国設くるみ台野営場(秋田県)/岩洞湖白樺林広場(岩手県)
2007年 10月

   

10月に入って、また嬉しい三連休だ。
いつもの週末よりも一泊多く幕営が出来るだけでも、何かいろいろな案が思い起こされてワクワクするものです。
そして今月を過ぎると大方の野営場は冬季の閉鎖期間に入ったり道路も通行止めになったり、幕営出来る場所は一気に減少する。
そんな訳でワクワクはするけれど、タイミングを逃すと来年まで待たねばならなくなる為に今月は貴重な月なのだ。(大げさ?笑)

そうは言ってもワタシの場合は単純で、なんにしても北東北へと北上が大前提だ。
この数年、北東北・・・青森、秋田、岩手へ向かうのが好きなのです。
同じ東北の括りではありますが、ワタシの住む南東北からみても北東北のエリアに惹かれるものがあります。
何が違うの?と聞かれたらスンナリ答えられないのだけれど、風景も地域の風土も温泉も良いし、居心地の良い野営場も無料や安価な所が多いのです。



さて、今回も遠くへドライブしたいので、朝早い時間に出立する。
いつもと同じく、部活の練習がある長男マキ&カミさんグループと、休日幕営旅のワタシ&ミニととグループ・・・休日の定番なのだ(笑
まずいつも最初に悩むのは奥羽山脈を境にして、太平洋側なのか日本海側なのか、という大雑把な針路決めだ。
まぁ、どちらになっても問題は無いのだけれど・・・。
今回は北秋田〜北岩手へのドライブルートはどうかな?青森入りはやや厳しいかな?などと、大よそのプランを考えていたのです。
そんな経緯なので、秋田方面へとまずは地道に山形へ抜けR13を北上です。

今回もALL一般道で旅をします・・・連休のメリットで時間はあるので、通い慣れて退屈なルートだが地道に走るのだ。(笑
am9時も過ぎるとトラックなどの大型車が多くなりやや混み始めるが、それでも関東圏に近づくのとは違い良いペースで走れてストレスが無い。
やがて県境を越えて秋田へ入る・・・横手、大曲の大仙市、この辺りもすっかり通い慣れて街道筋の風景も覚えてしまった(笑



さて、ここでまた針路を決めなければならない。
このままR13を行けば秋田市に向かうことになり、分岐すれば田沢湖方面へ進むことになる。
宿営地は?候補は幾つかある。
井出舞沢園地、旭又野営場、親子キャンプ場、そして先月に行った国設くるみ台野営場・・・夏に行った青森の岩木青少年SCも温泉付きで良いよねぇ。
親子キャンプ場と岩木青少年SCは良く整っているが、ワイルドな面白味に欠けるので今回の旅では決め手に欠けた。
それにしても親子キャンプ場は行こうとは思いつつ、なかなか良いタイミングが無いね・・・今年は幕営を外してしまったので、また来年の宿題にしておこうか。
そして井出舞沢園地と旭又野営場・・・これがまたガツンとくるワイルドな野営地なのですが最近忘れていた・・・これも来年の楽しみだね。
結果、つい先月にも幕営した国設くるみ台野営場に決った。
ここは前回幕営して、非常に感動した野営場だ・・・とにかく山奥に入り込むロケーションと言い、野営場の持つ独特な雰囲気と言い、なんとも素晴らしい野営場なのです。
自分的には「旬の野営地」と言うところなのかも知れません。



<国設くるみ台野営場>
秋田県山本郡藤里町藤琴字藤琴沢国有林
無料

大曲まで来た所でR105へと舵を切り、角館で小休止。
ミニトトと旅をすると独りの時よりコンビニに寄る回数が多い・・・やれ、おやつを買えだのトイレに行きたいだの・・・その度に小銭を使うがこれが結構バカにならない(笑
R105は山間の長閑な感じの田園風景の中を走る。
濃い黄金色の田んぼが広がっていて、一部は稲刈りも終わり木に掛けられていた。
やがてまたぎの里、阿仁町(合併にて北秋田市)に来た、この地域は古くからマタギの集落として有名だ。
近くの道の駅に寄って見ると、熊肉も売っているほどだ(かなり高いけども)。

昼過ぎの少し早い時間だが、ここの打当(うっとう)温泉へ立ち寄ることにした。
幹線のR105から分岐して何キロも入って行き、結構遠い。

   

