石倉山キャンプ場(秋田県)
2008年 5月

所在地:秋田県山本郡三種町森岳木戸沢
料金:無料

先週、北東北へ出向いての幕営旅だったワケですが・・・って、ワタシの場合只の長距離ドライブで観光レポも無く、「旅」にはなってないよな。^^)
今週も梅雨時のような天気模様に関わらず、またまた北東北へと舵を取ってしまった。

不思議なもので、片道約4〜500kmの遠距離も慣れると大したことにも感じなくなってしまう・・・
しかしそんな事ばかりでは、昨今の異常なガソリン価格高騰はまともに経費を直撃する。
したがって、懸案の旧式PCの新調を見送り、幕営道具を買い増やすなどもってのほか、持っている品を有効活用することで幕営予算の帳尻を合わせるしかない。
まぁ、普段が質素で極力金を使わない幕営の趣味なので、まだましな方なのだが・・・。
あとは今月、待望のボーナスに期待するしかない・・・か。

そんなワケで梅雨時の天気の悪い時ぐらいおとなしくして居ればよいものを、またしても遠出の幕営旅なのだ。
am7時30分過ぎ頃、所要で予定より一時間遅く出発となった。
まずは山形へ出てR13号で北上、秋田県入りする。
大仙市に入り更に北上する。



<視察 井出舞沢園地>
秋田市河辺三内

まずは、かなり以前に幕営した事のある野営地を覗くことにする。
河辺ダムに向かい分岐してゆく。

この周囲には何箇所かキャンプ場がある。
前回覗いた時には、いこいの森キャンプ場は既に廃墟状態だった。
近隣のユフォーレキャンプ場は有料だが、センター内の温泉も利用できてそこそこまとまったキャンプ場、広いレジャーゾーンなので一般的にはここが良いだろう。

河辺ダムの下流にダム公園があるが、恐らくキャンプOKなのではないだろうか?(未確認だが)

      

トイレがあり草地が広がっている、水場はなかった・・・と思う。
特に幕営に食指は向かない場所だが単に道すがらだったので下りてみた・・・数年前、当時に視察したままの状況で懐かしい。

さて、ダムに沿って行くと、やがて開けた感じの渓流沿いの広場に出る。
ここがなつかしの井出舞沢園地である・・・何年か前にソロ幕営した場所である。
当時は殆ど世に知れず一片の僅かな情報を頼りに半信半疑で訪れて幕営した、すごく思い入れのある幕営地だ。

   

なんと!あの当時と比べて道路が良くなっている。
当時、園地手前は砂利道で落石、土砂崩れ跡などあったものだが、こうして路面が新しくなって整備された。

   

渓流の岸も随分立派に整備されたものだ。
ちなみにワタシがソロ幕営したときのこのレポで、当時の野趣溢れた雰囲気を見ていただきたい。
同じ場所なのに、随分と雰囲気が違って見えますね・・・まさにキャンプ地は、いつまでも同じ状態でなく生き物なのだ。
一見してあの時のようなワイルド感は無くなっており、ドコにでもあるような渓流公園の風情、面白味も減った感じで少し寂しい・・・あくまで個人的な感想だが。

   

しばらく来ないうちに変わってしまったな・・・変わらないのはこの渓流の綺麗な流れと名水の所・・・三内雫、美味い湧き水です。



さて、この道路の先を進み阿仁比立内へ抜けたかったのだが、この園地から通ずる県道河辺阿仁線(通称、河北林道)は通行止めなのだった。
(土砂崩れ、復旧未定)
じつは阿仁比立内側にあるキャンプ場を見たかったのだ。
そこには過去にも数回向かったのだが、場所が判らなかったり通行止めだったり時間が無くなったりで断念してばかりだ。
また様子を見てチャレンジすることにしましよう。



