レークピア白水(白水川ダム公園キャンプ場)(山形県)
2014年 4月

所在地:山形県東根市泉郷後沢アザミ沢1484-3
料金:無料

この冬は長くキツイかったような気がしますね・・・
やっと季節はそんな冬から春へと変わった・・・既に関東地方での桜は終わりを告げて、私の生息する宮城県でもこの週末は満開の桜で花見模様となり始めた。

そして、冬の終わりから春の時期に出向くいつもの野営に比べ、今年の現況は少しばかり違いを実感している。

先週出向いたキャンプ場もそうだった・・・
大雪の影響が残っており、林内一面には重機が入ってシャベルが持ち上げた雪の塊が散乱して入り込む余地も無かった。
数年前の同時期には普通に野営が出来た場所であったが、今回4月のその場所は強い吹雪で新しく雪が積もるような全くの冬模様での野営を強いられた。

いやはやそんなわけで・・・この季節の変わり目は荒れ模様だったような気がする。

さて、本日も車を走らせている。
天気は晴れている・・・が、桜満開のもと強風が吹き荒れている。
風もまだ冷たいな・・・。



前出のようにいま一つ、のどかで麗らかな春の模様ではないが、それでもどこか幕体が建てられる野営場所を求めて動いている。
出来れば、この時期から味わえる野鳥「トラツグミ」が一晩中鳴いているような、そんな神秘的な一夜の野営を求めたい。

宮城県内がどこも強風らしく治まりようもないようなので、西側へ向かい峠を越す。
山形県入りだ。

先のトラツグミの件もあって、東根のレークピア白水のキャンプ場へ向かう。
あそこも雪に閉ざされる場所だが、数年前の同時期には芝生の上で野営できてトラツグミの声も聴けた経験がある。



白水ダムの先、キャンプ場まで来ることは出来た。
道路も乾いており難なく来れたが、その脇には大雪の残骸が盛り上げられていた。

キャンプ場の上側と下側の広場には2mほどの残雪があって、細い道路の脇は除雪の高い壁で車を置く場所も無い。
Uターンもままならない。

これはダメか・・・と、一旦は諦めの境地となった。
まぁエイヤッと雪上に上ってもいいが、あまりコンディションも良くない・・・歩くと足元が大変だ。

     

来た道を戻ろうとしたが、最悪は運動広場の雪上にするしかないか・・・と。
ふと見ると、その先の一角・トイレ脇のほうに丁度いい具合の芝地が口を開けているではないか。



早速、幕体を広げ設営する。
宮城では野営を諦めなければならないほどの強風模様であったが、この場所はほぼ無風で非常に野営に好ましい状況だ。



まったく丁度好い具合の、おひとりさま用サイトの出来上がりといった感じだね。(笑
こういう感じも面白い!

     

トイレ脇はご愛嬌だが、今日は仕方が無いし全然嫌な感じはない。
向こうの山々の遠景も、青空に映えている。

こうした野営状況も、その時々の野営地との一期一会的な出会いの愉しみだ。

車で入ってきた地元の人と世間話を交わす。
やはり、この雪の状況は例年のことではなく異常だという。
周囲の桜の太い枝も、大雪に耐えられずボキボキと折れていて、なんとしたものか・・・と嘆いているのだった。



いつもの野営の時間来る・・・。
時折、バイクや車が来るが、pm4時を過ぎると一切来なくなった。

     

野営には「ハイニッカ」だ。

高級そうな装いをするラベルとは真逆で、この飾り気の無さが素晴らしい。
しかし、よく見てほしい・・・決して下卑た安っぽさ感ではないはずだ。

ラベルの配色の嫌味のなさ、上部のマーク部分も意匠が凝っている。
瓶の形をも含めて、質素だがなにか其処はかとした上品さを自分的には感じます。

傑作だと思う、この安ウィスキーは。
そのウィスキーをストレートで遣りながら、焚き火を起し煮込みの鍋を掛ける。



あぁ、いい時間だ。
風が無いってことは、それだけで居心地がいい。

     

それにしても、周囲のこの雪!
あと2週間ちょっと先のGWになっても、この雪は無くならないのは確実と思う。

無雪の通常キャンプ情景となるのは、GW過ぎ・・・5月中旬か6月になってからじゃないだろうか?



少し早い時間だが、夕暮れ前にはランタンに灯を燈した。



実用本位の300lm、レンズ式のヘッ電は野営のニューアイテムである。
これまでのライトでは電池を交換するのが面倒になっていて、今回、充電BATT/電池兼用タイプに新調したという訳。
夏時期は熱の発しないこちらのランプが活躍するようになるかもしれない・・・。



乾燥しているのか、松の落ち枝の火付きがことのほか良い。
風が吹かないので安心して焚き火できる・・・それに周囲は雪に囲まれているし。

鍋はグツグツと煮えてる。

     

夕暮れの月・・・。
ウサギの餅つきが見える・・・空気が澄んでいてよく見える。



冷え込んでくる。
日が当たっていた周囲の雪からの溶け水がピタリと止まった。



なかなか素晴らしい野営情景を醸しだしてきた・・・。
う〜〜む! いいね・・・。

     

煮込みの鍋はトマトシチューだ。
煮ては雪に埋めて冷ましまた煮るを何度か繰り返してます。
味の滲みた牛肉が柔らかくなって、美味い。

さて、夜半・・・。

期待してきた「トラツグミ」は居ないのだろうか?鳴声がない。
残念な思いをしながら、シュラフに篭る。



明け方4時に目を覚ました・・・
いつもならトラツグミの金属的鳴声がこの山間に、高い音、低い音の相互に応えるように鳴き合うのだが、やはりこの野営では聴くことができなかった。



もう一度寝入って目が覚めたのは6時頃・・・
快晴の空模様。



幕体は硬く凍っており、氷点下になったようだ。

     

ユルユルと起き出して、件の「野営シチュー」を温めて朝食にする。
煮込まれた肉が凄く美味い。
付け合せにパンを探したが、昨晩食べてしまっていたか・・・。



ひとごこち付く・・・。
あぁ・・・イイ野営だ。



日に焼けるのが心配だが、この晴天の陽に当たる心地良さ。
出来うることなら、このままもう一泊したいものだ・・・笑

名残惜しいが、昼前になって撤収に掛かる。

     

残雪の時期の一瞬にポカンと空いた一角の場所だった。
今回の白水での野営は殊更、印象深く非常に善い野営風情を味わった・・・。



桜の蕾はまだ小さい・・・
咲く頃には周囲の残雪は消えているだろうか・・・。

雪が消え、桜も終わった頃合からが、この白水での野営が一層冴える時期だ。




END




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