打当温泉「またぎの湯」
朝からのドライブで凝った体を存分に伸ばし解すと良い気分だ。

さて、宿営地まではあと100km位はある、先を急ごう。
道すがら多くのバイクツーリングのグループとすれ違ったが、今日のような好天気は気持ちの良いツーリングだろうね。
ワタシも660ccの「ツーリングもどき?」なのだが、こういう田舎の村々を縫ってドライブする幕営旅が自分では好きなのだ。

さて、田園と山深い風景を見ながらドライブが続き、やがて二ツ井町まで来た。
ここで、給油と簡単な食材を買い、いよいよ待望のクルミ台野営場へ向かう。
世界遺産の白神山地、その秋田側のエリアとして絶好の野営場だ。
今回で3回目のアクセス、しかもつい先月来たばかりなのでもう慣れ親しんだ感さえある道順になっていた。
猛暑のためだと思うが、この地の紅葉は足踏み状態でまだ早いという感じだ。

   

すんなり野営場に到着。
何度来ても此処に辿り着くアクセスは雰囲気があってとてもいいね。
看板のところからは轍が深いので、その先に行ってから下りると良い。

      

先月に比べ、多少木々の葉が落ちており鬱蒼とした感じが薄れている。
誰も居ない・・・今回も東屋の前にテントを張る。
よく見ると広場の真ん中の一部に草が平らな所もあり、ひょっとすると最近の利用者が居たのかもしれない。

    

深い森林に囲まれた独特の雰囲気・・・それがとても良い。
脇の渓流は、前回に比べ水量も落ち着いているのか、水音はほどほどで煩く感じない。
時折、野営場前の道路を車が通過していく。
今日は天気が良く、時折夕日が射して向こうの天然の秋田杉の林を照らしたりした。

   

しばらくマッタリ過ごすともう夕方だ。
時間とともに気温も急激に下がり始めて、少しずつ露が降り始めているようだ。。
宮城の自宅から一気に北秋田、青森との県境も目の前という所までドライブしてきた・・・心地良い疲れはいつものブラックニッカの一杯が癒してくれる。

      

ランタンの灯の届かない周りはまさに漆黒の暗闇で炊事棟も見えなくなり、物音は脇の渓流の水音だけだ。
ホントにここは、なんだか癖になるような気にさせる野営場と思う。



さて、夜も更けた幕営の晩・・・今夜もテントで寝ます。



翌朝、まだ薄暗く外に出るとキンと冷えており寒い。
am6時を回ると杉林の先から日が射してくる。



気分良く周辺を散歩・・・空気がとても美味い(笑・・・良い気分だ。

     

テントは朝露で濡れている。
結構冷え込んだのだろうね・・・シュラフはもう衣替えしてきているので、とてもホカホカで快適だった。



トイレ奥の側にもキャンプサイトがあるが、夏は木々の葉に覆われて日が射さないサイトだ。



やはり、一段高台になっている炊事棟のある広場のほうが心地良いと思う。
うーん、お気に入り・・・もう一泊しちゃおうか?
このずっと奥には湿原もあるし、その先の駒ケ岳登山口まで行って見たい。
でも最終日の帰路が辛くなりそうだし、来年への宿題にとっておこう・・・。

テントを畳み始めた時、自転車を押してきた仙人のようなおじさんが入ってきた。
「ここがくるみ台野営場ですか?」と聞かれたので、簡単に状況説明してあげた。
錆びた自転車にダンボール箱を括り付け、簡素なキャンプ用品を積んでいる。
聞けば、なんと九州は佐賀から来ているという・・・。
自転車旅は相当燃費がイイらしい(激笑



ミニととは話好き・・・いいコンビで話が弾む所がなんともはや・・・笑
ずっとこんな旅を続けているそうで、いわゆる「自由人」だね・・・別名プロキャンパーともいふ(笑。
すぐさまテントを広げ出したが、これまた年季の入ったヨレヨレのテントだった。
これから下北の東通村の知り合い所で仕事が出来ることになりユルユルと向かうそうだが、このペースではいつ着くのか?(笑
毎日農家で野菜をもらったり、今はキノコを採ったりして食べているとのことだ。
ここが気に入ったら何日か居るつもりらしい・・・夜はかなり冷えるので気をつけるように言い、仙人おじさんと別れて出立する。



<岩洞湖家族旅行村>

所在地:岩手県盛岡市玉山区藪川亀橋
料金:無料(オートサイトは有料)


さて、今日は北岩手へ向かう。



今夜の宿営地は既に決定済み。
盛岡市玉山区の岩洞湖の白樺林の広場での幕営だ。
ここも今月一杯で冬期の閉鎖期間に入るので、駆け込むように行かねばならないのだ(笑
とにかく、あの天然の白樺林の見事さと言ったらもう・・・何度訪問しても着いた瞬間に鳥肌が立つくらいに感動する。
今回もあの素晴らしい白樺林に囲まれてマッタリと幕営出来るだろうか?

