高塚高原キャンプ場(福島県)
2008年 11月

住所:福島県双葉郡川内村大字上川内字高塚山
料金:無料

11月のこの時期、東北地方は毎年冷え込んで雪模様となるのが慣例のように思う。
一旦冷え込んだその後はわりと温かくなるのだが、この週もそのセオリーに従って寒く場所によっては大雪になっているらしい。
そう言えば一年前のこの時期、秋田の皆瀬村のとことん山へ行ったときは積雪1mほどの本格雪中幕営状態だった。
今日も福島の会津地方だと大雪模様のようである。
年末や年明け頃のように充分慣れた時期は良いが、こうして季節の変わり目の突然の大雪は構えが緩いので混乱するものだ。



さて、今回は福島に向かう。
前回訪れて、なかなか使い勝手の良い無料オートキャンプ場と思われた場所である。
今回は数名で合流してのキャンプとなり、そうした場合にはとても良いキャンプサイトだ。



まずはスタッドレスのタイヤへ交換だ。
軽自動車のタイヤ交換など30分もあれば完了。
冬装備で荷物も多くなるが適当に詰め込む。



来る道すがら、天気は良いのだが強い風が気懸りなまま昼過ぎには現地に到着した。
車を降りると冷たく強い風が吹き付けている・・・なにせ標高1,000mの高地なのである。
どうなるものかと管理棟を見るが管理人さんは不在のようだ。
管理棟脇から入りサイトに下りて行く・・・こんな時期だ、当然の無人状態である。

管理棟に一番近く便利の良いサイトに入り状況を伺う。
若干低い場所で林に囲まれるためか、風が弱まり多少は条件が向上する。
かなり冷え込んでいて寒いが、この状態なら良いでしょう・・・。



この時期、例によってこの貧乏臭い上に燻臭いヨレたSTである。(笑
こんなものでも数人で集う場合には、布一枚で快適に過ごせるものなのである。

設営をしていると今日の合流のキャンプ友、三太夫さんとご友人のH氏が到着した。
お久しぶりでの挨拶もソコソコに、とりあえず設営をやってしまいましょうか。

        

風が強いのでそそくさとSTの中に落ち着く。
当HPご愛読者様へのプレゼント、旧¥100スキならぬ¥30スキを両氏へプレゼントする。
炭火を使ってシーズニングをしておきましょう・・・何かと重宝するのですよコレは。

   

山の向こうから聞こえる風音、轟々と唸っているその風音を聞きながら熱燗をつけていただく。
美味いねぇ、こう言う燗酒は。
三太夫さんとH氏、そしてH氏の若殿も起きてきてミニととの良いお相手になった(笑

暗くなりかけたとき、もう一組の合流のキャンプ友が到着。
電気屋モモさん&うにゃさん(ツブシオさん)ご夫妻が御出でになった。

   

皆で熱々の鍋を突きながら温泉話・・・。
前日に届いた温泉ガイドブックを皆さんにプレゼント。
実はこのガイドブックは当HPの愛読者、やえもん様から頂いたものなのだ。

この温泉ガイドブックは「ゆき湯<yu・gi・yu>」と言い、奥会津の7町村のこだわり温泉を紹介したものだ。
綺麗なうえに正確な情報の写真と旅情をも誘う紹介記事、温泉ソムリエの石井宏子女史と温泉ライターの山崎まゆみ嬢もいる。
これほどの高いレベルでありながら、無料配布の小冊子だとは信じられない。
何にせよ、このガイドブックがあれば奥会津の温泉通になれるのは間違いない!(笑
この小冊子を持ち奥会津の温泉を廻ってみたくなってしまった。



三太夫さんとH氏、モモさんと和気藹々で熱燗を酌み交わす・・・とても好い夜です。
外は相変わらず轟々という風音、幸いにこのサイトには強風は吹き込まずただ深々と冷え込んでいるのだ。
少し早目なれどミニととに合わせて就寝させていただく・・・。



翌朝、遅めに起きるがやや体調悪し、うにゃさんに風邪薬を頂く。
熱いコーヒーを啜り薄暗い朝の様子を見ている・・・。

      

