相野々ダム自然の森キャンプ場
2011年 7月

秋田県横手市山内平野沢
料金:無料

今回向かったのは、秋田県横手市のダム沿いにある野営場です。
自分の記録を確認してみましたら、ここを最初に視察したのはもう7年も前で2004年のことでしたが、その時点からすごく気に入っていた場所であります。
この相野々ダムの最奥にあるこの小さな野営場はことさら良い雰囲気であり、自分にとっては如何にも穴場的な感じを思わせる場所なのでした。

しかしこのように気に入っていてはいたものの、なぜか横手のこのエリアは素通りばかりしてしまっていた・・・まぁ、お気に入りの穴場はあまり知れて欲しくないのもある。
こう言う場所って言うのは、例えばこのhpで紹介し反響を呼んだ「竜ヶ森」や「井出舞沢」などと同様に、誰知れずヒッソリと独営するから善いのですよ。
今回はじっくりと、まさに7年越しの・・・このお気に入り/一目惚れの場所で幕営することにしました。



この日、宮城側の天気は長引く梅雨模様であったのですが、県境を越えてみると好転してきて夏を感じさせる情景となった。
移動は下道オンリーで・・・金のかからない通行手形はあるが、時間をかけての下道ルートでのんびり行くのが善い。
明け方早朝に出立したりして、たっぷり旅の時間を作る・・・忙しくせわしないなら野営の旅になど出ないほうがいいのだ。

さて、目的地の前に寄り道・・・横手に入り増田町のスキー場脇のキャンプ場、ここも5年ぶりに確認。
有料の施設なので綺麗に芝刈りされており、手入れはされている模様。



雛壇上のテン場となっている。
すぐ隣には釣堀、子供の喜ぶ遊具類がある。
キャンプ場らしくない体裁で悪くはないが、有料管理キャンプ場ってこともあって独り野営するのには心惹かれる感じの場所ではない。

今日はお気に入りの場所でたっぷりのんびりするのです・・・。
丁度、昼になった頃合。
あとはどこへも寄らず、早めの時間で相野々ダム奥の野営場へと向かう。



山内村、相野々の駅前を過ぎ県道40号にある小さな看板を見落とさないようにして、そこから相野々ダムへと分岐する。
この辺りで別な分岐に変えると、大松川ダムへ行くことが出来る・・・近い場所だ。
大松川ダムの公園に併設のキャンプ場へもその昔、幕営した事があったな・・・などと思い出す。

ダムへの道へ分岐して人家が最後になると、すぐに道は車一台分の細さだ。
その細道の脇は崖になっており、ガードレールもない小道でとても怖い。
対向車が来ると、どうにもならないような道筋である。



慎重に車を進め、やがて相野々ダムに到着。
野営場へは更に奥へ進む。

     

このダムの辺り一帯が自然の森。
少し行くと、この「山内村林業者等休憩施設・やまばと山荘」に出る。
ここの広場も、キャンプ可能地であります。

      

先の施設に併設の広大な広場だ・・・開放感抜群。
焚き火のできるサークルがある。
開放感はあるがその分、この広場には木陰が無いので、真夏時期の強い日差しの下ではテントでの滞在は辛そうだ。
それにここは只広いだけで、野営の場としての面白味を感じない。

この広場には水場の無いのが難点で、トイレのみが広場の端にある。
それも当然だろう、立派な休養施設「やまばと荘」が主だから幕営向きではない。

やまばと山荘は当然施錠してあって、予約申請により利用可。
となると、この広場もキャンプ利用であれば申請することになるだろうか。

ともあれ、自分のお気に入り・・・今日の目的地はこの広場じゃない。
その先にあるのだ・・・



やまばと山荘をやり過ごし、その奥へ向かう。
道はそれまでの舗装路から砂利道の林道へ変わる。



野営場へは、回り込む砂利道から更に分岐して上部に上がる。
下の道から見えないような高台なのが良い。

     

到着!ここだ!
うむ、よしよし・・・期待通りの状況だ。
最高の野営場!