今日の移動はさほど遠くないので、ゆっくり走る。
黄金色の田園風景が長閑でイイ。
大館〜鹿角(かづの)〜安代(あしろ)へと出て南下する。
安代からは七時雨山をぐるりと回り込むように、田代平高原を走る。

   

ここもまた素晴らしい景色!
噂には聞いていたが本当に惚れ惚れするような、牧歌的な雰囲気が醸す何とも言えない風景だ。
車を止め、昼食と休憩がてらしばらくこの風景を眺めていた。
ここの七時雨山荘(田代の湯)で温泉(鉱泉)に浸かろうかとも思ったが、この先にも七時雨鉱泉のいこいの家があるのでそこに行くことにした。

二日目のドライブ・・・あちこち巡ることも色々思い浮かんだが、こんな風に時間やルートを気にせずに移動するのもいいものですね。
思い残しがあるから・・・だから何度でもドライブ旅がしたくなり、また訪れたくなるんだろうね。
この七時雨鉱泉、老人いこいの家の風呂も良いお湯で好きだ。
例によってここの御老人たちは熱い湯が好きらしく、今日も良い感じの熱めの湯だった。

さて、少し早めだけれど岩洞湖の白樺林の広場に向かおうか・・・。
大更〜好摩へと下りて行くと向こうには姫神山の優美な山容が望めた。
好摩のいつものスーパーで簡単な食料を買い、一本杉園地へ向かって進んで行く。
姫神山一本杉園地には多くの車が停まっており、姫神山登山者が多いことを伺わせている。
ここの野営サイトも自分の大好きな場所で、特に幸運にも対面の岩手山が望める時はそれは素晴らしい場所なのです。
隣の岩洞湖家族旅行村は今月一杯でクローズなので、来月からはこの姫神山一本杉園地に足しげく通うことになるだろう。
そんなことを思いながら、一本杉園地を通り過ぎて行く。



しばらく進み牧場の脇を通るとやがて未舗装の砂利道。
この砂利道に出ると、家族旅行村までは後2〜3kmだということがわかる。

気になる白樺林の広場には、テント組が2組とディキャンプが1組居たようだった。
まずは管理棟へ出向き利用手続きをする。
管理人さんはワタシのことをよく覚えていてくれて、8月のときのお礼やらしばし話し込んだ。

しかし・・・この白樺林でのキャンプ、ずいぶんメジャーになったのでは?
8月も幾組のキャンパーが居ました。(静岡のプリウスさん家とも驚きの出会いがありましたね)
昨年まではこの広場を覗いてもキャンパーを見かけたことは無かった・・・管理人さんもそのように言ってました。
一年前にワタシがここで幕営したのが初め・・・今思うと一つのパイオニアだったのかなと思います・・・って、そんな自慢はイヤですね?(笑
ま、それは冗談として所詮、岩洞湖家族旅行村に来て散策して見ればキャンプ出来るのはすぐわかることだし、高度情報化で何れは誰でも知ることであって秘密にしても意味がありません。
そして、良い所はより多くの人で大切に大事に共有すべきでしょう。

今のところ管理人さんも来訪者が増えたことを喜んでくれていて、ワタシも何かしら安堵しました。
なにせ、ここには有料の立派なオートキャンプ場があるのだから、営利目的の薄い公共施設/園地であっても無料利用のキャンパーだけが増えたところでどうか・・・?。
そんな風に気がかりだったわけですが、このhpのことなどを話すと逆にお礼を言われてしまい、先の心配は杞憂でありました。
また、本来の湖畔側の無料サイトにもお客さんが来ているということです。

