北東北 お気に入りの野営地A
石倉沢キャンプ場(秋田県)
2008年 4月

   

秋田県仙北郡田沢湖町 
田沢湖湖畔道路 県民の森エリア
料金:無料

4月となって、東北地方もめっきり春めいています。
冬は出掛けないキャンパーも、この陽気でそろそろ動き出しているようだ。



今回の行き先ははっきりしていて、先日の旅の途中で見つけた一目惚れの野営地だ。
これまで幾度となくココを通り過ぎたものだが、何故だか気が付かないでいたのだ。
しかし、先日気がつき見てみれば、これはもう完全にワタシのスコープのど真ん中。(笑
これは何としても行かねばなるまい。


(前回の視察で気に入った場所)

この野営地、調べて見るに圧倒的に情報が少ない、と言うかWEBにさえ殆ど詳細情報が無い。
利用はできるのか?料金は?トイレなどはどうなっているか?etc
少ない情報ながら何とか管理窓口に問い合わせてみた。

解ったことは・・・
通年利用可、無料、但し水道は冬季止水。予約申請も受付も禁止事項も一切無し。
禁止事項が無いと言うのはアレだが、火の始末やゴミの持ち帰り、場内現状の破損(伐採、設備の破損)無き事は常識。

つまり、完全に無料開放状態で、「利用するなら自由にどうぞ」の状態なのだ。
簡素な設備、水道にトイレ・・・あとは自由に過ごせる自然に囲まれた野営場、ワタシにとってまさに至高の地。
このエリアには絶対あり得ない・・・自分でも見聞を疑ってしまう程の極上物件だったのだ。
あぁ〜この魅力的でWAILDANESSなキャンプ地が、「さー、来い」とワタシを呼んでいる気がしてならない!(笑



さて楽しみのウィークエンドの朝、pm6:30出立と決め早起きし身支度する。
荷作りは昨夜のうちに終わらせておいた。
程なくミニととも起き出し準備万端、やっぱりチミも行くのかい?起きなかったら置いて行こうと思ってたけど(冷徹?笑
自分にとっての理想とする幕営、その実現に対する欲求とか探求心が突き動かせる・・・って只のクレイジーだべ。凹

予測では今回の野営地まで、早くても約6時間の工程である。
天気も良く、前夜カミさんに作ってもらっていたおにぎりをほおばりながら一路北へ、野営地の宝庫・北東北へと上る。

ルートの詳細は略して・・・(ばき
長時間、一気に北上でドライブ疲れ。
野営地に入る前に、温泉で疲れを癒すのだ。

   

白濁で綺麗な青白色、硫黄の本格温泉・・・これぞ温泉らしい雰囲気の湯。
湯温もバッチリ、熱めで心地良い温泉。
あ〜、良いねぇ!!スンバらしい!!
魅惑の温泉の宝庫だね、北東北。

さて、いよいよ本日の野営地に入ります。
到着したのはpm:13時。

   

二週間前に覗いた時と同じ状態、いや、僅かにあった残雪が無くなったか。

      

簡素な設備。
お?なんと水が出るぞ?・・・先日問い合わせで利用する旨を話したから気を利かせてくれたのだろうか?
トイレは旧式ポットン。入り口に網があるので前回視察時は閉鎖と思い込んでいた。
「あ〜、網ば潜って入ってケロ」とのことでした(笑、予想に反し結構ちゃんとして綺麗で問題無い。
出口には申し訳なさそうに、沢から引いた水がホースから流されている。

      

改めて周りの状況を確認。
入ってすぐに広場があって、ココは砂利場体だが全面平坦で設営は楽な場所。
但し入り口正面で道路から丸見えなのでイヤ。

その上部には僅かな平地、ココはまあまあか・・・でも正面から丸見えだよなぁ。
やはりワタシの好みは脇側の林の中であろう。
前回見ていた焚き火場(らしい)の近くだ。

   

来るまでは、にわか雨だったり強風だったりで結構荒れ気味な天気模様だった。
今回持参したのはPEAK1テントとシャンティで、状況で決めるつもりだったがPEAK1テントに決めた。
気になる風は殆ど無く、これで雨がぱらつかなければ状況は良好だ。

      

おぉー!素晴らしい雰囲気!!
まるでアウトドア誌の1ページにでも出てきそうなカットである(笑

但し、栗の木も自生しており栗のイガも落ちているので、テントを張る際は厳重要注意である。
慎重にイガを除き厚めのシートなどで対応したい。
ちなみに、地面状況は良くアルミピンペグで充分である。

この古いコ−ルマンのPEAK1テント、造りは極上とは言えないが出入りも楽で室内も広大。
昼間見ると、ピンクの室内だけど(笑

      

さて、この素晴らしい野営地に酔いながら、実際に酔います(笑
落ち葉がサクサクと、気持ち良いんだよね。
更に、此処に拠らず北東北のそこかしこは、まさにフキノトウのピーク真っ盛りだ。
目の前のフキノトウを採ると、もうこんなに・・・今回もやるか!天ぷら!

      

へへ^^、実はねタラの芽も買って来ていたのだ、当然、フキノトウと一緒に天ぷらで一杯やるつもりでね。
揚げたてのアツアツにレモンをひと絞り、そして日本海の塩・ミネラル工房の金色である。
異次元の美味さ!

