御沢野営場/館浜(福島県)
2007年 9月

   

9月の三連休の二回目です。
天気は・・・良いような悪いような・・・いまひとつハッキリしない感じ。
がしかし、天気は大荒れでもなければたいした問題ではない。
休暇はこの日程なのであって、特に問題なく野営に出て行った日が、たまたまそんな天気だったというだけなのだ。



<御沢野営場・福島県>
所在地:福島県喜多方市山都町御沢  期間限定にて無料

この三連休、じつは向かいたい場所があった。
岩手県の岩洞湖家族旅行村の白樺林の広場だ。
ワタシの大好きな幕営スポット・・・360度どこを見回しても「絵」になる自生の白樺林に囲まれての幕営。
本来はそこに向かうはずだったが、つい先週末には秋田県・岩手県に大雨洪水災害が出てしまった。
岩手盛岡にも洪水での被害が出ており、既に復旧しているが、つい先日のことで気軽に物見遊山に向かう訳には・・・。
そこで今回は近場にしてみたい。
こういう機会で無いとなかなか向かうことの無い場所だ。

そんな訳でまずは喜多方市へ向かう。
簡単な惣菜などを求めた後は、山都町へと舵を向ける。

   

山都町はそばの名産でも有名で、町を外れるとそば畑があちこちに広がっている。
R459で市内を抜け相川地区で分岐して一ノ戸川沿いの道に入る。
温泉施設の場所から川入集落へ向かう道へ入ると、細い渓流に沿って走る。

      

途中、あちこちで道路工事中で、通行止めや時間制限での通行の表示板など、気を揉ませられた。
実際には長い時間の通行止めもなく、川入集落までこれた。
マイクロバス以上になると通行が困難だとの表示がある。
民宿の軒先のクランクを巧みなハンドル捌きで繰り抜け、その先は御覧の通りの渓流脇の砂利道走行となる。
対向車が来るとキビシイ状態だ。

     

ようやく目的の、御沢野営場へ到着した。
昨年視察した状況と同じだといいが・・・。
なんと駐車場には数十台の車が停まっていた・・・ほとんどが関東圏のナンバーである。



立派な炊事棟が近いこの段の広場が良いだろう。

      

既にテントがひとつ建っているので、距離を置いて反対側に場所を決める・・・。
そうか・・・今は登山に渓流釣りに適した季節で、こういう山奥の秘境への人出が多いのだった・・・。
もっとひっそりして静かだと思っていたのに・・・。

      

トイレは水洗、炊事棟も立派だ。
今年は9月16日から無料になっている。



以前から思っていたが、コレって思わず唸ってしまう・・・。(笑
汚れ物は川で洗えとあるのだ。
つまりこの施設の流しを汚すな・・・ということなのだろうか?
一般には川で洗い物などすれば河川を汚染する、自然環境保護として教えられてきたものだが・・・
まぁ、郷に入れば郷に従う、であろうか(笑



ここは飯豊連邦への登山口である。
本来は登山をする人たちが集う野営場だ。



雑木林に囲まれた野営場・・・こういう雰囲気がとてもお気に入りだ。
あともう少しすればこの辺は紅葉が素晴らしくなる。
今年は酷暑の夏であったので、紅葉もどうなることか・・・。
そんな頃、管理人の巡回を受ける。
期間中はこうして管理巡回するのだろう。



テントを建てて、一息つくと蒸し暑さで大汗状態だった。
夕方を前に温泉に浸かりたい。
またあの過酷な道路を往復するのか!・・・という思いがあるが、ミニととの強い希望で温泉に向かう。
野営場へ来るだいぶ手前まで戻ることになり、車で約30分の距離を往復しなければならない。
温泉保養センター「いいでの湯」だ。
これほどの山奥なのだが、とても立派な施設だ。
大人¥500とやや高く、ミニととと合わせて¥800で、給料日前の身に堪える。
露天もあるが、温泉の湯船は内湯の一箇所で薄い茶褐色に濁っている。
なかなか良い温泉だ。

うーん、山奥のいで湯・・・いいものだ。
気分良く野営場へ戻る。
天気は曇りとなりどんよりした感じだが、雨は何とか堪えているようだった。

      

保冷水筒に詰めてきた氷を、ふんだんに使えるのがささやかな贅沢(笑
蒸し暑さも一段落して、薄く作ったハイボールが一段と清涼感を呼ぶ。
予想に反して人の活動の気配のする野営場ではあるが、こうしてマッタリできるのは嬉しい。
風が無く落ち着いて居られるのが良い。
やがて少しずつ暗さが迫る。



ランタンに灯を入れて夜の体制だ。
他にキャンプ泊組はいるが、場内が広く全然気にならなくて物音も届かないのだ。
とっぷり日が暮れてしばらくして、隣で暗い中テントを手馴れた感じで張り始めた人がいる。
ザックを背負っているところを見ると、おそらく飯豊連邦への縦走登山なのだろう。
ランタンを持って行き灯りを貸す。



袖振り合うも・・・の縁だ。
テントの整備が済んだところで、こちらで一緒に呑むことにした。
この方は栃木から来た方、やはり明日から飯豊連邦への縦走に来たのだった。
登山や幕営の話で盛り上がり、楽しく時間を忘れた。