さて、そんな話を交わしながらいざ白樺林の広場へ向かいます。
うーーーん!!いつもながら、風景が素晴らしい・・・いいなぁ!!
今年の真夏は暑くて、さすがのこの白樺林でも昼は大変だった。
やはり、こんな感じで今頃の季節に見る白樺林がホントに最高です。

   

幕営はワタシのお気に入り場所、以前に張った場所が良い。
ここだと、BBQ用の簡易かまどがあるので焚き火もここで出来るだろう。
あらかた荷運びして設営も終わった・・・フライは広げてしばらく干しておこう。

     

本当に素晴らしい場所だ・・・できれば長男マキ&カミさん達にも、本来のこの白樺林の魅力を味あわせてやりたいものだ。



これで雪の降り始め時期までキャンプできたら・・・と思うが、さすがにそれはムリだろうね管理的には。
車で寝ていたミニととが起きてきたが、起きがけはすこぶる機嫌が悪い(笑。
なだめながら、焚き火の準備を手伝わせるとだんだん正気になってきた・・・まったく困ったもんだヨ。
ふと見ると先のテントの一組は撤収中で、ディキャンプ組も撤収を始めた。

   

さて、一杯遣りながら焚き火!
まずは周囲にある小枝を集めて火床を作る。
勢いが出てきたら丸太を乗せていく。



こんな状態!(笑
でもね、この晩はこの大盛りの量が約4回転もしたのですよ!
丸太運び5往復・・・忙しいったらないね〜(冗

豪快な焚き火・・・白樺って油成分が多いのでしょうかね、樹皮の燃える勢いの良さは凄いです。
微風のこともあって、みるみるうちに燃えて気持ちイイのなんの・・・これぞ焚き火!!って、盛大すぎてちょっとセンス無いですかね?(笑。



離れたタープ下でも僅かに熱線が感じられるような、そんな絶妙な距離感でした。
薪割用のオノでも持参して、日がな一日何処へも行かずパコンパカンと白樺の丸太を薪割りしては焚き火に勤しむ、というのもイイですね。
夜はこんな感じで丸太ごと豪快に焚き火して・・・。



なにせ、こんなに燃やす丸太があるんですから!!(これは管理人さんに許可を頂いてくださいね)

      

今夜の泊まりはワタシと向こう側に離れたもう一組のみで、とても静かな幕営の夜を楽しめている。
ミニととはずっと焚き火を相手に楽しんでいるようだ、夕食のことも忘れているようで・・・笑。
やっぱりこの広場はいいねぇ、最高な幕営地としか言いようが無いです・・・。
焚き火の明りがうっすらと白樺を照らして、これまた雰囲気が絶妙です。

この岩洞湖は、宮城の自宅から一般道で約7時間位かかる距離。
うーむ!遠いですね大変です(笑、しかし何度でも来たい所ですね・・・お隣の姫神山一本杉園地もまた良いし、そこは雪中ソロ幕営がまた良い!
以前は遠くてそうそう来れない場所と思っていたものですが、近年は感覚がマヒしてしまって普通に来るようになってしまった(笑
やはり、660ccの車のおかげかも知れませんね、燃費のことを思うと。



さて豪快な焚き火もかまどに丸太大盛り4回転したところで、今夜は名残惜しくも寝ましょうか。





翌朝、外に出ると結構冷えている。
昨晩の豪快な焚き火も全部白い灰になっていた。

天気は曇りで暗い朝、今にも降りそう・・・と思う間も無くポツポツとテントを叩く雨音が大きくなってきた。
こりゃー今日は早めに撤収だね、と朝食用のお湯を沸かしているうちにも本格的に風雨模様となってしまった。
これが判っていたら、こんな時こその大きなタープを掛けるはずなのに・・・用心して張った時に限って降られなかったりしてね、うまくいかんものです(凹
雨だけならいいのだけれど強い風まで出てきたので、テントの中で簡単に朝食。
テントの中ってこういうとき気持ち良いね(笑

   

ラジオの天気概況によれば、どうもすぐには回復しないようだし早めに出ないと帰宅が遅くなる。
早いけどもう撤収に掛かりましょ。
昨晩は焚き火が気持ちよすぎてウィスキーも美味しかった・・・それでつい、小物を仕舞っておくのを怠ってしまった。



am8時少し前、まだ管理人さんが来る前だったが、早めに帰路に発った。
今月一杯で冬期閉鎖になる・・・その前に何とかまた来なければ!!





END





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