国設くるみ台野営場(秋田県)
2008年 9月

秋田県山本郡藤里町藤琴字藤琴沢国有林
無料

9月になったが相変わらず雨だらけで、鬱蒼しい天気が続く毎日なのである。
今年の夏、東日本はゲリラ豪雨に水害・・・だが西日本のほうは水不足とか・・・なんだか上手くいかないものだ。

さて9月に入っての今回は、ようやく独りの幕営旅のチャンスが訪れた。
行き場所には多少悩んだ・・・。
昨年同様北東北のくるみ台キャンプ場か、またはそれ以上のお気に入りとなったひっそりしたあの某野営場か。
悩んでいるうちに寝てしまった(笑・・・明日は遠出、早起きせねばならんのだ。



翌早朝、ちゃんと早起き^^。
よし!行き先は「くるみ台野営場」にするか・・・何となくそんな気分(笑

今日も天気は今にも雨が降りそうな暗い朝で、全くイケてない。
そっと車を出し幹線道路を北上する。
早朝の道路は混雑せず、せいぜい長距離の物流トラックが遅く動いているだけだ。
以前はトラックと言えばビュンビュン飛ばしていたものだが、最近は走行監視が徹底しているらしく妙に遅い。

と言う訳で渋滞知らずで順調に移動でき、R108で鳴子を越えて宮城−秋田県境の鬼首峠へ差し掛かった。
長いトンネルを抜ける・・・するとどうだろう!
あれほど鬱陶しい厚い雨雲に覆われた宮城県側と違い、天気一変!快晴なのだ。



まったく真夏だ!気温も30℃を超えてばかりいる。宮城は20℃も無いと言うのに。
太平洋側と日本海側を分ける奥羽山脈によって、これほどまでに天候が分かれる。
宮城の夏は海から吹き込む冷たい季節風「やませ」の影響を受けるのだ。
その季節風は奥羽山脈で止められ、手前の太平洋側はこのように天気が悪い。

R108は秋田県雄勝町に下りてR13に出る。
ここに出るととことん山キャンプ場へはもうすぐという位置、秋田は宮城の隣の県・・・近いものだ。
ちなみにとことん山の皆瀬村にはR398がもっと近いのだが、御存知の大地震にて通り抜けが出来ない。

さてそのままR13を北上して秋田市。
まだAM11時前である・・・なかなかいいペースだ、早起きは三文の徳?得?。
普段は時間が無くて立ち寄れない場所を見ていきたい。

まず、一つ目の場所。
R13から外れて山へ向かう。
広い自然公園である。
入り口には温泉が・・・帰りに寄っていこう。
管理棟を過ぎると遊歩道のような砂利道に変わる。

      

まず着いたのが、地図によれば「ピクニック広場」。
炊事場、離れた所に簡素な便所。
テン場は斜面だらけで適地は少ないが、小型テントなら何とか張れる場所はある。
なんだかパッとしない場所だ。あまり食指は出ないかな(笑

ふーん、そうですか・・・。
と戻ろうとしますが、その先を見てからね。
で先に行ってみますか。

      

おー!これなら良いんでないですかね〜?
爽やかな広場・・・うん、これならテント張りたくなるね!
綺麗な芝生が広がって・・・見ているだけで気持ち良い。
なるほど〜「グリーン広場」とはよく言ったもんです。

   

キャンプ用の場所ではないですので、炊事棟は無くて水道だけ、ちゃんと水も出て飲めるようです。
ただ、トイレは御覧の通りでチト近寄り難く、あるだけましレベル。
まぁ、機会があったら幕営してみましょう。



さて麓に下りて北上を続けます。
つぎの視察の場所へ。

      

これまた山の奥の方で、林道が多く分岐するような場所・・・オフバイクのライダーにはたまらないエリアだろう。
バンガローのような立派な施設が一棟。
その手前の小さな芝生広場がテン場だ。
この施設の中は大変綺麗で水道もトイレもあるのだが・・・閉まっている。
聞けば、普段は閉めていて地区の行事でもなければ使わないとのことだ・・・野宿専用?笑

ここに来ると相当に物寂しい山奥感だが、その手前にはもう一つ野外施設がある。
この村にはこう言う野外施設が合わせて3ヶ所もあるのだ、大したもの・・・もっとも林業関係での施設のようだが。
さて、そのもうひとつの場所・・・。

      

これはなかなか立派な施設。
トイレも炊事場も立派で綺麗。
ちゃんと水も出て使える状態だ。

サイトは・・・手前は丘になっていて上るのが辛いか。
斜面なのでまるでスキー場のよう。
上ると大きな屋根の東屋がある。
眺めもよく開放感もあって気持ち良い。
問題は荷揚だな。
斜面なのでこれまた小型テントでなければならない。

