飛の崩れキャンプ場(秋田県)
2008年 6月

秋田県にかほ市金浦飛
(旧 由利郡金浦町飛)
無料

6月も中盤、いよいよ東北南部も入梅となりました。
これからのほぼ一ヶ月は湿り気たっぷりの愚図ついた季節なのだ。

そうは言っても幕営をするということは、四季折々の季節や自然の有り様を肌で感じることができるものだ。
だから、ワタシの幕営の楽しみにオフシーズンやオンシーズンなんて切り分けは無意味であり得ない。
常に我々を取り巻く季節毎の自然に少しでも触れあい、人が自然界の摂理の中に生かされる存在であるのを知るのだ。



さて今週は秋田の飛び海岸の野営場に行ってみよう。
梅雨時幕営の楽しみ、テントを叩く雨音を聞きに行こうかな・・・。
小雨の中、道具を揃え出立する。

で、県境を越えて山形に入るのだが・・・
あんれ???

    

見事に晴れまくってるんです・・・(汗
山形市内もYTS山形放送前も、さくらんぼ直売所前も・・・見事に晴天!
なんで???(笑
宮城と山形のこの違い!!

ともあれ、まずは人知れない山奥の野営場を視察しに分岐する。
山奥に延々と入り行く。
この前のGWには雪で阻まれて上れなかった砂利道に分け入って行く。
砂利道手前には湧き水のスポット、名水汲みに人が居る。
その先、地元民の対向車とのすれ違いに難儀する・・・砂利道が狭いのだ、ハンドル操作を誤ると崖下に落ちる。

      

その苦労が報われるかというと、まぁ、何と言うか、う〜〜む!と唸るのみ。(笑
この先は登山道、正面は何やら畑。
雑草に埋もれたサイトを見てみると、サイトらしく確かに囲いがある。
登山者用というのがこの小さな囲いの作りでよく解る・・・ソロテントしか入らない小ささだ。
しいて張るとすれば給水場の奥の平地の一角かな・・・。
こんもりと木々に囲まれて木陰は良いかもしれないが、全体的に何かそそられるものがない。



しかし、なんとも天気が良くて暑いんである。
これは全く想定外ですよ。
梅雨の幕営、ジメジメの湿った幕営・・・のハズなのにねぇ?

秋田への県境を跨ぎ、風光明媚な三崎の海岸風景を眺める。
三崎公園にはテントがあった。
今日は松の木の木陰によってとても過ごし易いだろう・・・きっと心得ているんだな。

さて、こちらは飛の崩れだ。
どうだろう?と、向かうたびにいつもハラハラドキドキする。

      

お〜〜〜〜!!スバらしい!!
素晴らしすぎる綺麗な芝生・・・居心地は最高な場所だ!

綺麗に草刈されたばかりの状態、清々しい場内なのだ。
一見、無管理のような野営場のように見えるが、こうしてちゃんと手入れされている。
風が吹いているが三崎に戻る気は無く、無条件決定。



う〜む、直射日光が辛い・・・暑い。
飛の崩れキャンプ場は真夏には向かない場所だ、日陰が無く暑さから逃れられない。

タープを携行してきて助かった・・・雨のつもりのタープが日除けに建てることになるとは。
両方とも数ヶ月前から出番を待っていた幕営道具・・・ようやく実践投入される(笑

   

まずはタープ、そして寝所・・・
今回はこのシェルタにする・・・ツインポールのシェルタで参天より一本多い構造でトレッキング用のストックを使う。
風が当って一発で決まらない、何度か微調整して形を整える。
あ〜暑い〜〜、もう汗が吹き出てイヤンな感じ。

さて、まだ時間が早いので冷房の効いている所に涼みに行こう(笑
行ったのは、白瀬南極探検隊記念館だ。
ここは何度来ても面白い・・・特にキャンプ好きにも楽しめる。

      

