秋山浜キャンプ場(福島県)
2014年 1月

福島県郡山市湖南町
猪苗代湖・湖畔

無料

この冬一番、最強という触れ込みの寒波が続く日です。
確かに寒いです。

前日の極寒野営の場所を後にして次に向かっているのは、同じく馴染みの猪苗代湖の湖畔。
秋山浜だ・・・。



今時期の秋山浜での野営のイメージは、吹雪、強風、荒波の音、白鳥の鳴声・・・そんな感じ。
あ、いや、決して悪いイメージではなく、自分的にはそれが標準仕様の状況だ(笑
そうは言っても、晴れ渡って望めたときの名峰・磐梯山の雪峰の容姿は見事で、いつまでも見惚れているほどです。

今回はどうであろうか・・・。
まずは前泊地を出た後、何時間もかけて本日の目的地へ移動を続けている。



猪苗代湖に到着して、秋山浜の前に湖岸の細い道に入り込んで雪道を楽しむ。
楽しんだのはいいのだけれど、この先は通行止めになっていたのだった(馬鹿



状況はなかなか良く、無風で暖かい。
ただし、期待の磐梯山は雲が掛かってまったく望めない。
そちら方面一帯は鉛色の世界であった。



スーパーで買い物をした後、サニーランドで温泉に浸かろう。
ここの温泉もこの15年の間に何度浸かってきたかなぁ・・・と、ふと思ってしまった。

今日は湯船にたくさんの林檎が浮かんで、気分良いリンゴ風呂。
なんだかんだと言っても、温かいお湯に身を浸すと身体は冷えて居たんだなぁ・・・と実感する。
じんわりと温まってとても心地良い。

地元のお年寄り達の会話が耳に入る・・・。

この湖南町も人口の流出、減少に歯止めが掛からないことや住民の高齢化が深刻で、やれ誰それも入院してそこの自宅が空になってしまった、だとか。
農業のほうも自分達の後継者はほとんど地元に居ないらしく、大半は大きな町で就職しているらしい。
この先10年もすれば、この周辺は本当に廃れた状況になるのでは・・・?などと半ば自嘲交じりに話しているのだった。

本来は自然に恵まれた好い土地柄なのに・・・と、無責任にも思ってしまう。
考えても見てほしい、猪苗代湖といったら日本の観光地でもトップクラスの名所ではないか?
その湖畔にある由緒ある地域が、この先は廃れてしまうだろう、などということがあってはならないのではないか?

そんな複雑な思いを抱えながらも、いざ、本日の野営場所へ・・・。



硬い雪だ。
ザクザクと音が立つ。

     

冬の野営のときはこっち側が自分の野営スポット。



雪が締まっていて硬いので、整地もこんなもんだった。

よく雪上に設営するのにスコップで掘っているのを見かけるが、どうなんだろうか?
自分的には、雪は踏み固めてその上に張るようにして、出来るだけ積雪に潜り込まないよう雪上に出るようにしている。
だから大抵は自立式でシンプル構造のテントが重宝する。

実際にはまず起こりえないことだと思うが・・・
場所によってはガス(火山ガス・温泉地の硫化水素ガスなど)が掘ったサイトの窪みに溜まって危険。
そのほか、寒いからと言って使用する火気類の一酸化中毒なども危険だろう・・・。
そんな危惧は実際には無用かもしれません・・・でも悪い条件が揃ってしまう、ということも可能性がゼロではないでしょう。

何年も前のことですが・・・
秋田県泥湯の温泉地で周囲に積もった雪が無雪期とは地形を変え、偶然窪みになった場所にガスが滞留してしまい死亡事故が起きている事実がある。

大きな幕体のなかでも、家庭用石油ストーブや薪ストーブ、あろうことか長時間使えるからと練炭まで・・・
「冬でもキャンプ」の流行がエスカートする現状を耳にする度に、老婆心ながら心配になってしまう^^)
まぁ自分のことも含めて、換気には充分注意が必要だと思います。