<視察 北東北の山奥の某キャンプ場B>

さて、ふふふ・・・ジツは本日の視察地はもう一箇所あるのだった(笑
少ない情報を頼りに行ってみよう・・・しかし、ここからはそうとう遠いのだ。

この後は約3時間ほど移動し、視察の目的地へ分岐を繰り返し進む。
徐々に辺鄙な山間を進むこと約20km、もくろみでは楽に行けてササッと視察するだけのつもりだったのだ。
がしかし、どこまで進んでも一向に看板一つ出てこない、このままの針路で良いのだろうか?
やがて道路は未舗装の荒れた道に変わってしまった・・・道端の看板には林道の文字が。
車一台分の幅しかない林道に入ってしまい、さらには両脇は深い森林に挟まれ薄暗い状況で大きく揺すられる車・・・何度も引き返そうかと思うほどだ。

もう諦めよう、と思い始めたとき、ようやく古い看板にたどり着いた。
あぁー、やっとのことで辿り着いた・・・某キャンプ場。
早速その場内に入ってみると・・・これがまた良い感じではないか!



全体的に落ち着いた佇まいで、特段の絶景が広がるわけではないが如何にも山間のキャンプ場という風情が好い。
こんな秘境の所にキャンプ場があるなんて・・・という驚きがある。
入ってすぐになにやら施設・・・休憩所らしい立派な建物。

      

回り込むと左上方にトイレ棟、これも立派でちゃんとしている。
そして草地の広場、広々して適度な木立もあってとても良い雰囲気、夏も木陰があって良いのではないか?

     

広場から奥を望むと炊事棟がある。これもちゃんとしている。
場内には他に少し古ぼけた東屋?もあったりで、整いつつも人工的ではなく、幕営地としてワタシ好みの持つべきワイルドな雰囲気を漂わせている野営場だ。
案内板によれば炊事棟の奥のほうにテントサイトがあるが、少し荒れておりこの広場が一番心地良く過ごせそうなサイトだ。

こういう山奥感は、ワタシのお好みの「くるみ台野営場」に通ずるものがある。
・・・が、舗装化が進んでしまって行き易くなったくるみ台より、こちらの方が来るのにはよほどの覚悟が要る。
大抵は根負けして引き返すだろう・・・ツーリングマップルにも載っていないのでライダーさんも来ないはずだ、せいぜい林道好きなライダーさんくらいか。
辿り着くには結構な忍耐を強いるが、それでもあえて幕営だけを目的に辿ってくる価値は、ワタシ的には十二分にあるのだ・・・。

全くの静寂な野営場の場内、脇を流れる渓流の音が僅かに聞こえる。
素晴らしい幕営地だ・・・さすがは北東北、こういう至高な野営場が密かに、そして隠れるように存在しているのだ。
・・・とはいえ、地元の人などには周知のキャンプ場なのだろうが。

こうも好い感じなら、今日はもうここに幕営するしかあるまい・・・普通ならそうだよね(笑
しかし、ジツは今夜の晩酌の酒を持ち忘れており、更に簡単な食料の買出しもしておらず遠い麓の町まで戻らねばならないのだった。
まさかここがこんなに好い野営場だとは思っていなかったので、つい後回しにしたのだった。(反省
そうなるとここに来る苦労を考えた時、買い物をして再度ここに戻ることはチト現実的ではなかった。
後ろ髪を惹かれる思いで今回は視察に留め、近いうちに再訪することにしたい。



<石倉山キャンプ場>
秋田県山本郡三種町(旧 山本町)森岳木戸沢   無料


さて、今夜の宿営地はどうするのか?
明日の帰路も考えると、遠すぎる場所はチト良くないのだが・・・。
何箇所か候補に浮かんだが、時刻はもう夕方で冒険は出来ない・・・事前に浮かんでいた安全確実な野営地に行くしかない。

そんなことで今日の宿営目的地は、石倉山キャンプ場とした。
・・・って、河辺三内から直にだったら近かったのに、視察で約150km以上遠回りしたのかな?笑
先の視察地から秋田の石倉山では相当に遠いのだ・・が、気分はもう石倉山だ^^。

これはGWでの幕営旅で既に視察していた場所で、使い勝手の良さはリサーチ済みであった。
迷わずそこに決めよう・・・、万一ダメな状況ならそこから西に向かい八郎潟にある大潟村の南の池公園も視野に入れておく。

