田代高原キャンプ場(宮城県)
2011年 11月

住所:宮城県加美郡加美町宮崎字北
料金:無料
宮崎生涯学習センターにて利用申請のこと

11月、晩秋です。
寒風も吹き始めて、12月の賑やかなシーズンを前にしてなにか物悲しい時期。
そんな時期に、幕体を携え山奥にヒッソリと篭るのは単独幕営での醍醐味なのです。

そんな想いにピッタリの場所・・・
それが、この田代高原キャンプ場なのです。

自分の個人的な嗜好で申し訳ないのですが、「宮城県でお好みの野営地は?」と聞かれればこの野営場にとどめを指します。
それは、立派だからとか便利だからとかではなく・・・。
全くその真逆で、お洒落で快適さを求める真っ当な普通のキャンパーにとっては候補以前の、不気味でひと気が無く不便な野営場だからです。
がしかし、実際にこの場所に佇んでみよう・・・そこには、本来あるべき「野営」としての「味」が充満している。



そんな訳で、お気に入りなんです・・・この野営場。
ほぼ昼の頃合で加美町の宮崎を通り、寒風沢(さぶざわ)から二ツ石ダムへ差し掛かる。



ダム周辺は、終わりかけの紅葉で色付いてイイ感じ。

野営場に到着。
周囲はとても静か・・・。
寒風沢から分岐して野営場に来るまでは、車一台ともすれ違わなかった。

      

今回はいつもの下のほうの場所ではなく、上の方の本来のサイト部分にて幕る。

晩秋で木々の間が透けておりスッキリしている。
草が生茂る時期の鬱蒼とした雰囲気ではなく、葉が落ちカラリとして幕営にはとても好ましい雰囲気です。
こうした今の時期こそがチャンスなのだ。

点在するテントサイトは、約4m×4mほどの台地が用意されている。
程よい場所を決めてテントを建てる。



思いついて持ってきたのは、以前に山形のリサイクルショップから連れてきた前時代の遺物のような古い家型三角テントだ。
こんなテントに郷愁を覚える方がいらっしゃれば、きっと同じ世代の御同輩なのかもしれませんね^^)
ちなみにコレは、MIZUNO製 YI82 というモデルです。

     

なんとも、まぁ、レトロな・・・笑。
一枚壁のテントだから当然大雨や結露などへの対侯性は低く、決して快適な道具ではない。



さてこのサイト部分に佇むと、この森林(もり)にどっぷり浸っている感がひしひしと迫り心地良い。
あぁ、善い気分だ。

黄金色の木々の合い間に少し残っている紅の葉がちらほら覗く・・・なんと雰囲気がイイのだろう。
周囲の落ち枝を集めて焚き火にすると、香ばしい煙が緩やかに周囲に薫る。



黄昏(たそがれ)の森。
今の時期の野営場というのはホントにスッキリした枯れ模様で、とてもイイ感じだ。

     

チョッとした工夫で、焚き火台もカマドのようで調子よく・・・。
その簡易カマドを見つつNIKKAを遣る。
最高の気分であります。



こんな感じの情景です。



夕陽に照らされ、黄金色に輝いて幻想的。

     

先の焚き火で茹でていたのは、またしてもジャガイモ。^^
手前がしっとりメイクィーン、丸っこいのがホクホク男爵。
ジャガバターはウィスキーにも相性良し。



焚き火もイイ感じ。
依然として隣の道路を通る車は一台もない。
相変わらず、静かな時間が過ぎる。

・・・野営はこう言う雰囲気でなくてはいけない。

     

静かに日が暮れ始めています・・・。
深い秋の夕暮れ、山奥の野営場に佇む時間を味わう。
とっぷりと日が暮れたら、幕体の中に入り込む。

     

少し暖房を点けると大変暖かく、一枚脱いで心地良いテントの中となる・・・極楽だ、そんな寒い季節になったのだなぁ。
デザートに柿。
今年は柿のあたり年のようです。
実が硬くパリパリとしているのが美味しい。

さっきから、サラサラと音がする・・・んん?まさか雪??
幕体から音がするのだ。
なんだろうか?と見ると、それは周囲の針葉樹・唐松(カラマツ)が一斉に尖った細い枯葉を降らしているのだった・・・。
なんとも情緒的・・・この時期「今」だから味わえることだ。

今夜はそんな音を聞きながら就寝。



翌朝、天気がイイ。



おぉ!!
日に透けたテントに模様が!^^)
これは和風柄だな・・・(笑

     

しばらくして幕体に一吹きの風が当たると、模様を描いていたカラマツの落葉が一瞬にして幕肌を滑り落ちたのだった。



素晴らしい森林(もり)の中での幕営だった。
名残惜しいが今回の幕営を閉じる。

やはり、この野営地は独特の魅力のある場所だ、自分的に県内No1(順序付けしても意味はありませんが)。
しかし以前のレポでもご覧のように、トイレは使うに躊躇するほどだし、飲用水も無い・・・まるで廃墟同然の野営場だ。
とてもファミリーやグループキャンプの向きには勧められないところです。
だが、こうして独営での野営をすると、こんなに味のある野営場はなかなか無いと思うのです。



END




掲示板に、ご感想をお寄せくださると大変嬉しいです。
掲示板

home | page top | back | next