暑さも寒さも・・・自然は綺麗で素晴らしいばかりでなく、怖い側面も忘れてはダメなんだな。



さて、いい状況だ。
今回も歩荷一発!これっきり。笑



幕体は移動中の車内でも完全には解凍が進まず、いまだカパカパと半ば凍った状態で幕体が硬い感触。
やっぱり前泊の野営場所は極寒地だったんだなぁ・・・笑

     

風も無く日も射しているし、非常に好条件。
状況が良くて寒さは全く感じない。
手元の簡易温度計では約プラス0〜2℃ほど・・・これは暖かい。

     

東側のほうは雪の山峰がとても綺麗で素敵。
残念ながら、依然として対面の磐梯山が望めない・・・。



今のところ他にはキャンパーは居らず、貸切。
場内は新雪ではない感じの硬い雪だが荒れておらず、とてもいい状況だ。



相変わらず、この一角の方面の眺めがイイ感じ。
波音も柔らかく、落ち着いた雰囲気に包まれています。



またもコレで!
日本酒は大変良いお味で、お好みの旨口の酒でした。
冷でも燗でも味と香りが広がって善い酒だ。

     

いただきます。
ホフホフっとね。笑

湖畔風景を眺めながらこうして酌を楽しむ、なんて贅沢なことか。



夕方に近づいてきて、山々の風景がまた更に印象深さを増してきた。
周囲も静かで、落ち着いて眺められる・・・いいですねー。

GWや夏時期の混雑時とは隔世の感さえ覚えるような、侘びの風情だ。
う〜〜む、やはりこの湖畔での野営は冬の時期に限る。



独りごちてポーっとしていると、急激に荒れ模様となってきたのだった。
さっきまでのユルい状況はどこへやら・・・やはり、この地の真冬の本性の一端を覗かせた。

うーむ、うって変わって冷え込み始めたな・・・。

     

時折、ゴーッッと唸るような吹雪に見舞われる。
そうこなくちゃね。

風に当たると相当寒さを感じるねぇ。
がしかし、嫌な寒さではなくて野営の喜びを伴う空気の冷たさの味わいだ。

周囲が暗くなるまで、この吹雪模様を酒の肴にしている。
これも一つの雪見酒。



日が暮れると、本格的に粉雪へと変わった。
気温が下がった分、雪質も軽くイイ感じだ。



大雪にはならず、降ったり止んだりを繰り返しているようだった。
脇の道路には車の往来も無く、まったく静かな晩だ。



朝までグッスリ。
非常に心地良く寝れた。



テントの屋根から雪が滑り落ちる音がする。
結構降ったのか?
と思いきや、まぁそれほどでもなかったね。

外に出てみるが、天気はいまひとつか。
新雪の上を散歩する。
やはり積もったばかりの雪は心地いいね。



浜のあっち端からこっち端まで歩いてみたりする。
波打ち際のほうの砂浜地帯は吹き溜まったような深い積雪だ。



やはり、真冬の湖畔名物の突風を伴う吹雪。
波状攻撃のように繰り返して、次第にその間隔も強さも増してきている。



こんな状況の中、撤収に掛かる。
突風でテントが飛ばないように注意しながらの撤収作業となる・・・
気が抜けない(笑

抜けないといえば、スリーブとポールが凍って固着して抜くのに難儀。
やっとポールを抜くと、これまた連結部分が凍っていて折り曲げ出来なくて難儀。
そのつど、直の掌で温めて溶かしたが、手が凍傷になりそう(汗

野営の余韻を楽しむ余裕も無く、荷をまとめて背負った。



次は車に積もった雪の処置。
エンジンスタート。

まだこうして駐車場へは除雪の雪が少なくて車を入れることが出来るが、2月頃になると雪が多くなり駐車不可になってくる。

     

今回はまだ早かった・・・飛沫氷。
見頃はもう少し先になりそうだ。




END




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