石倉山キャンプ場に到着したのはpm5時を回った頃。
ここは石倉山公園の中にあるキャンプ場だ。
県道から看板入り口に入り、つづら折の細い砂利道を慎重に下ってゆく。

     

誰も居らず貸し切で静寂な場内、小雨が降っている。
なんとも幕営には最適極まりない、絶好な芝生広場。



タープも持ってきていたが、もうあれこれやるにはツライので手っ取り早く給水所の下に陣取ることにして、テントはその脇に張ることにした。

二段になった芝生広場は綺麗に刈られて手入れされたのが判る、とても好い状態だ。
広場の周囲に生えているのは桜の木だ、花見の季節にはきっと綺麗なことだろう。
本来はこの気持ち良い広場にテントを張りそしてタープ下で寛ぎ、ファイヤーサークルの焚き火を眺めるところだ。

   

この給水所の屋根は大きく、両脇に長いベンチもあり手間が無くて楽。
水は止まっていたが、ミニととは大したもので脇の元栓を素早く見つけて、それを回すと使えるようになった。

さて、今夜の寝床は確保できた、これなら居心地も良く何の問題もない。
途中、来るまでスーパを見かけなかったので温泉に浸かりがてら買い物をしよう。
車で約5分ほどで森岳温泉郷があり、その意味ではこのキャンプ場はとても利便の良い位置にある。

が、肝心のスーパーが見当たらない・・・なんとしても酒を、あ、いや、ミニととへの夕食材を買わねば!
コメリはあるがちゃんとしたスーパーが無い、商店も見当たらないので魚屋みたいなところで何か買うが、値付けが高い。
向かいにコンビニがあり、こちらで生鮮品も置いてあったので野菜や惣菜品、そしてウィスキーを入手する・・・ふー、やれやれ、こんなに苦労するとは。

ブラックニッカウィスキーに、例の景品である「髭のランプ」が付属していないのが不満だった(笑。
買い物の次はキャンプ場に戻る方向で、温泉でさっぱりしたい。
「森岳温泉ゆうぱる」に入る・・・ここは町営の安価な健康保養センターである。



綺麗で立派な建物、大人¥300に子供¥200と安い。
清潔さのある浴室で、温泉はしょっぱい味がする本格温泉・・・イイ温泉だ、ゆったり浸かって気分良し。

雨が降る中キャンプ場へ戻る。
このキャンプ場の欠点は、駐車場が無いことである。
芝生広場へは入れられなくもないが、ロープの開いた所は狭くまた下りてくる砂利道も軽自動車でも狭く感じる狭い幅であり、車の転回が楽には出来ない。
したがって数台の車がここに来るとその車の置き所が無く、入りも出もニッチもサッチもいかなくなるのだ・・・誰かさんの人生のようだ(汗。
・・・どうすればいいのだろう?

ここには安価なバンガローもあるが、そのバンガロー客用の駐車場も無い。
来る途中の道路わきに管理棟があったが、その駐車場からは遠すぎる。
今回は我々の貸し切でもう誰も来そうに無いので、給水所脇の砂利道に車を置いた。



まずはランタンに灯入れだ。
そのあとは、ただマッタリ過ごすのみでよい。

もうpm7時前頃なのでまずは炊飯にかかる・・・今回は珍しくチタンコッヘルを使いガスの火で炊いてみるかな。
これまた珍しくガスのツーバーナーを持ってきた・・・たまには使ってみようか?、という軽いノリであります。

      

元来、寒いとパワーが落ちてお湯も沸かないガス器具は好きではなくて液撚器具がお好みなのだけれど、せいぜいこの程度ならお遊びの範囲で使えるだろう。
やはりツーバーナーの類も、#413などの液撚タイプのがいい。
そのうち多人数分の料理の時は(って、めったに無いけど笑)その413を安価なケロで燃焼させてメインバーナーとしてみたい。
ただ、持って行くのに嵩張るのがイヤなのだけれども。