      

いたって質素・簡素な設備・・・施設設備などは野営には一切無くとも構わないのだが、キャンプ許可地であることを表するためには非常に重要だ。
簡易な炊事棟・・・一応、水は出る。
トイレは所謂ポットン便所、婦女子ならずとも入るには勇気がいる・・・とはいえちゃんと使用できる状態で、意外に匂っていない。
周囲には照明は一切無く、きっと夜は漆黒の闇となるに違いない。。

こんな感じで、到底ファミリーやグループキャンプ向きの快適な場所ではない。
自分のような、ヒッソリ系独営派向けの「隠れ家」の場だ。
そもそも、こんな奥まった寂しい場所へなんて誰も来やしない・・・この滞在中、周囲には車一台たりとも来なかった。



キャンプ広場の奥側の炊事棟付近・・・西側の林の木々で木陰のできる場所に陣取る。
爽やかな乾いた風がゆるく通っており、凄く気持ちがいい。
周囲の森からは、蝉の大合唱がこれでもかと響いている。

あぁ、なんて素晴らしい環境・・・嫌いな夏でも、こうした良い心地なら文句も出ない。(笑
そして、こんな素晴らしい場所を独り占めで過ごせることの大いなる悦び。



このキャンプ地は、広い「自然の森」エリアの一角にあり、その周囲には林道が巡らされている。
チョッと探索してこよう。

散策といっても、空身でフラフラと森に入って散策しないように注意ですよ!
そりゃこう言う場所だもの、熊なんてそこいらに居て当たり前だからね。

     

とても爽やかな雰囲気の森だ。
この相野々ダムの上部に位置する自然の森が、こんなにも素晴らしい場所だったとは・・・と、改めて実感するのでした。



林道を周回してくると、さっきの「やまばと山荘」の上のほうに出た。
なーるほど・・・もうこのエリアは「自分の庭!」だな・・・笑^^)

     

幕場に戻ってきた・・・
まだ時間も早い・・・この野営場をたっぷり味わうように、まったりと過ごそう。



相変わらず、乾いた風がゆるい感じで流れ、周囲の森の木々の匂いを運んでいる・・・とても心地好い。
ふと気が付くと、虫が全く寄り付かない・・・というか、蚊やアブ、ブヨなどの煩わしい害虫が一切居ない。
凄く居心地がいい。

          

夕刻となり少し早いが、夕食(?)に・・・
このトマトが本日の夕食がわり。
気が滅入っていて食欲が無いのだが、こうしてお気に入りの野営場に佇むと癒される。

ふもとの町で、地元の農家が出しているトマトを道沿いの地場産品販売所で買っていた。
他のと違って、まだ緑色が残って硬い状態なのが気に入ったのです。
こう言うのが好きなのよ、これ見よがしに真っ赤でブヨブヨな締りの無い水っぽいトマトでは駄目です。

思ったとおりコレは青臭くて酸っぱい・・・そう、これよ!トマトって本来こういう鮮烈な味だったはず・・・最高に美味い!
一袋3個で¥180・・・もっと買ってくれば良かったな、食欲無いけどコレならもっと食べたい。

昔のトマトは酸っぱかったから、砂糖をまぶして食べたものさ(笑・・・水道の下、タライに水を張って畑のキュウリやトマトを浮かべて、おやつに食べたっけ。(郷愁
そんなことを言ってると、歳とお里が知れっちまうよね?(笑
それにしても、いつもの通りこの塩だよ「白いダイヤ」・・・トマトにこの天然塩の相性って言ったら最高だよね!



