金浦飛ヶ岳(秋田県)〜川内町町営キャンプ場(青森県)〜石倉沢キャンプ場(秋田県)
2008年 4月

    

今回の連休、天気予報は押しなべてベタな悪天候を予報していた。
しかしながら、細々会社勤めのサラリーマンにとって休日と言うのは予て決められた日程なのだ。
まとまった連休での幕営旅なのであり、天気の良い時にでも行けばよいなどと安穏としたことなど言っていられない。
余程の事情がない限り何所へでもテントを携えて行く。



さて、迷わず北東北である。
関東圏と違って混みあうキャンプ場も少ないし、営利的でなく素(す)のまんまの簡素な野営場が選り取りなのが良い。
そもそも実生活で隣家が遠く離れて快適なのに、なんで混み合うキャンプ場の中でわざわざ息を潜めて過ごさなくてはならんの?
だから、人の寄り付かない辺鄙な環境にあるひっそりしたワイルド極まりない野営場こそ最良なキャンプ地なのだ。
そういう野営地では道具自慢は必要なく無意味だし、使い慣れたものが必要最小限あれば充分だ。
予約申請も管理人の駐在すら、ワタシの幕営には余計で一切無いのが最良である。

<金浦飛ヶ岳>
秋田県金浦町飛  当然無料!


さて、何だかんだ言って山形を横断するように走るが、途中、無名の野営場を視察に山深く分け入って上ってゆく。
これでもか・・・と山間の集落を縫って進んでゆくと、途中から除雪が無く車では上がれなくなった。
この状況ではGWに利用するなどムリだろう、あと半月は掛かりそうだ。
webで得られる情報なんてそんなもんである、全面的に信用するとイタイ目にあうのだ。(笑
又後日、視察に再訪しようか。



さて、鶴岡、酒田を通過して秋田の三崎へ入る。
天気予報を裏切る好天気、シメタ!と思ったね・・・この時点では。

    

なんとも最上のうららかな陽気、これは予て1年以上前から暖めていた計画が実行できる。
金浦片富士(ウソ)とも呼ばれる名峰、金浦飛ヶ岳(仮称もちろんウソ)標高約40m(推測)への登頂幕営である!(爆
早速、ザックへ荷詰めをし登山の体制を整える(笑
いざ、飛ヶ岳へ挑むっ!!(凹

    

馬の背の稜線を慎重に歩き進み、いよいよ登頂間近。
その山頂は・・・草叢状態であった(凹
が、しかし今は風もなく、設営には全く最良な状況であった・・・このときは。

   

雪中でサイトの地均しはあるけれど、ココでは草踏みの地均しが必要である。



しばし山頂でコーヒーを啜って一休み。
暑いくらいの陽気だ。

さて、まだ時間がある。
この山岳地域はいろんなお楽しみがあるのだ。



せっかく難所である飛ヶ岳へ登頂成功したというのに、下山して白瀬南極探検隊記念館へ見学。
この後は再度の登頂を控えて、温泉はまなすでリラックスタイム。



夕刻近く、山頂へ戻る。
都合のいい岩をテーブルにして一杯やる。

   

いいねぇ、この雰囲気は・・・こう言うワイルドな幕営が楽しい・・・決してお勧めはできませんが。

      

静かに日が暮れて行く。
pm7時を過ぎると完全に真っ暗、仕方ない・・・テントに篭りますか。

とまぁ、ここまで冗談交じりでレポしましたが、御覧の皆さんは面白がって絶対にマネしないように!
御覧のように非常に危険ですし、特に酒を飲むと豪快ベランメェ!になるようなタイプの方は絶対止めてくださいね。
万一、足を踏み外すと崖下に落ちて死にますよ(汗。
不用意に真似して損害を被られても、ワタシは一切関知致しませんからあしからず。

・・・って、誰もこんな馬鹿なことやらないよね?こんなアホなことはワタシくらいしか(ry
何度も利用している野営場も、こうしてアイディア一つで楽しみのバリエーションは広がるものだ。

さて、さざ波の音に誘われて寝入りは心地良かった・・・。
良かった・・・のだが、目覚めが悪かった。(凹
明け方4時、天候は一変していた、強風に雨。
しばし、様子を伺ったが遠くに風の唸る轟音、時折強い突風でテントが強くひしゃげる。
これはヒジョーに不味い状況なので、瞬時に撤収決意。

何はともあれポールをはずしてテンションを抜く。
叩きつける大粒の雨のなか、そそくさとザックを背に慎重に足元を見て下山して車中へ・・・
ふぅ〜やれやれ、うぅ〜寒い。



強風で車が揺れる・・・波が飛ばされて車に掛かる。
人心地ついたものの、もう一寝入りする気も起きず、どうせなら早出のついでに遠くまで行ってやれ、と開き直り。
フロントガラスの曇りが取れて暖房が利く頃合、am4時20分、周囲はまだ暗い中に車を出したのだった。



<視察:はねがわ森林公園キャンプ場>
秋田県山本郡三種町鹿渡字羽根川  ¥150/張(?)