ペンギンさんに迎えてもらって中へ・・・¥300は安い、と思います。
ミニととと合わせても¥500ですよ。

天幕、お〜〜!参天か!?笑
一応、これには床はありましたな。
出入り口は現在の山岳用テントと同様の丸い吹流し形式に近い。
シュラフというか寝袋というか、ほとんど毛皮の袋と言った感じで、現在の装備に比べたら軽量コンパクトさは雲泥だ。
が、この重々しい天幕も特攻用天幕(いわゆるアタックテント)と言うから、現在の装備の凄さが解るだろう。

      

これはその後の南極観測隊、大型雪上車の展示物だ。
中にあるコールマンのランタンは#220だろうか?実際に使われたものなのかはよく解らない。
運転席にも座って見る・・・このレバーを引いて極寒の南極大陸を走破したのだろう。
続いてオーロラドームへ。
綺麗なオーロラ画像が見られる、そう言えばこれは初めて見た。
実際に見たことは無いものの、こう言う感じに見られるのだろうかね。

さて、記念館を出た後はミニととを公園で遊ばせる。
これまた暑い・・・思わず其処に出店していたババヘラアイスに手が出そうだった(笑
もう汗がべたついてしょうがないので、いつもの温泉へ・・・はまなす。
いつもはヌルイと文句を言う露天風呂は、こうして暑い日には丁度イイ。
風に吹かれて・・・なんとも気持ち良い。



飛の崩れのサイトに戻り、買出しの氷でウィスキーをオンザロックで。
先週、安倍氏に貰ったロックグラスがお気に入りだ。
うむ!美味いぞ!!
潮騒を静かに聞きながら、夏を思わせる暑さをキリリと冷たいロックで癒す。

    

少しずつ日が傾いてくる・・・雲も掛らず・・・梅雨時だというのに夕日を眺められるのか?
夕暮れは結構忙しい、夕食の炊飯もせかされて一方では夕日も刻一刻と水平線に落ち込んでくる。



あぁ、何度見ても素晴らしい夕日・・・絶景だ。

   

ついさっき、キャンプに来た家族が居て子供は子供同士ですぐに打ち解けていた。
二人して金浦飛ヶ岳へ登り夕日観賞している。
この御家族、すぐ近くのお方らしい。
羨ましいね、こんな素晴らしいところが近くにあれば、夕日が拝められる日に幕営が出来る・・・成功率100%も夢ではない。

夕食を済ますとようやく日が暮れた。
U字溝に流木が残ってたので、手間無くコレで焚き火にする。

   

焚き火を前に腰を落ち着ける。
太い丸太もスイスイ燃えてゆく。

すっかり暗くなり、同宿の御家族も交えて焚き火を囲み楽しいひと時。
ご主人は学生時代に宮城の仙台に居たことがあり、話が弾んだ。

ご主人の愛飲のコーヒー焼酎を頂く。
コーヒー豆を焼酎に漬け込むのだそうだ、コレがまたとってもいける!
コーヒーの風味が心地良くて何倍でも飲めそうな、チョッと危険な感じ(笑

とても気分のイイ晩・・・気がつけばもう夜も更けて子供達はもう寝た。
もう一杯ご主人のコーヒー焼酎を頂いて、おやすみなさい。



目を覚ますとすっかり明るくなっている。
ミニととが起き出して活動を始めた。
時間を聞くとまだam5時過ぎ、もう少し寝させてもらう・・・チョイと頭が重いかも(汗



二度寝でam7時を過ぎて目覚めると、さすがにシェルタ内は暑くなっているので起床する。
お〜!気分爽快。
この晴天・・・ホントに梅雨なのか?

     

せっかくの好天気なので、ゆっくり過ごす。
軽く朝食のあとはインスタントコーヒーを啜って歩くと、目の前は海原の眺めと潮騒、そして潮の匂い。



しばらくして、お世話になった地元のご家族は帰宅・・・ほとんど庭先でのバーベキューの感じでこの飛の崩れでキャンプ。
いいなぁー!なんて贅沢なんだろう。

しばらくしてこちらも撤収。
帰りルートを選んで車を出す。
秋田はこれだけの好天だったが、宮城に向かうにつれ雨となった。
帰宅して写真を見返してみると、ホントにこの天気の良さがウソのように感じてしまうのだった(笑





END





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