

     

さぁ、決断です!どーする!?



天気回復、やっぱり・・・歩いて戻りましょうか(笑
枯れ沢の大岩の連続はやはり気が抜けない。

     

大抵下りは早くなるものなんですが、今回は慎重に歩くため下りもそれなりに時間がかかってしまう。
足の裏全体が痛い・・・。



振り返り見る山容・・・あぁ〜〜あの山から戻ったんだなぁ。

     

順序は逆になったが、改めて岩木山神社に参拝します。
素晴らしい風格の神社と思う。
さすがは津軽の奥日光と言われることはある。

     

ヨロついた足で階段を上り下りし、おみくじを家族分買う。
後日帰って皆で見ると、このくじはどのくじも「大吉」になっているようで、そのかわり内容にいろいろと差がある。



本日のメインイベントの岩木山の登山が無事終了し、岩木山神社への参拝も済んだ。
さて、今はpm4時。

これからどうするか・・・
そろそろ天幕に篭って山登りの余韻を楽しむ頃合だ・・・。



などと言いつつ、夜の国道をひた走ってしまっているー!!!凹
弘前からR7、青森でR4にチェンジ、野辺地でR279だ。
体力の無いと言う者がやることか!?

     

下北半島、大間崎へ到着したのはpm8時過ぎ。
いやー疲れました!

ササっとテントを建てて中に潜り込む。
このテントはイイ、すぐに張れるし雨風があっても剛性感の良さで気にならない気楽さがある。
安価なテントとは思えない作りの良さ、使い勝手の良さがある。



周囲のテントは早朝am5時過ぎには撤収が始まっていた。
フェリーの時間に合わせたのだろう。

こちらは時間の縛りは無いから、悠々としている。
今日はゆっくりと行動しよう・・・

さ〜〜て・・・


今日はどうしようか?笑



つづく




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