しばらく秋田沿岸に沿って北上。
途中、思い立って視察に向かう。

      

はねがわ森林公園キャンプ場である。
ダムを目指せば、道に沿って何の苦労も無く楽に到着でき、アクセスは悪くない。
羽根川ダム湖畔にある、まぁまぁ雰囲気のイイキャンプ場。

    

テントサイトも点在し、それなりにまぁまぁの状態である。
ズルすれば車両も其処ココに進入出来、荷運びの面も問題無いだろう。
実際は管理棟隣の芝生部分が駐車場脇で便利で、大概は其処に設営するのだろう。
トイレは水洗でまぁまぁ。
閑静なダム湖ではカヌーもやれるようだ。



<視察:石倉山キャンプ場>
秋田県山本郡三種町森岳上台   無料


次に向かったのは結構近くの石倉山キャンプ場、ココは少し期待した場所。

    

ココまでのアクセスも問題無い。
約1kmの近くには森岳温泉もある。
この看板から下に下りてゆく
熊注意の看板もあるので熊除け対応必要、嫌な人はこう言う野営場には寄り付かないこと。
さて、ずっと下に下りてゆくと・・・

    

段々状に広場が三段になっており、それがサイト。
非常に綺麗な芝生状のサイトで、平坦なことと言い清々しさと言い、極上な広場である。
小さな車であればこうして乗り入れが出来る、と言うか駐車場がなく乗り入れるしかないのだ。(個人的には好まないが)

    

立派な給水場と、階段を上がらないといけない場所の便利の悪いトイレ。
この先、奥にはバンガローがある。

いやー、ココの雰囲気はイイ!素晴らしい!
このヒッソリ感は幕営には好適!熊注意の看板もあるし気軽なキャンパーなど寄り付かないだろう、好条件だ。
今日の幕営地はもうココでいいだろ!?と真面目に思ったほどだ。
周辺は大風が吹き荒れていたのだけれど、ここは囲われた感じの地形の為、周囲が壁になり風が吹き込まないようだ。

もし今が夕方の刻であったなら迷わずテントを取り出していただろう・・・残念ながら現在am7:30なのだった。
よし、ココは次回必ず再訪してテントを建てよう。
お気に入りの野営場を又一つ増やすことが出来た・・・やはり、地道に足で探すに限る・・・
当hpを参考にされた向きには、その辺を思い巡らして頂けるなら幸いだ、励みになります。



<川内町町営キャンプ場>
青森県むつ市川内町家ノ辺   無料


さて、ココからは一気に下北へ舵を向ける。
昼頃、ようやく青森市に入り、天然温泉かっぱの湯でクーポン使用にて無料入浴。
ここで少し昼寝する、今朝がやたらと早かったからね(笑



青森を発ち下北半島へ向かうも、相変わらず悪天候だ。
雨だけならまだしも、風も強くて台風並だ。

そんなこんなで、ようやくむつ市まで進む。
今日は結構疲れるね。

さて、この荒天・・・早速、今夜の寝床の心配である。
まずは川内町の町営キャンプ場を覗こうか。
これまで何度か覗いたが、魔が悪かったのかテン泊は出来なかったのだ。



キャンプ場は、川内町町営の温泉施設、「ふれあい温泉川内」の真裏である。
キャンプ場の状況も問題無いようである。
ココは無料だが受付が要る。
温泉の受付場でキャンプの申し込みをする。
管理人は無愛想で、申請書をマジマジと眺めては面倒な感じでダラリと説明をはじめる・・・。

    

まぁ、そんなことには気もとめず、さっさか設営をこなす、なにせ天気が悪く今にも雨が降りそうなのだ。
サイトは入って左右にある。

    

向かって左は林のサイトでファイヤーサークルもあって焚き火ならココ。
がしかし、大荒れの林状態で実質テントは張れない。

対面の右側は開放的な草地の広場サイト、ココが実質テン場である。
トイレはサイトに来る途中にある立派な物。
広場への車両の乗り入れは禁止で御法度だ。

    

時折日が射してきたり、天気がコロコロ変わる。
pm4時、一息ついて一杯やる。
うむ、この状態ならまぁまぁであろう。
最悪は大間崎の炊事棟に篭り、床に養生シートを敷き寝る覚悟だった・・・これまた楽しんだけどね(笑
とりあえずスンナリ寝床が決まってよかった。



歩いて目の前の温泉へ・・・無料本を差し出す。
「あ、これ使えません」・・・何?なんだと!?
「使用期限が3/31まででして・・・えへへ」・・・ぐは!やられた〜〜〜!!
土日祝の条件が見当たらなかったので使えると思っていたら、使用期限が12/31でなく3/31で終了なのだ。
ちぇっ、けち!!(笑・・・それはどっちがぢゃ!爆・・・せいぜい¥350ですよ。

ともあれ、天然温泉に浸かる・・・綺麗なレモン色風な濁り湯。
熱い湯と普通の湯があって、熱い湯が好きな人には丁度イイ温泉。
たっぷり浸かる・・・濁り湯ながら特にくせは無くさらりとした感じが、また良いね。

   