やはり熾き火と飯盒での炊飯に比べるとガスバーナーでの炊飯は情緒が無い(笑、焚き火や炭火の煙りで付く僅かな薫香が付かないのだ。
ともあれこうして難なく炊飯は出来て、ミニととの「ハラへった何か食わせろ」コールは収まった。



シトシト、時折バラバラと雨が降り、雨音を聞きながら・・・いいものだね。
今回は安直に給水所に陣取ったが本来はタープに雨音を響かせたいものだ、そのタープ下で寛ぐのがいいよね・・・と、少し悔やむ。

トイレに行くと明りも点灯しており、綺麗で問題なく使える。
このキャンプ場は入り口の方にも東屋があるので、そこも使い勝手の良い場所になるであろう。
落ち着いてキャンプ場の雰囲気を味わうにつけ、この石倉山キャンプ場はかなり好いキャンプ場と実感する。
道路から山の下に下りて来る様なアプローチなので、この下にキャンプ場があるの?という意外性があるし奥に篭った感じがしてひっそり落ち着く。

夏〜秋の頃のは利用状況はどうなのだろう?同じようにひっそりしていたら何度も訪問したいのだけれども、やはりワタシの所からは遠いよね(汗
秋田や北東北のキャンパーは幸せだ、こんなに好いキャンプ場がいっぱいあるような気がする。ワタシの家があと200kmくらい北にあればなぁ・・・。

さて、雨降りの幕営、目の前のテントは雨に打たれてランタンの明りに照らされている。
ここの屋根の下は濡れずに過ごせて、炭火も熾しているのでとても快適だ。
まったり過ごして夜も更けた・・・今夜は雨音を聞きながら寝ましょう。



翌朝、雨の状況は同じ。
時折小雨になるので場内を見て歩く。



広場下には立派で大きな炊事場、中にはシャワー設備もあるらしいが鍵がかかっていて入れない。
恐らく、バンガロー利用者が居たり、団体利用の時に使うようにしているのだろう。

   

バンガローはこんな感じで斜面に建っている。
広いデッキが贅沢な造りでなかなか居心地の良さそうなバンガロー、なんと¥2,730/一棟5人用という安価さだ!
予約が必要だろうが、天気が悪い時などには利用価値が大きいのではないか?

   

トイレもちゃんとしており、中は綺麗だ。
キャンプ場周りの雰囲気もとても好いし、周囲には展望台までの遊歩道が巡らされて散策にも良いのだろう。
ゴミ籠もあるが、ワタシはいつでもゴミは持ち帰っているので入れない。



さて、簡単に朝食をしてコーヒーを啜りながら今日の帰路を考える。
あとは一気に撤収、名残惜しいキャンプ場を後にした、また来たいなココは。



さて、このまま帰っては面白くない・・・。
途中、分岐して視察に向かう。

   

が、またしても通行止めの看板。
だが、キャンプ場までは行けるのではないか?よし、行ける所まで行ってみよう・・・。
これがまた、薄暗く超ワイルドな林道・・・車の底を何度も岩にぶつけながら華奢な軽自動車にムリをさせている。



で、ついにやっぱり通行止め(汗・・・そう書いてあったよな入り口の看板に(笑
すごすごと引き戻り・・・約1時間30分のロスタイム。
反対側のルートであったら行けたのだろうか?



その後はようやく街に出ると秋田の市内を通りR7で南下。
日本海沿岸の景観の良いルートとなり、旅のラストルートとして気分が良い。
その後、金浦で飛の崩れを見て、温泉はいつもの「はまなす」にて浸かる。
温泉でマッタリしすぎたかな?もう昼を回ってしまった。

やがて酒田を過ぎ、新潟県境へと差し掛かる。
ここでいつもの、ミネラル工房さんへ立ち寄って、お気に入りの日本海の天然塩を買う。



工房を後にしてやがて絶景の笹川流れに・・・。
少し波が荒かったけれど、久しぶりの風景には旅情を思わせる感慨があった。
今年もこのお気に入りなルートを何度も通うことになるだろう。




END





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