やがて西日となるが、脇の木々を透した木漏れ日が射し込む感じ・・・
あぁ・・・とても好いね。
こんな善い場所に独りで佇み、貸切で野営地を味わっている・・・なんて贅沢な愉しみなんだろうか。

こうした野営の味わいは、独りでやってこそ味わえるもので、それこそが野営での最大の悦びだ。
野営で一番大事にしたいのは、「その場所のよさ」そのものだ・・・

野営する土地と対峙して、宿営場としたその場所の良さをどれだけ感じられるかが一番肝心なことだと思う。
それに、こうした野営の愉しみが本来のあるべき目的ならば、使う道具類などはごく簡素なありふれた普通のもので充分で、道具収集など二の次でいいはずだ。

      

周囲の森の雰囲気がとても好いね・・・良い野営場だ。
今日は本当に好い条件に恵まれているんだろう・・・。

野営場の中央は、苔状になっておりとてもフカフカなスポンジ状で、これは水はけの悪い場所である証拠だ。
雨が降ると、きっと水たっぷりのグシュグシュな状態になるのは明らか。
今日は運が良いよ、カラリと乾いた状況だからね。



心地良い時間が静かにゆっくりと過ぎて行きます・・・。
お茶でも啜りながらラジオを聴いてます。
が、ラジオときたらナイターばっかりなんだよな・・・野球やサッカーなどには一切の興味が無いので、こういうスポーツ中継ばかりの時期はイライラする。

そうか、ラジオなど点けなければいいんだよな、こういう好い場所には音楽もニュースも邪魔なんだ。
周囲の森から聞こえる、夕暮れ時の蝉や鳥の声に耳を澄ませればいいのだ・・・。
野営はごく少人数で何もしないのが最良だ・・・あれこれイベントじみたことをやってそっちに気を使うから、その宿営地の土地・場所がないがしろになるのだ。

     

時折ランタンを明るく点けてみるけど、全く虫が寄ってこないのは好いね。
今日はたまたまの好状況なのかな?

夏の夜に、こんなに虫に邪魔されずに快適なのは初めてだ。
それに未だどこも虫に刺されていない。



あぁ・・・もう眠い(笑
まだ8時半か(笑・・・なんとか9時まではガンバれるかな?(汗

虫の音も消えすっかり周囲は静寂となって・・・周囲は漆黒の暗闇だ。
森の向こう、ふと耳を澄ませると汽車の走る音がごく僅かに聞こえるではないか・・・107号線に平行して伸びる北上線の列車の音なのでした。

ん〜〜もう寝るべ・・・
テーブルを片付けてテントに入る。
肌寒いくらいの状況で、これはとても心地良く寝れそう・・・。
おやすみなさい。



目覚めると、うっすら僅かに明るい・・・
am4時半。
まぁ昨晩の早い就寝だからして、こうして早起きになるわな・・・もう年寄りみたいだよな、自分(汗
とはいえ、ウトウトと二度寝が気持ちいい・・・あぁ、涼しくて最高。

     

まだ朝7時を過ぎたばかりだというのに、こんな好天。
日が当たると、とたんに暑さが急上昇。



良く見ると、炊事棟の脇のほう・・・ダムが望める広場の南端のほうは木陰が出来ていて、そのところだと一日中木陰が出来ているようだ。
その分、湿り気のある一角ではあるが、真夏の灼熱の昼間なら涼しく過ごせるかもしれない。
う〜む、コレなら真夏の時期でもいいかもしれない・・・誰にも邪魔されず、この場の雰囲気に浸って独りっきりで過ごせそう。



いつまでもここに滞在していたい気になってしまう・・・。
後ろ髪を惹かれるが、今回はこれで野営を閉じよう。

好い場所だ・・・最高に素晴らしい野営だった。
周囲の森も好い感じだ。

この野営場はまさに穴場でしょう・・・そんな場所だ。
7年も前から何度か見ていながら、なぜこれまで宿営していなかったのか、自分でもほんとに不思議でしょうがない。
そのときは他に行かねばならない目的地があったんだろうな、きっと。
WEB上でもこの野営場のキャンプ記事は見かけたことが無く、きっとこのhpでの当野営レポが唯一かもしれない・・・どうでもいいことですが。

以前と何も変わっていない状況で、とても好ましい野営場だった。
また近いうちに再訪したい、と強く思わせる野営場なのでした。




END




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