今日も風が強そうだ・・・。
明け方に目が覚めた時も相当に風が唸っていたので、一晩中轟々と鳴っていたのだろう。
ミニととが散歩してみると管理棟に管理人さんが到着したらしい。

早速管理棟へ入ると、丁度、薪ストーブに火が入ったところであった。
前回見かけてとてもあたりたかったこの立派な薪ストーブ・・・。

    

管理人さんと皆で、この高塚高原についての話に華が咲く。
東京から来ているH氏の若殿、僅かな雪ながら存分に雪遊びに興じている。



火が大きくなりストーブ全体が熱せられると、じんわりと温かさが増してきて得も言われない心地良さだ。
「ここに来てくれた人にはこれ位しか出来ないからねぇ・・・笑」と管理人さん。
「火のご馳走・・・ですよね」とワタシ。

   

ストーブの温かさのお陰か体調が戻り、天気も好転してきたのでここの名所の「ぺらぺら石」への遊歩道を歩く。

   

素晴らしく気持ち良く歩ける遊歩道だ。
途中向こうに開けた眺望があり、牧場風景が見える。
僅か1,000mとのことだが、山道ゆえ結構な距離なのである。

    

ペラペラ石・・・石?これは岩でしょう?笑
大きすぎて気軽には登れませんな〜、はしごでもないとね。
隣の大きな岩に攀じ登って見れば、確かに素晴らしい眺望です。
隣の大滝根山の航空自衛隊のレーダー基地も真近に見渡せる。



ペラペラ石の脇にある祠。
お賽銭は持ち合わせていなかったが、幕営旅の安全と発展を祈願して手を合わせる。
これが後に起こる伏線だったのかもしれない。

   

さて、管理棟に帰還するとあの薪ストーブの火のご馳走が待っていた。
ミニととが薪ストーブにフライパンを乗せてパンケーキを焼いていた。
もう昼だ、早いね。



三太夫さん、H氏の撤収に合わせて一旦ここで別れを告げ風呂「かわうちの湯」へ向かう。
のんびり時間を気にせずに浸かる風呂は気持ち良いものです。
帰りしなに、帰路の両氏と入れ違いになった(笑
帰りのエレベーターに乗る前に自販機でコーラを買ったのだが、つり銭の所に自分のお釣ではない百円玉が。
なんと、先の祠への祈願の御利益なのか¥400を拾ってしまった・・・拝んでおくものですね。(笑

   

キャンプ場へ戻りマッタリします。

    

炭火がとてもイイ感じであります。
炭火で焼いた餅、この冬時期はこれだけでもご馳走になります。
三太夫さんが持ってきた喜多方の酒の会津ほまれ、このラベルがとても綺麗。
雪化粧の磐梯山、猪苗代湖が描かれていてとても雰囲気が出ていて良い、もちろん美味しい。

   

今夜も酒瓶を影絵のように幕体に浮かび上らせて、冷え込む夜が過ぎて行くのだった(笑。
熱々の鍋料理は無敵の旨味を凝縮していて、食べると身体を芯から温めてくれた。
モモさんと熱燗を酌み交わしてとても良い夜が更ける。



前夜と同じく、明け方は轟々と風が唸っていた。
やはり冬なのだね。

      

無粋なことを言うようですが、このキャンプ場・・・これだけ素晴らしい雰囲気で快適ながらも無料で利用できるのです。
サイトは全11サイト、奥のサイトだとトイレなどに遠くなり不便だがオフシーズンはどのサイトでも選び放題だ(笑。
家族連れや小人数での集まりにはとても使い勝手の良いキャンプ場と思われ、所謂、穴場であろうか。

管理人さん曰く、この様に施設が整ったのは僅か6年ほど前のことだと言う。
昔のキャンプ場はペラペラ石へ向かう遊歩道の入り口にあったとのことだ。
今年はもうクローズ間近、恐らく我々が最後の利用者になったのだろうか。
とても物腰の柔らかい管理人さんに、来年の再会を約束して帰路にと向かった。





END



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