区界高原 兜明神岳(嶽) かぶと広場(岩手県)
2013年 8月

岩手県宮古市区界第2地割
(区界ウォーキングセンター/区界少年自然の家)

だいぶ以前から気になっていた風景を思い出しました。
岩手県を宮古市と盛岡市を繋ぐR106、通称・宮古街道を行くとその途中の区界高原に、すごく印象的な山が見えるのです。

兜(かぶと)明神岳(嶽)という。
標高は大した高さではないのだが、その尖がり様が・・・これまたシュッ!(大阪語)として鋭角であり一目見て惹き込まれる姿なのでした。



何の前触れもなく、週末の前夜に脳裏にその情景が閃いたのです。
う〜〜む、盛岡の南東方面・・・なかなか遠いな。

出立の早朝、時間に追われながら準備をする・・・なかなか前夜に準備が出来ない性分だ、余裕を持ってやればいいものを。
軽自動車を出そうとするが、家人が使う予定があってしかたなく燃費の悪い車で行くことになる。

とりあえず大方の道具を車に放り込んだ・・・
何を忘れてどんな無駄な道具を入れたか、一々確認する余裕もなかった^^)

さて、幹線国道は空いていてスイスイと進むことが出来る。
これなら高速道路を使わなくとも良さそうだ。

昼前頃、宮城から岩手県境を超えて花巻市通過。
やがて盛岡エリアにてR396からR106へと乗る。

いよいよ区界高原へ来た。

肝心の登山口は何箇所かある。
R106を宮古市方面に下がって兜神社から登ろうとも考えたのですが・・・
それはストレートに山頂へ伸びるルートであり面白味に欠けるので、ほかを検討する・・・手っ取り早いやり方は楽しみを阻害する。

まずは一旦、区界ウォーキングセンターにてコース案内図を手にする。
検討結果、少し盛岡寄りに戻って「区界少年自然の家」からの登山コースとした。
それは、見晴山に登って兜明神岳へ到るルートであった。



この山だ・・・兜明神嶽!
普通は「岳」と付けるのでしょうが、この威容には「嶽」の字がイメージぴったりではないだろうか?



キャンプ場の手前の駐車場に置かせてもらう。

此処のキャンプ場は、どうも林間学校のような団体用の教育キャンプ場の体裁と思われた。
先の区界ウォーキングセンターキャンプ場のほうがもう少し立派な感じがするが、主な利用としては同じ類に思う。
そんな健全な匂いのする場所は、自分のようなヒッソリ系オヤジ主義野営にはチト合わないキャンプ場かな^^)

それはさておき、車に突っ込んだままの山歩き道具を無造作にザックに詰める。
今回の野営は、この山エリアで幕営とする予定だ。



準備完了してスタートできたのは、ちょうどpm3時になったところだった。

     

キャンプ場脇の指導標に従い、右に上がる。
とはいえ、表示の多いこと・・・何コースあるんだい?

明日はこの左方向から戻り来る予定とした。



まずは見晴山へ向かう。

様々なコースが整備されているが、ところどころ交錯して一見さんの自分には難解な状況でした・・・
先のウォーキングセンターで入手したコース図と、なかなか合わせる事が難しかった。
コース図には○○広場などの記入が無いから判らないんですよ。



しかし目印や指導標が数多く設置されており、まったく不安はないですね・・・
全体的に良く整備されています。



見晴山へ到着・・・あっけない感じ。
向こうに聳えるのが兜明神嶽のトンガリ。

う〜〜〜む!ワクワクする。笑



更に進む道すがら望む山頂。
尖ってるなぁ・・・。

     

林間コースを進み別なコースへ合流し、気持ち良い天然芝のコースを行く。



かぶと広場へ到着。
時間的にも1時間掛かっていない・・・まだpm4時前だ。

     

思ったとおり、凄くイイ感じの場所だ・・・
今日は此処で幕営にする。

     

立派な山小屋・兜山荘がある。
中は綺麗で広く、薪ストーブも使用可能で燃料の薪も常備・・・最高だね。

ただ、今回の主(メイン)テーマは野営としての幕営であるから、山小屋ライフは別の機会にする。
もっと寒くなってストーブの温もりが恋しくなった頃に、この小屋を目的に来るのもイイだろうと思う。
トイレはこの裏にあって問題ない。



さて、まだ明るいし山頂まですぐのところであるので、今日のうちに登りに行ってみよう。
幕営に掛かるのは下山してからにする。

     

しばらく薄暗い道を進む。
その先は分岐で、右手は兜神社から登ってくる道だ。



左手の道へ上がる。



岩壁の塊で行き詰まった・・・この先の道は???

