秋山浜(福島県)〜飛の崩れ(秋田県)〜姫神山一本杉園地(岩手県)
2008年 3月

    

このところ暖かい日が続き、いよいよ春へと季節が移ってきた。
天気も好天が続くような予報なので、ドライブと幕営の旅へと出ることにしたい。



<秋山浜キャンプ場>
福島県郡山市湖南町  猪苗代湖畔  無料


朝一に家事と墓参りを済ませた後、車に装備を詰め込む。
好天になるとは言っているが今日一日は雨模様、明日からは期待できるのか?などと考えながら少し遅い出立だ。
旅程としては、本日向かっている猪苗代湖の秋山浜だけが確定であり、その後は気分次第である。

車を走らせまずは米沢の小野川温泉へ行き、土産のラジュウム玉子を買い小町の湯を覗いて見る。
まだ冬期休業と思っていたのですが、既に営業して利用できる状態で嬉しい。

   

早速、料金箱に¥200を投入し露天風呂に浸かる。
今日は湯温も適温でとても良い感じ、幸先が良いね。

温泉を出るとR121に乗り秋山浜を目指す。
秋山浜の駐車場に到着したのはpm2時過ぎ、駐車場にはカプチーノが一台駐車していた。
本日御一緒になるearthride.jpのカプさんと判り、御挨拶と相成ります。
カプさんは昼には既に到着しており、だいぶ待たせてしまった、申し訳ない。

      

さて、秋山浜は所々に雪の残りはあるものの殆ど溶けた状態だった。
気になる風・・・やはり風は吹いている。
まずはカプさんのシャンティを建てるが、風があるので二人で作業する。

   

地面の硬い所があって、ややペグダウンに難儀するも設営完了。
続いてワタシのテントを張る。
このテントは青森・大間での強風にも耐えた実績があるので(笑、この程度の状況では問題無いだろう。

風に当たって冷えるので、温泉で冷えた体を温めることにしましょう。
いつものサニーランド湖南で温泉に浸かる。
テントを張った後の温泉は気分良いね・・・。



ゆっくり浸かった後、テント場に戻る。
さて、前回から気になっていた水場付近の放置ゴミの散乱状況。



空き缶やら一升瓶やら、古いものに加えどう見ても新しい感じのゴミが増えており痛々しい。
流しの中にも放置したまんま。

   

一つ一つ拾い集め、せめて袋にまとめて整理しておくことにした・・・多少は良くなっただろうか?
噂に聞くところによれば、このキャンプ場もGWなどは結構キャンパーで賑わうがそれなりに問題もあると聞く。
例えば、松林内へバイクを乗り入れたり、車道沿いに駐車しっぱなし、花火の煙り・騒音、etc。
あまりに無法状態に荒らされたりゴミ放置が問題になると、いつかはキャンプ場としては閉鎖になってしまう。
勇壮な磐梯山の山容とそれを映す猪苗代湖・・・こんな素晴らしい環境で無料の野営地は多くない、大事にしたいのだ。

      

ともあれ、カプさんのシャンティに入れて頂いて早速ビールで乾杯、いやいやー改めて初めまして〜!遠路お疲れ様でした。
この空間が心地良いですなぁ〜、ワタシも使っている同じテントなので全然違和感が無いし・・・(笑

キャンプの話や道具の話で盛り上がって楽しい。
日が暮れると更に風が強く、時折突風気味でテントが軋む・・・シャンティは良く耐えて安心感がある。
荒れた状況の時はこうしてテントに篭って、簡単なツマミとお酒で一杯やるのが雰囲気があってイイ。
以前に教えてもらった「じゃがりこマッシュポテト」を実演試食(笑・・・やっぱりコレ美味しいよね。
白いダイヤの塩を少し振ると完璧な味。
季節限定のスパイシー&チーズ味もありだす(笑

   

いつものウィスキーや、先週買っていたNIKKAの宮城峡のモルトウィスキーもめっぽう美味く感じる。



しばらくすると、風も止んで静かになってとても良い感じだ、波音も静かになった。
やはりこうしてキャンプ話で呑む酒は最高に美味い。



今夜は少しペースが速かったので、少し早い時間だけれどお開きにして寝ましょう。
風が無いので寝心地も良いね。

翌朝は気持ち良く起床。
次第に磐梯山も見え出してきて、天気は良くなってくるようだ。



素晴らしい磐梯山の山容が見事だ。
カプさんもこの風景が見られて、遠路来た甲斐があったでしょうね。

   