フキノトウとタラの芽・・・大抵はタラの芽のほうが上等と思われますね、がしかし今日はフキノトウのほうが美味い。
北東北のはフキノトウも大きく立派で、苦さも心地良いもので旨味を感じる・・・単にワタシがオヤヂの味覚に(ry
いやー、日本酒あって良かった〜、天ぷら美味い〜堪らない!
これに手打ち蕎麦なんかあったらなんて思うけど、そんなに豪華にすると質素な幕営らしさが薄れちゃうね(笑

      

天ぷらで一杯やって上機嫌、野営場の雰囲気といい貸切状態といい、最上の喜びなのだ。
そして焚き火である。
少しやる気の無い(燃える気の無い)落ち枝なのだけれど、少しずつ火力をつけさせて行く。
周りが落ち葉だらけで、焚き火場らしいこの場でも燃え広がらないよう太い木で枠を囲み囲炉裏にすると安心。

      

今日は珍しくダッチオーブンなんて持ってきてしまった。
昔のオートキャンプで使っていた名残の品でもう仕舞い込んでいたが、思い出して持ってきて見た。
ロッジの10インチレギュラー足付き、大きすぎず丁度良い大きさでディープだと料理を余して捨てるようになってしまう。

ふと見ると、そろそろ夕方で向こうには夕日がオレンジ色を輝かせて来ていたのだった。
おぉー、このキャンプ場は正面の雪の山々へ落ち行く夕日も眺められるのか・・・やっぱり素晴らしい野営地だ。
今日は雲も無く快晴のまま、物憂げな夕日が山々に落ちて行くのだった。

      

三つ足つきのDOはこうして焚き火で料理するにはピッタシ。
やっぱりダッチオーブンは焚き火で使いたいモノですね。
で、作ったのは簡単略式ローストチキン、バターとレモンと塩で頂きました。
久々にやってみましたが、結構イケル!やっぱり焚き火の雰囲気が良いからなのかな・・・。
これにはウィスキーが好相性。



ミニとと・・・これが本当のジャガイモの美味さだぞよ〜、そりゃ、じゃがりこMPも超簡単で美味いけどさ ^^(笑
鶏肉も皮がパリパリで美味いね、うーん、お腹一杯で満足。

      

食後は焚き火・・・そう、焚き火・・・そして焚き火。
焚き火は充分に育ったので、その辺の濡れた枝でもくべれば確実に火をつけてくれる。
風も無くとても良い雰囲気。
冬枯れの木立の隙間から星が輝いている。
場内には一切の人工的明かりが無く、漆黒の闇だ・・・ランタンやヘッドランプなど無いと危険。
よくキャンパーが自慢しあう道具というのは、こう言う所でこそ真価が試されるのだ、飾りではないよ(笑

さて、少し早めだけれど寝る支度とします。
ランタンの灯りを消すと漆黒の闇・・・月明かりでもあればいいのだけれど。
慣れないキャンパーだとかなり怖い状況だろうね、でもこう言うのが野営らしくて好いのだよ。
しーーん、と静かな野営地の夜、寝ましょう。



明け方近くam4時頃、ミニととの寝相の悪さで起こされる。
シュラフは暖かく、ミニととは暑くて寝苦しくなったようなので少しジッパーを開ける。
こちらもまた眠ろうとすると、聞こえてくる鳥の鳴き声。
夜明け近いので鳥が鳴き始めるのか・・・?
ん?んん??
この鳴き声はあのトラツグミ、俗称(鵺)の鳴き声ではないですか!
うむ〜、今年初めてのトラツグミの鳴き声・・・森の奥に響き渡る物憂げな独特の金属音的な鳴き声。

   

明るくなってam6時過ぎ。
暖かかったな〜、もう春だな、装備も冬仕様から変えなければ、と思いテントを出てみると・・・。
なんと、地面には霜柱、テントは霜で白くなり、温度計を出してみれば氷点下2℃。
さ、さすが北東北、ユルく無いねぇ〜(笑

キーンと張りつめた空気、外に出していた物は霜で真っ白、水も半分凍っていた。
朝日が後ろの山から日を射してきたので、周辺の散策。
良い景色だ〜、向こうの山々の麓には霧が覆っていて幻想的な眺め。

      

さて、名残惜しく後ろ髪を引かれつつも・・・
帰りも6〜7時間で帰らねばならないので、am9時前には野営場を後にせざるをえない。

夢のような素敵な野営地、最高。
ワタシのお気に入り決定、ベスト5入りですな(笑
冬に悩む幕営地選びに、強力な助っ人の野営地だね。

まぁ、この辺も豪雪地帯ゆえ、おそらく除雪すると入り口は雪の壁になるだろうか。
軽自動車を一台なんとか入れ込み、あとは雪原に上がっての雪中幕営・・・うーん!心が躍る。
なんと言ってもこの自由さと人けの無さと簡素さ、森林の自然の心地良さが魅力。
但し、欠点もある・・・
立派なカンバンが目立ち、道路沿いにあってココにくればキャンプ場の存在が必ずわかってしまう事。
もっと奥に入った場所で目立たなければ完璧であるのだが・・・。

それでも、温泉も選り取りだしロケーションも良いし、やはり超穴場のキャンプ地と思う。
状況から見てもツーリングなど旅人が使うには絶好な場所であろうか。
だがツーリングマップルにも載っておらず、インターネットでも情報が薄いため、大抵の旅人には知れていないのだろう。
であれば、しばらくはこのまま隠れた穴場のままにしておこうか・・・お許し願いたい。
TM愛用者はココにくる前に名の知れたキャンプ場で落ち着くのだろう。

さて、気分良く帰路。
途中、よく利用した無料キャンプ場を覗き隣の温泉に浸かる。
キャンプ場はまだ冬季閉鎖中でロープが巡らされていた。
今年も何度か利用することになろうか、楽しみなことです。

今回の素敵な野営地を知ったことによって、今年の幕営は一層楽しみが増えた。
なにせ自由な無料開放地ですからね。





END





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