     

この先どうやって登ったらいいか解らないですよ・・・。

何度も登りの道筋を目で見上げシュミレーションして、行きつ戻りつで・・・しかしまぁ、これは怖いよ。
ザックを背負ってはとても上がれませんので、下にデポしておきます。



中腹にある祠・・・この上は更なる断崖状の絶壁だ。

     

何度か諦めようと思ったが、少し回ったところから何とか這いつくばって登ることが出来た。



頂上にある祠だ。

     

なんとか頂上まで這い上がって来たよ・・・岩山を約30mほど上がったのだろうか?
眺望はいいんだけれど、怖くて立っていることが出来ないです(笑

本当に針先のような頂上ですよ。

      

約20分ほど・・・山頂に居る。
この後、どうやって下りればいいのかなぁ???汗



どっひゃ〜〜〜!!怖いよ〜〜〜!(汗
慎重に・・・



やっとこの岩山の根元のところまで戻って・・・
ふぅ〜〜〜安心。

しかし、みなさんはこんな場所を軽々と上がっているのだろうか??
梯子どころか鎖も付いてないし、順路のマーキングすらなく全くのフリークライミング状態。



よく登ったもんだヨ・・・と感慨にふけりながら、気が付くともうさっきの「かぶと広場」に着いてしまった。



まだ日が明るい。

     

サクサクと幕営準備。

こんなときに出すべき幕体だ、ストック2本で建つ。
だが、大して使い込んでもいないのにもう早くも老朽化してる。

しかしこのテの輸入物はダメだなー、噂には聞いたけれど耐久性悪すぎ・・・長年使用し続けることを想定していないのではないかな?
お飾り品じゃないんだからさ・・・もっと気合込めてビシッと造ってくれい、わしゃハードに使いたいんじゃ(笑。



日が翳ってきた・・・。
なんともイイ幕営情景だ。



幸いにも、ブヨや藪蚊が飛んでいない。
安心して寝れそう。



美味い〜〜

     

ウィスキーのアテ(肴)は、懐かしい味のコンビーフ!
小さな子供時代には、コンビーフといったら高級品で食べる機会も滅多になかった気がする。

こういう幕営のときには最高に美味しい。
相変わらずの缶の開け方でうれしい・・・個人的にはレトロ感がGOOD。

     

日が暮れてきました。
気温が下がってきて露が下りてきているらしく、湿っぽくなっているようです。

     

外は湿っぽいので、幕の中に篭る。
風もなく、周囲からは全く何も音がしない・・・静寂だ。
そして月夜で空が明るい。

さっきの兜明神嶽の、あの険しすぎる岩山の頂に登ったことの感慨がじわりと広がる。
わずか1,005mの頂なのだが、あそこに立って見ると標高がどうのとは関係がなくなるような気がする。



早い時間だが、ウィスキーでほろ酔いになって寝ることにする。

夜中に一度目が覚めたが、相変わらず静寂で風もなく幕体はピクリともしない。
内側から結露の水滴が落ちることもなく状況は問題ない。



翌早朝、スッキリと目覚め。
外は黒い雲が流れているような、どんよりした空模様でした。



明るい雲と黒い雲が交互に覘くような早朝。
まだ、am5時だ。
盛大に露が降りて、すべてが濡れている。



このまま居ても乾かないので撤収してしまう。
畳んでビニール袋に入れ、ザックの下に押し込む。



さて、今日は出立の前にもう一つ登る山がある。
向かい側の岩神山だ。

この広場から行くことができる。

      

岩神山への道を行く。
此処もなかなか気持ちの良い登山道で、この周辺は遊歩道がめぐらされて善い高原エリアと思う。



山頂に来た。
通信施設のアンテナが建っている。



アンテナの左後ろ側の岩山に眼を奪われて、そちらに向かった。
三角点はその岩山ではなく、アンテナを右側に回らねばならないが寄るのを忘れてしまった^^)

     

昨日と違って、足場があってうまく登ることができるようだ。

     

岩場頂上。
もう一つ先にも大岩がある。



大岩と大岩の間に落ち着く。
岩神山の山頂はアンテナ向こうに見える場所。

     

ゴツゴツした場所だ・・・
雰囲気、イイねぇ。



am7時過ぎ・・・そういえば、朝食がまだでした^^)
ココで食べよう。

      

カレーヌードルにコンビーフ!
最強組み合わせのトッピング・・・お試しあれ!!笑



しばしマッタリ岩山の上で過ごしました。
さて下山です。



少し下りてきて分岐、大抵の人が歩かないであろうコースを繋いで行こうと思う。
カラマツコースを行くが、自然の家への指導標がしっかりしているのでそれに任せて歩く。



昨日登った兜明神嶽の尖った頂。

東北のマッターホルンと云われる山はいろいろあるけれど、この兜明神嶽もそう呼んでもイイのではないかな。
実際のマッターホルンを見たことはナイけれどもね・・・^^)



グルリと廻るようなコースで出発点の自然の家の駐車場へ到着。

     

到着はam8時30分頃。

うーむ!
ここは好いエリアだ〜〜。

山も味わい深い山だし、この高原の広大な森の中のコースも多彩。
何度来ても多くの組み合わせで楽しめそうだ。

それにしても、これまでも何度も見ていたあの兜明神嶽・・・
険しすぎる尖った岩山の登りは怖かったが、なんだかまた登りたくなってしまった(笑


Photo Gallery もどうぞ!



END




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