ここもまた、何か機会があればテントを張ってみましょうか。
それにしても・・・あるものですねぇ、こうした無料で幕営できる場所って言うのは。
3ヵ所のうち残る一つ、近くまで行ったが場所が分からなかった・・・次回、またチャレンジする。



<国設くるみ台キャンプ場>

さて、午後もイイ時間になった。
そろそろ目的地のくるみ台野営場へ舵を切ろう。
気が付けばまだまだ遠いじゃないか・・・汗



二ツ井町から藤里町へ分岐し藤琴川に沿う県道317を伝って進む。
黒石林道へ分岐し、いよいよくるみ台野営場への道に取り付く。
約一年ぶり、懐かしい道だ。

キャンプ場までの約1kmが砂利道で、キャンプ場からその先はまた舗装路になる。
砂利道もずいぶんと走りやすくなったように思う。
2年前に来た時は車の底を何度も擦った。

おぉーっと!!
バスが一台、カーブから突然出てきた!
思わず急ブレーキだ、危ない!
こんな山奥の細い道に観光バスが居るとは!
この先の駒ケ岳登山やその手前の自然教育林など、なにせ世界遺産の「白神山地」の秋田側エリアなのだ。
観光客を乗せたバスがキャンプ場前を通る・・・くるみ台キャンプ場って意外に多くに知られた場所だったのかも。
なんと言っても、”国設”のキャンプ場ですから・・・メジャーでちゃんとしたキャンプ場なのだ。

      

さて、幕営場に到着。
静かでイイ感じだ。
しんみり雨の中の幕営を予定していたのだけれど、夕日まで差し込んでいる。



はい、了解しました!(笑

      

蒸し暑い、脇の渓流は気持ちよさそうだ・・・が、かなり水が冷たい。
時折、なにやらプーンと甘い匂いがする・・・見回すと近くにある花が匂っている。
なんと言う花なのだろう?

    

ここに向かう車中、ラジオからは大気不安定での雷雨大雨の予報が繰り返し伝えられていた。
状況によってはすぐに下りる覚悟であるが、一滴も落ちてこない。
今の状況は良いが、まぁ用心しておこう。

      

ひとりマッタリの夜、イイですね〜〜。
独りの幕営には、液燃器具が好い。
プリヒートから始めて炎を大事に育てるのだ。
瞬間的な素早い機能を欲したい向きには絶対向かない道具だろうか。
しかし、こう言う道具のクセも幕営中の趣だとおもう、好いものだ。

場内灯は無く、明かりはランタンの明かりだけしかない、あとは暗闇。
雨が降るか?と思い空を見れば満天の星空・・・。
渓流のサラサラという瀬音だけが聞こえている。

さて、夜も更けてイイ感じで酔いました。
小間物をかたずけてランタンを消して、テントにもぐります。



目が覚めると薄っすらと明るくなっていた。



ピンクも少しばかり明るい(笑
まだam5時である。
瀬音の他には何も聞こえない。
カラスの声がしないのは良いね。
普通の森だと明け方には鳥たちの声がざわめくのだけれど、ここはシンと静まっている。

     

少しうたた寝した後起床。
お湯を沸かす間テントを畳んでしまう。
簡単に朝食。

     

渓流に掛る木々の先の葉は心なしか色付いているように見える。
もう紅葉が始まっているのだろうか?
ゆっくりしたいが・・・自宅から約8時間、なんせ遠いのだ(笑。

車に荷を詰めて車を出す。
せっかくなので、この先へ行ってみることにする。
なにせ、観光バスが上っていくのだから・・・笑

     

くねくねと目の廻る道を上り、舗装路の終点が岳岱自然観察教育林だ。
この先からは砂利道で、その先の終点は登山口となる。
今日はここまで。

    

やはり葉が色付いている・・・ここでは紅葉が始まって来ている。
さて麓に下りて行こう・・・キャンプ場を過ぎて大良峡までも遠く感じる。
好い幕営を過ごした。



さて、帰路である。
しばし車のナビにまかせていると、なにやら野営地の匂いがする(笑。

      

へぇ?なかなか好いじゃない?!
町に近いものの、その分便利が良くてライダーなどには好適な場所だね。

なにやら公共の水辺公園の類だ。
広々した草地、少し伸びているが許せる範囲だ。
かなり広い敷地で他にいろんなエリアがあるものの、手入れが行ききれずジャングル状態の部分もある。

入り口付近に小さな水洗トイレがある。
炊事場は無いが、東屋脇に水道があって給水が出来る。
何よりこのデカイ東屋(展望場)が好いね。
これなら大雨でも楽に過ごすことが出来る。
あとでキャンプ可否を聞いてみようと思うが、禁止条目も無く何ら問題無いだろう。
また一つ、野営地を見つけることが出来た・・・いろいろとあるものですね。





END



どうぞご感想を掲示板にお気軽にお寄せください。
掲示板

home | page top | back | next