軽く朝食した後ゆっくりと撤収作業。
結露せず濡れてないので仕舞うのも楽だ。
カプさんのカプチーノ、カッコイイねー!こういう車でのドライブ・キャンプ旅は楽しいだろうなぁ。
名残惜しいのだけれど、そろそろ散会。
カプさんには地酒のお土産まで頂いて恐縮です、ありがとうございました、また近いうちに一緒にやりましょう。



<飛の崩れキャンプ場>
秋田県にかほ市金浦飛  (旧 由利郡金浦町飛)  無料


さて、am9時過ぎ頃に秋山浜を後にして次は北へ針路を取る。
とりあえず大まかに考えていたのは、日本海側を北上して秋田〜岩手へとドライブする案であった。
結果、やはり久しぶりの日本海側への舵取りに決めた。
R49へ出て西へ走り、新潟・村上市でR345へ乗り海岸沿いの風光明媚なルートを楽しむ。



天気は快晴になり素晴らしい風景が広がっている。
所々、風が強いものの絶好のドライブ日和だ。

午後になり、新潟・山形県境にあるいつものミネラル工房さんに立ち寄る。
とがしさんは営業中で不在、奥様に対応頂いた・・・時間が押していてゆっくり出来ませんでした、また今度寄りますよ。

さて県境を越えて山形に入りさらに走ります。
鶴岡でR112へ乗りさらに酒田辺りでR7へ乗る、猪苗代湖からは結構遠いものだ。

   

この辺りからは名峰・鳥海山が白く浮き上がるように見え始めた・・・素晴らしい雪山風景だ。
それにしてもさっきから気になっているのは風の強さ。

とりあえず、今日の目的地は飛の崩れキャンプ場なのだが、強風がある場合は手前の三崎公園キャンプ場も候補とした。
しばらく進み三崎公園を覗く・・・ありゃ、まだ冬期休業中か!4月からの営業であった・・・忘れてた!来月にまた来ます(笑
つい、この春の陽気で多くのキャンプ場も開いている錯覚に陥っていた(汗
うーん、飛は大丈夫だろうか・・・時間的にもうpm3時を回り、この周辺だと飛の崩しか自由に開放された幕営適地は無いのだ。

心配になりながらも手前の「はまなす」に立ち寄り温泉に浸かる・・・久しぶりのここの温泉である。
温泉に浸かりながら、最悪は北秋田方面まで行き無料開放の野営場を当らねばならないか、などと考えていた・・・
そうなると日が暮れてマズイな・・・とも。
ともあれ温泉でリラックスするうちには、何とかなるさと気を取り直した・・・Let It  Be。

   

さて飛の崩キャンプ場へ到着。
気になる風は?・・・なんと天は我に見方せり!風は無く良好な状況なのだった。
この先に良好な野営地があるかは判らないし、既に日は傾いていてもう移動はキビシイ。
・・・今夜はもうここに泊まるしかないだろう。

   

さてテントを張り終え、お盆の縁のような馬の背の頂上へ登る・・・ここで夕日を眺めるのだ。

      

しかしこのような絶壁ですので、万一踏み外して落ちると最悪死んじゃうぞ・・・重々ご注意下さい(汗
今日は雲一つ無く、海に沈む夕日が見事に見られるだろう・・・絶好の夕日日和だ。



線香花火の火球のような赤い太陽が海に沈んでゆく・・・最高の景色だ。

     

本当に泣けるような・・・感動の夕日・・・絶景です。



駐車場には何台も車が入ってきて夕日を眺めているようだ。



完全に日が沈み反対側を見れば、こちらには満月が上がっており輝いていた。

      

日が暮れて月明かりの下、独り晩酌・・・とても好い晩です。
さて今夜も更けそろそろ寝ますか、この野営場では潮騒を聞きながら寝るのだ。

翌朝は薄暗い時間に目が醒めた。
潮騒よりも、沖に居るらしい船の動力音のほうが響いている。

   