アツアツに茹で上がって、冷たい風に吹かれながらテントに戻ります。
あとはチビチビやるだけ・・・。夕食?んなもん、適当なつまみで充分、独り幕営に手の込んだ料理など無縁。
独り幕営はシンプルスタイルこそ真髄。

やがて日が暮れ周囲は暗闇。
少し風が出てきている・・・かなり寒い、気温7℃。
強い風に三度見舞われたので、テントに篭ることにする。
今夜は風雨で荒れそうなので、念のためタープは落としておく。

しばらくして寝入ったが、夜中は三、四度ほど強風で目が覚めた。
風の唸り音が向こうからやってきてあちらの方に駆け抜ける様が聞いていて解る。
一呼吸おいて強風がテントを襲ってくる、その繰り返しだ。
テントはいつも強風には良く耐えてくれている・・・普通ならまともに居られないような強い突風も何度か当った。
今回の旅はどうにも天気に恵まれないね。

  

さて、こうして無事に朝を迎えた。
am7:30、撤収完了して出立。

  

佐井村へ出て大間崎へ舵を向ける。
佐井村へ抜けるこのルートがとても好きだ、味わうようにゆっくりドライブする。
交差点で見かけたお店の看板に笑う・・・セブンイレブンならぬ7-10なな いち まる、だそうだ。



大間崎、懐かしの大間崎だが、台風のさなかにでも着た様な大荒れ状態。
この後槍のような大粒の雨になった。
堪らず炊事棟へ車を着けて避難する。
ついでに洗顔までしてしまう。

さて、また走りますか。
本州最北端の碑を過ぎた瞬間から、ワタシの旅は帰路ルートとなる。

      

いつもの奥薬研温泉のかっぱの湯。どうしても無料に惹かれてしまう。
そこからは恐山を経由してむつ市へ下りてゆく。
やがて野辺地へ下がって下北と別れる。

さてこの先は十和田湖の奥入瀬渓流を通って下がっていく。
新緑もまだ早くて、観光客もまだまだ少ない。

      

途中、無名のキャンプ場を覗く。(なんちゅうキャンプ場なのか表示が無いのよ)
野球場の外側の芝生の一帯がサイトの模様。
サイトはどうもグランドゴルフとも共用かもしれん。(笑
炊事棟には燃料用の薪が豊富、水道の水も出た。
なにやら運動公園としてのキャンプ場らしく、パッと見でそんなもんですか、って感じで食指は出ず。



<石倉沢キャンプ場>
秋田県仙北郡田沢湖町  田沢湖湖畔道路 県民の森エリア 料金:無料


さて、本日の幕営地へ急ごう、もう午後を回っており油売っていると日が暮れてしまうぞ。
本日の幕営地は、お気に入りの秘密の某野営地である。

情報誌にもwebにも出てこない野営場で、まず一般には知られていない。
と言うか、一般のキャンパーには合わない条件の悪いキャンプ場なので、知れてないのは至極当然か。
がしかし、反面、ワタシの様なワイルド幕営派にとっては延髄のロケーション、雰囲気を持つ野営場なのだ。

   

2週間ぶりだ、いいねぇ!
前回、後始末したままの状態で、誰も来てないことが伺われて一安心。



実は林のほうはほぼ斜面だらけで、テントを張る場所に難儀するのだ。
早速、焚き火を仕掛ける。

    

熊除けにギターでも爪弾く(笑
少しずつ暗さを増して行く場内。
一台の車がトロトロと入ってきた・・・しばらく観察した後に出て行ったが・・・。
林の中にランタンの明かりが見えて、覗いたのだろうか。

夜になれば場内は完全な闇で、ランタンの灯りの届く以外は本当に何にも見えない。
トイレも旧式だし炊事棟と言うより給水所、どちらも遠く離れた配置。
テン場は平らなとこがなく、強いてやるなら駐車場のような砂利広場くらいか・・・。
こんな感じなので、およそ一般のキャンパーには向きようの無い野営場であって来ない方が賢明だろう(笑

   

まったりと焚き火を前に過ごす夜。
ワタシには極上な野営場そのものなのである。
三日目の今夜は天気も安定していて、安心して寝れるだろう。
焚き火の落ち着きを見計らって、テントへ。
しばらくすると寝てしまった。



ちゃんとセオリーどおりやれば、このようにきちんと全てを白い灰にすることが出来る。
完全に消火の後、最後に枯葉を掛ければいいだろう。

   

入り口正面の砂利広場に残っていた、ダメな焚き火跡、そしてタバコの吸殻・・・マナー悪いキャンパーでも利用したのだろうか?



爽やかな目覚め。
良い朝だ。
インスタントコーヒーを淹れたシェラを手に、周囲を散策。

      

まだ日は射しこまない。
この季節にしては相当に冷え込んだ朝だ、ほぼ0℃だった。

   

am8時前、名残惜しく撤収、もっと居たいけれど何せ遠いからね。
好い野営地だ、毎週きても飽きないかも・・・笑

帰路は上天気、途中の懐かしいキャンプ場に立ち寄って休憩がてらテントを乾かす。
家に帰っての手間が省けて良いね。

さて、次のGW後半連休は何所に行こうか・・・。




END





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