またぜひ再会しましょう、と今夜は早目に就寝。
登山口の野営場の消灯は早い。
pm9時も過ぎれば話し声も聞こえなくなった。



朝は雨だった。



ポツポツと雨に打たれている。
やはりam5時前頃から周囲では活動の物音がしていた。
昨晩の彼も既にザックを背負い山に入っただろう。



撤収して、上の段の荒れたサイトから見下ろした広場の図である。
以前にも視察に来たこともあって、周知の野営場ではあるがこれほど賑わうような野営場とは思わなかった。
まぁ、季節柄もあるだろうが、夜には人っ子一人居なくなりひっそりした場所を期待していたのだ。
雨模様となり、そそくさとお湯を沸かすと、簡単に朝食を済まし車を出した。



<舘浜(猪苗代湖湖畔)・福島県>
所在地:福島県郡山市 猪苗代湖  無料

さて、二日目の今日はどこに行くか・・・。
喜多方へ向かう車中でミニトトと相談する。

いっそ南会津の久川キャンプ場まで走るか・・・と脳裏を過ぎる。
そちらへ向かえば湯野上の野天風呂、木賊温泉と楽しみは大きい。
ぐずつく天気の日には温泉三昧は楽しみだ・・・。
が、ミニととの一言が厳しかった・・・「湖畔に行きたい」
え〜〜?湖畔かい!
やだなー、混んでるだろうし、天気が悪くて磐梯山の良い風景も無しだし、風も強かったらどうする?
気が進まない・・・湖畔はシーズンオフの人が寄り付かなくなった時期が良いのだ。
それでも近年は、真冬でも秋山浜でキャンパーに出会うことがあるが・・・。

そんなことで猪苗代湖畔である。
秋山浜を覗き、舟津浜を覗く。
数組のテント・・・混んではいない。
どちらでも幕営はできる。

そして舘浜・・・駐車場にはまさかの車が並んでいる・・・。
舘浜は団体さんで貸しきり状態だ。
お気に入りの場所はおろか、炊事棟も占領状態で入り込む隙間は無い。
こういう集団キャンプは嫌だ、近寄りたくない。
カラオケで騒音も出てきそうだ。

困った・・・珍しく秋山浜の側は風が当たっていてイマイチで、舟津、舘浜の側は穏やかでこちらが適しているのだ。
隣の横沢浜へでも・・・だがそこにも数台の車があり人がいるはずだ・・・だからこの時期湖畔なんかに来るもんじゃない!(笑
仕方が無い・・・舘浜の炊事棟から離れたはずれの方に誰も居ない場所があった。
ここなら貸切で、集団の騒音も気にならずにすむだろう。

      

道路から見通しの良い場所なのが気に入らないが、先の集団のいる松林側から離れ反対側に陣取る。
開放感があってまぁ、悪くは無い。
近くにあるトイレは水洗で綺麗だ。
炊事棟は向こうで占領されているので行く気になれないが、トイレ脇に水道もあって何も問題無い。

     

この湖畔の最大の楽しみは、対岸の磐梯山を望む景観なのだ。
しかし、やはり今日はどんよりとした曇りの天気のために、残念ながら景観は全く望めない。

     

幕を張って落ち着いてみれば、なかなか好い感じだね(笑
こちらの浜でこうして風が吹かないのは珍しい。
とても居心地が良い。
さて、一息ついたら温泉に浸かって来よう。



温泉から戻ると、さっきまでと一緒でワタシのタープだけが静かに建っており主の戻りを待っていた。

      

例によって、いつもの一杯を遣り始め、焚き火を始める。
焚き火の煙に燻されると無常の幸福感に包まれる(笑
尾上製作所のフォールディングバーベキューコンロは、既にボロになり使用限界は超えているがだからといって簡単に捨てたりしない。
道具は使ってやってこそ喜ぶ。
大木を載せて燃やす・・・まだまだいけそうだ。(笑

     

気が進まない湖畔だったが、来て落ち着いてみればなかなかマッタリとイイ気分なのだった。
ミニととも一人の焚き火を楽しんでいる様だ。
向こう側の林の奥から、時折団体グループの歓声が響いてくる。

     

マッタリと好い時間・・・もう夕暮れを待って早目に灯をつけてしまう。
これで夕焼けが見えたなら嬉しいが、今日はまずムリだね。

     

対岸の雲の一角だけ開けていて、オレンジ色の夕焼けの片鱗が伺えた。
今日は雨の一日と覚悟したが、降りそうで降らない微妙な天気なのだ。
せっかく屋根まで建てたのだから、気持ち良くザッと降ってくれればいいものを・・・今日は雨に打たれる湖畔を期待したのに・・・。

      

心配していたが、夜も更けると向こう側のグループも静か。
波音も静かで心地良く、リラックスしてとてもイイ夜となった。
ランタンの灯を少し落とし暗くすると好い感じ・・・ストーブでの湯沸しも音の静かなやつで波音を楽しむ。

さて、そろそろ寝よう。
今夜は予想したより気温が高く、テントはパネルを半分開けメッシュにして通気する。





翌朝、最初の目覚めはam5時前・・・。
散策に来たらしい子供連れの家族の話し声が煩い・・・こんな早朝、テント脇では静かにして欲しい。
松林のカラスの鳴き声が煩い。

      

しばらくすると静かになり、二度寝。
ゆっくり起きると、ミニととは焚き火に勤しむ。
なにせ、燃やす物は周囲にはいくらでも落ちているのだ。
今日は早く撤収する必要は無い・・・昼頃までゆっくり焚き火でもしてマッタリしよう。

     

やはり風が吹かないのはとても楽だ。
例年よりも気温が高く、まだまだ夏の終わり頃・・・そんな感じの湖畔幕営だった。





END





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