今日も快晴らしい、徐々に日が射し始めてきた。
久しぶりの飛の崩れキャンプ場、お気に入りのベスト10の上位の座は揺るがない(笑。



今年も何度も来たい野営場だが、やはり夏季は日陰が無い上にBBQで賑わい静かな幕営はあまり期待できない。
来るならシーズンの外れ時期が良い。



am7時にはスピーカーからオルゴールが鳴り響く。
かるく朝食をした後しばらくして撤収、飛の崩れを後にする。



<姫神山一本杉園地キャンプ場>
住所:岩手県盛岡市玉山区馬場前田(姫神山一本杉コース登山口前)  料金:無料


日本海沿いに北上した後、東に向け分岐して協和町でR46、やがて角館を過ぎる。



しばらくして秋田駒ケ岳が素晴らしい山容を見せ始めてくれた、思わずオォーと声が出てくるね。
田沢湖に立ち寄り一周する。



秋田駒ケ岳が湖に映って、これはまた絶景だ、素晴らしい!
まだ観光シーズンではないので観光客も少なく閑散として、渋滞も無くこういう状態が楽で良い。



湖畔路を周遊する道すがら、ふきのとうを見つけることが出来た・・・まさに初春を感じさせる。
一周の後は乳頭温泉卿の「鶴の湯温泉」を目指す。

   

駐車場には多くの車が停まっており、人気の高さが伺える。
入り口の門から奥を見やるとまるで時代劇に出てくる風景そのものといった感じで、タイムスリップ感が堪らない。
入浴料¥500を払い奥へ。

やはり野天風呂だろう・・・まずは「中の湯」のなかで服を脱いで木枠の湯船に浸かる。
強い硫黄の匂い・・・残雪の山奥の秘湯へ浸かりに来たという旅情を醸す。
次に「中の湯」の扉を開けて大きな名物の野天風呂へそのままトプンと浸かる・・・。
おっとここは混浴でしたー、数名の女性もご入浴されておりました(笑、白濁しているので混浴でも入りやすいのでしょう。

この露天風呂には温泉が掛け流されているが実は足元からも温泉が自噴しており、所々に湯が沸いてくるのが判る。
温泉にタップリ浸かって大満足で鶴の湯温泉を後にします・・・時間を見るともう既に午後となりました。

さて急ごう、今日の幕営地は岩手の姫神一本杉園地だ。
岩手山の見事な風景が目に飛び込んできた・・・。



ここから回り込んで玉山区へ向かう。
途中、相の沢キャンプ場を覗く・・・ここもすっかり雪が少なくなったが場内の奥にはまだ雪が残っている。
ここでもう一回雪中幕営したいものだが、4月に入るともう完全に雪は無いのだろうねぇ?

   

いよいよ目的地の姫神山一本杉園地に到着である。
駐車場には車2台ほど、今日は登山客が少ない。

   

キャンプ場上部の登山口前には雪はまだ残っており、何とか雪中(雪上?)幕営が出来る。
早速、ザックに道具を詰めて背負う・・・駐車場から登山口までのホンの僅かなアプローチだが結構面白い。
前回、1月の時の雪中幕営時と同じ場所が適地に見える。



おぉー!!素晴らしい南部富士・岩手山がどーんと正面に迫っている、大迫力の風景。
・・・あまりの絶景に言葉が出ない!

今日のコンディションは最高だ、空気も澄んでおり斜め左上方から日が傾いて来る・・・今日も夕日が拝めるハズだ。
しばしザックを降ろすことも忘れて見惚れていた。
しばらく呆けた後、ザックからテントを取り出し広げる。

   

完全にフラットに整地するのは難しいが丁寧に均した雪の上にペグダウンする、最下部の方は凍っているのか奥までは入らない。

     

雄大な南部富士に対峙するようにテントを張る・・・こんな見事なロケーションの野営場はワタシにとっては他に無い。
猪苗代の磐梯山から始まり山形の鳥海山、秋田の飛海岸の泣けるような夕日、勇壮な駒ケ岳、そしてこの岩手の南部富士である。
これはもう出来過ぎな感じで後が怖いくらいだ(笑
いやー素晴らしすぎる・・・鳥肌が立つくらいに・・・(笑

   

そして、こういうシチュエーションにはこのテントがピタリとハマッて見える。
大きさは二人でMAXですが、一人で使うと余裕も生まれるのでザックと靴も中に収容できる広さだ。
新規投入のインフレ式マットはやや滑りやすいのが難、ケチらないでスキンマットの方が良かったか・・・。

