旗坂野営場(宮城県)
2008年 6月

宮城県黒川郡大和町吉田升沢
利用料金:無料

先週&先々週は北東北への遠出の幕営旅でした。
二週間で総走行距離約1,900km程であった。
しかし、現在のガソリン価格の急騰ぶりはまこと異常と言わざるをえない状況で、自由気ままにそうそう続けられるものではない。
がしかし、梅雨入りを伺うこの時期に・・・週末のこの好天ぶりはなんなのだ(笑
雨降り幕営も味のあるものだが、その味を知るからゆえ好天幕営も、ひとしおにいいものだ。
・・・つまりだ、ワタシの場合天気がどうでも幕営一直線っていうことなんだが・・・(冷汗
そんな前振りをしながら(笑、今回は県内の近場へと向かうのだった。



近場、と言うと思い出します牛野キャンプ場・・・何年か前は冬場には毎週行ったものでしたね。
が、その頃から外国人集団の騒がしいパーティーに出くわしたりで、気持ちの良い幕営が出来るとは必ずしも保障されない。
今回も初っ端には候補にしたが、静かにひっそり幕営が好みな者にとって安全パイとは言えず思案を巡らした。

さて、そうして直ぐに思い浮かぶのは直ぐ近くの旗坂野営場だ。
仙台から僅か1時間ほども移動すると、船形山への登山口ともなっているこのワイルドな野営場があるのだ。
ここは好い・・・以前に幕営したのはもう5年も前に長男マキを連れてだったか・・・。



そうなると、少し装備を調整して行ってみよう。
ワイルドな場所にはワイルドなスタイルで臨もう。

近い場所にしたのは交通費、車のガソリン代を節約するのだから当然なのだが、スンナリ到着では味も素っ気もない。
幹線国道ではなく、わざと遠回りして温泉に浸かったりして時間を潰す。
近隣にもこうして暇つぶしでドライブしてみると、初めて見聞したような事もあって新鮮な驚きだったりするね。

      

さて、現地に到着したのはpm2時前だ。
駐車場は船形山の登山客と渓流釣客の車だろう、賑わっている。
一発でサイト入りするのを想定しているので、装備を最終チェックしていざふくろう橋を渡る。
なぁ〜んて言いつつ、わずか数十mですよ(笑

新緑が濃い、目に沁みるような緑の濃さだ。
なにやら焼肉のイイ匂いがする・・・BBQのグループが居るのか・・・。



やはり、場内の大きなBBQ棟にはグループが居りBBQを楽しんでいるようだ。
こちらは落ち着ける場所を探す・・・ざっと見回して炊事棟の手前のあたりに良い場所を見つけ、ここに腰を落ち着かすことにしよう。

      

幕体は念のため二つ持って来た。
今回は状況も良いし、やはりココは登山口の野営場だし・・・その雰囲気に合わせるようにこのツェルトにしてみた。
ツェルトは僅か手のひらサイズ、軽量コンパクト。
多少ではあっても場内までの距離があるので、軽量の方がありがたい。

今回使わないもう一方の幕体は、次回あたりに使ってみよう。
幕営場は蚊が纏わりつくのが難で、仕方ないので周りに少し殺虫剤を使わせてもらう。

場所を決めて安心してしまい、建てる前にまだ冷えているビールをやってしまう。
ふと脇の樹を見てみると、小さな蝉の抜け殻があった。
そう言えば、この鮮やかで濃い新緑の森の中には、蝉の声が爽やかに響いており清涼感満点である。

   

ツェルトは布一枚の幕体だ。
これを今回は簡易テントに応用するのだ。
ビールを飲みながら幕体を建てつつ、一つ一つの手順を味わうように楽しむ。

   
    
うむ!好いね!!
素晴らしい幕営情景ではないか!
濃い新緑のグリーンに、鮮やかなイエローが映えている。
野営場での幕営ではあるが、このショットだけ見ればまるで山奥、山中での野営そのものだ。

とにかく新緑に覆われているのが良い、空気が美味しい、脇の渓流の音と蝉の声が心地良い。
あぁ〜、最高だね・・・これまで近場は来る気は無かったのだけれど、考えを変えなくてはいけないな。
なんだか、この旗坂野営場には通ってしまいそうだ。(笑

    

