とことん山キャンプ場(秋田県)
2014年 4月

所在地:秋田県湯沢市皆瀬字新処106
料金 ¥820/大人 ¥410/子供
(宿泊者は温泉入浴料無料)

ぼやぼやしていたら、既にカレンダーは4月になっていた・・・。
長い冬が終わりを告げ、季節の変わり目に差し掛かっている。

関東のほうでは花見の状況だが、自分の居る東北南部方面ではもう少し先・・・という季節感だ。
冬が終わったとは思いたいものの、今のところ風が強かったり冷たかったりで天候的には全く落ち付かない状況だ。

さてそんな状況なのですが、秋田は湯沢市(旧・皆瀬村)のとことん山へ行かされることになった。



好天の宮城を出て山形へ入った途端に空模様は思わしくない。
吹雪模様のなか秋田への県境を越える。

今朝の目論見では岩手方面への野営を考えていたのだった。
そちらはまずまずの好天のようだった。

なんにしても、とことん山へ着いた。

受付の要領の悪さに不安を感じたが、場内へ向かって唖然とした。
林内は踏み入ることが出来なかった。

     

重機で雪を掘り返したとのことで、シャベルで掬った雪の固まりがボコボコと乱立していて、中に入って行けない状態なのだった。
当然、こんな状況ではテントなど張れるとか言う以前の雪の状態なのだった。

・・・それを早く言ってくれよ!

そう言えば、なんだか「林の木を伐採作業した」とかブツブツ言っていたような?
数分前の受付のことが脳裏をよぎった・・・。



いつもの林内サイトがダメなのであれば、駐車場脇か向こうのリフト脇の第3サイトあたりか?
ともかくそこらだと重機で雪を掘リ返しは無い・・・。
だが吹きっ晒しであり、その場所に空身で歩いて這入り込むだけでも一仕事のようだ。

こんなことではなんともならない・・・と、風呂にでも入ってから来た道を戻り、適当な野営地を探ることにした。
そのほうが快適で叙情溢れる野営が出来るはずだ。

     

いやはや・・・大変な状況ですね。
雪が多いのは好いんだけれど、こんな掘り返して雪塊の大荒れた状況ではねぇ・・・

温泉棟へ向かう林内のサイト風景がもう、メチャクチャな状態。
こんな雪の量・・・今年は、ひと月先のGWにはこの雪の害で利用は不可と思われますね。

・・・と、このときふと見やれば、谷側のほうは重機が入ってないではないか。
大雪のおかげで雪原状態になっている。



除雪された道から雪上に上がるのがまた一苦労・・・。
普段ならテントを張るのが無理な場所が、今はうまい具合にテン場になった。



こういう偶然の条件の適合、趣向の見出しは自分の得意とするところだ。
荒れた雪景色の場内は気に入らないが、こういう風にアレンジして落ち着けるのは、大いなる喜びだ。

     

温泉棟までわずか10秒の好位置。



場内の状況・・・凄すぎ・・・大荒れ。
それに木々も伐採されて本数が減った・・・夏時期の木陰の涼しさはどうなってしまうのか?



時折吹雪く・・・もう4月になったというのに。
せっかく建てた幕体に容赦なく雪が積もってくるので、払って雪落としに忙しいったらない。



繰り返し強く吹雪いて、ちょっと見てるうちにまた新しい雪が降り積もった。
この状況には少し呆れてくるようだった・・・。



とことん山場内もこの温泉も人が居ない・・・完全に貸切状態。



幕体も設置し荷物も中に入れた・・・テントに積もった雪も払った。
さてゆっくり温泉に浸かろう。

GWや、お盆、他の行楽シーズンに覘いたときの、このとことん山キャンプ場の混雑の酷さを知っているだけに、今回のこの状況は最高だ。
ひょっとして、コレまで何年も昔から知っているが、自分にとって今回こそが最高の野営状況なのかもしれない。



雪見風呂を堪能して出てみると、またこの雪だ・・・吹雪いている。
4月に入ってもこうして雪中野営が楽しめるとは、本当に最高な気分なのだ。



さっきはもう吹雪は上がったと思って、テントのドアを開けていたために中に吹雪かれていた。

     

今日の酒は、来る途中に買った山形の酒で、鯉川「別嬪べっぴん」とか言う。
どうも自分は山形の酒には相性が悪いらしく、好みの酒に巡り合えていない。

今日の別嬪はまぁまぁと言ったところ・・・。
値段相応、という感じかな・・・燗にしても味が硬いね。
この酒に限らず山形の酒って軽い味わいの方向性、旨味が薄いように思えるが・・・きっと低価格品しか試してないから、そんなことを言うのだろう(汗



とは言え雪中野営・・・雪見風呂に、この雪見酒でホッコリしてくる感じだ。

      

周辺の情景を見てみるに・・・

いつもの風景の谷側のつり橋、雪の乱魂で大荒れの林内情景・・・。
侘びの情景と、寂びの風情とが交差して得も言えない野営情景を醸しているようだ。

野営の妙だ。

     

日が暮れて何度目かの風呂に行く。
とにかく、この場内には貸切で居るため、何をやるにも心地好い・・・すべてが貸切。

相変わらず、時折吹雪く。
吹雪が止むと静寂に包まれる。

それにしても、まったく4月の野営とは思えない状況だ。
さすが特別豪雪地区とでも称えるべきか、今年2月の大雪被害が影を落としているのか・・・

最後の風呂から上がり、シュラフに入って寝ることにする。



静かな一夜だった。
気分よく寝れた。

まだ夜明け前に目を覚ましたが・・・

驚いたことに、「トラツグミ」が鳴いた!
間違いなく2羽が鳴き合った!

素晴らしいシチュエーションだった・・・
まさか、この雪に囲まれた状況で「トラツグミ」の素晴らしい鳴声の響きを聞くことが出来るとは・・・。



その後、明るくなって起床。
まったりする。

     

朝の清掃の終わるのを待って、最後の温泉風呂。
昨日からずっと貸切であり、まさにプライベート温泉風呂なのであった・・・。

さて、頃合で撤収・・・。
今回のようなとことん山での野営であれば最高です。
まぁ、12年ほど前は必ずこんな感じではあったが・・・。



それにしても・・・だ、この雪魂はどうしたものか。
今はこうだが、GW時期には無くなるもんだろうか?

もし来て雪魂が残り雪融けの泥濘だらけのサイト状況とでもなれば、さぞ残念なことだろうと察してしまった。
なにせ温泉付きキャンプ場として有名な場所なゆえ、その時期には多くのキャンパーが楽しみに来るハズだから・・・





END




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