さて、夕日が岩手山に沈むまで少し間がある。
残雪で冷やしたビールを遣りながら、昼に採っていたふきのとうを天ぷらにする。
そんなつもりではなかったから当然油と粉は持って来てないわけで、急遽買って来た・・・この際、軽量化は重要ではアリマセン(笑

   

水は貴重なので、雪を使ったりしてふきのとうのゴミを取って洗う。
揚げ方がヘタなんだけれどそれなりに揚がりました。

      

揚がったらミネラル工房で頂いた金色を振り、レモンも絞って熱々を頂く・・・おぉー旨い!
金色の極細の粉塩は白いダイヤとはまた特性が違って、天ぷらに振るとこうなるのか!とワタシには新発見だ。
塩が強烈に主張するのでなく、あくまでも料理の旨みがジワリと増す感じなのだ。
ワタシのヘタな天ぷらでも、こんなに旨くなる・・・塩って凄いね。
天然塩とレモンの作用で、ふきのとうのホロ苦さを爽やかな甘みにさえ感じさせるのだから不思議。
これに岩手の地酒あさ開きの温燗を合わせると、もう堪んなーい!(笑
ついでにアスパラも揚げてみるとこれもまた旨い。
こういうのは街のお店では味わえないシチュエーション、この幕営でしか味わえないものですね。

そんな頃合、下山してきたおじさんと挨拶を交わす・・・1月の時にも会った人で、一日に2〜3回登るというツワモノのお方だ。
いやー、また会いましたね、と、揚げたてのふきのとうの天ぷらを賞味してもらい、御世辞でも褒めてもらうと良い気分(笑
さて、このおじさんも帰って行き独り野営状態だ、風も無く居心地も良い。

     

いよいよ夕日が沈んできた・・・。
岩手山の頂上に向けて夕日が沈む様が眺められてるのは、まさにこの時期なのだ。

     

次第に山はシルエットとして、くっきりと浮かび上がってくる。
見事な夕日ショーである。
神々しささえ感じさせる風景・・・今回は本当に幸運だ。
うーむ!素晴らしい・・・。



やがて完全に夕日が沈み、周囲は闇に囲まれてくる。
ここは後一月も経てば林の奥からトラツグミの物寂しげな鳴声が響くことだろう・・・その頃にもまた再訪しよう。
今夜の明りは小さな明りのみで過ごす・・・やや暗いが月明かりもあって充分で良い雰囲気だ。



過ごしやすいので外にいても気持ち良く、眠気が来るまで麓の小さな夜景と星空を見ながら過ごした。
さてそろそろ寝よう、シュラフに包まると暖かくすぐに寝付いてしまった。

翌朝はまだ暗い時間、離れた所から人の話し声に目が覚めた・・・
山登りのグループだろう、しかしまたこんな早い時間に山登りとは。
ザクザクと足音が近づき、その通路からだいぶ離れてはいるがワタシのテントを見たのだろう、驚いた様子らしい(笑。
やがて足音も離れて行き林の中に入っていった。

静かになってまた寝入り、今度は明るくなった頃に目が覚めると先のグループが下山してきたところだった。
岩手山をバックに記念撮影をしているようだが、再度、雪中幕営中のテントを見ては驚いているような感じだ。
そんなに驚かなくても・・・普通に野営場で雪中キャンプしてるだけなんですから・・・(笑



そんな訳でam6:30を過ぎた頃、すっかり目が覚めているのでもう起きることにしよう。
まずは屈伸運動で体を慣らし、ガス缶を服の中に入れて暖める・・・うぅ〜、つ、冷たい(笑
お湯を沸かしてコーヒーを啜る。



朝日に照らされた南部富士が、くっきりとそして迫力の山容を魅せている。
まだ残っている雪の上をスノーシューを履いて散歩する。
ザラメ状の残雪だが、窪地のところには深く雪が残っていて意外にも神経を使う。



一汗かいて一息つき、簡単に朝食をして撤収にかかる。
今日は帰宅したら後片付けするので早めに出立する。

am8時を過ぎ、車に戻ると山登りに到着した人達に挨拶しながら車を出すのだった(笑。
今回の幕営旅、キャンプ友との語らいや雪山の風景、本格温泉、夕日の絶景、そして冬の名残の雪中幕営、快心の幕営旅だった。
4月ももう目前、来月からはキャンプ場も次々開設され始めますね、いろんなキャンプ地に行けるのが楽しみです!





END





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