ツェルトを建て終わりマッタリしていると、BBQの団体さんは撤収をはじめ、やがて居なくなった。
この野営場には、大きな炊事棟に囲炉裏棟とでも言うような大BBQ棟があって、とても使い心地の良いキャンプ場である。
これなら、梅雨時の雨キャンプには最適な場所ではないだろうか?
ミニととは誰のお仕込みが良いのか、炊事棟のカマドの燃えカスの散乱状態が気に入らず、自ら掃除を始め出すのだった。(笑



さて、蚊が煩いので我がサイトにて焚き火をする。
先の囲炉裏棟があるものの、今日は天気も良いしさっきまでBBQで使った先人の跡の囲炉裏でなく、本来の焚き火をしよう。
大きな岩の間が丁度カマドのようになっており、そこを応用して使うことにしよう。
焚き火の煙は虫除けにも熊除けにも良い。

焚き火というのは所構わずにやってはいけない、焚き火にはルールもやり方もあるのだ。
まず、岩の間に石を敷くのだ、焚き火はその敷いた石の上で行う。
直に地面の上で焚き火しないための措置だ。
そうすれば焚き火が終わった後も現状復帰が容易なのだ。
但し、石は急激な熱で割れ破片が飛ぶ恐れがあるので、火は緩やかに大きくする。



種火に周囲の枯葉を被せ煙が周囲に這い回ると、煩かった蚊や虫たちは一斉に居なくなり、快適空間となった。
うむ、確かにこう言う森の中で焚き火の煙にあたるのは、とても気持ち良いものだ。
人によっては、テントなどの道具類に焚き火の燻臭い匂いが付く事を嫌うが、ワタシは気にしない。

ただ、焚き火は周囲にキャンパーが居ない時にするのがマナーだ。
キャンパーが近接している時に、自己中心に煙や火の粉を排出すのは迷惑なマナー違反だ。
そう言う隣近所の配慮に神経を使わなくても良いのが、こう言う泊り人も居ないマイナーな無料キャンプ場なのだ。



我々以外誰も居なくなった野営場。
緩やかに夕暮れを迎え行く。

    

時折、夕日が木々の間に差し込んでくる。
焚き火もイイ感じになってきた。



だいぶ日が長くなった、pm7時頃だがこんなに明るい。
風も無くマッタリとイイ時間が過ぎる。
う〜ん・・・もう、最高だ。

    

さて、呑んでばかりもいられん(笑。
123Rで炊飯、適当な惣菜で夕食をミニととに用意する。
それと大好きなトマトに白いダイヤ、酒飲みにはこれで充分。

      

100均品のLEDランプ、小さな灯りだが漆黒の闇の中では役に立つ・・・この後寝る時も常夜灯に点けておけるのだ。
焚き火もとてもイイ感じだ・・・深い森の中、焚き火の前で過ごす夜だ。
サラサラと隣の渓流の音だけが聞こえる静かな夜。
時折、パチパチと焚き火の爆ぜる音が心地良い。

さて、いつの間にか夜も更けた。
今夜はツェルト泊だ!
決して広くは無いけれど、この狭さがまた心地良いものなのだ(笑
ツェルトゆえ換気は重要、ベンチレーターの開き具合を整えてシュラフに入ると、ミニとととしゃべりながら直ぐに寝入ってしまった。



翌朝、目覚めるともうすっかり明るくなっていた。
am6時だ、清々しい朝。
気持ちがイイので少し散歩。

      

トイレは駐車場側にあり、奥にある炊事棟やテン場からは遠い。
渓流には早朝から釣り人が糸を垂れていた。
場所を選べば、テントの前から渓流に釣り糸をたらすことも可能な所もある。

      

簡単に朝食が済むと、しばらくコーヒータイムでゆったり過ごす。
時間が余るので、ゆっくり焚き火跡を直しながら撤収。
荷が少ないので直ぐに撤収も終わってしまい、手持ち無沙汰。
しばらくして10時前頃、野営場を後にした。



近くなので牛野キャンプ場を覗いてみる。
ダムには水が満々と蓄えている。
それにしても、結構なテントの数だ。
デイキャンプに到着する人たちも居て、天気も良いこともあってなかなかの賑わいだ。

さて、旗坂野営場・・・好い所だねぇ。
ガソリン高騰の折、こう言う近場も改めて来てみると利用価値があって良いね・・・。




END





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