天間林森林公園(青森県)
2007年 3月
北東北・プチ放浪ドライブキャンプ旅(津軽鉄道ストーブ列車)

所在地:青森県上北郡七戸町天間館中野(旧・天間林村)
料金:無料

3月も末日が迫り最終の週となった。
関東など向こうの方は、もう温い風が吹いて桜の開花の声も聞こえている。
もう季節が春に変わろうとしているのだ。
東北も季節が変わるのも、もうすぐだろう・・・。

ふと、春に変わる前に北東北へフラリと行きたい・・・。
プチ放浪のドライブ旅へと向かうのだった。



その日スケジュールを確認すると、上手い事に放浪に出られるようだ!
そうと決めれば順調に仕事を済ませ、定時で切り上げてさっさと帰宅。
カミさんの軽自動車を拝借し、ソロキャンプの僅かな道具を後ろに積む。
気分は既に放浪に向けて没頭しているが、行き先が決まらない(笑

まぁどの道、北東北に行きたいのだ・・・。
とりあえず西に向かい山形県へ抜けると、R13で北上する。
新庄に出ると西に分岐し日本海側へと向かう。
夜間のドライブで視野が狭く、普段通り慣れた幹線道路も昼とは風景が違って新鮮だ。

今回の放浪の旅の大筋を考えてみる。
とりあえず青森。
おぉそうだ、ストーブ列車があるじゃないか!
たしか3月末日でこの冬のストーブは終わりのはずだ、ギリギリ間に合う!
ということは、明日の昼にはストーブ列車の発着駅、津軽五所川原駅へ行かねばならない。
今夜は出来るだけ北上し、明朝早く五所川原へ向けて出立できるようにしなければ。

やがて酒田〜にかほ市へと進む頃にはpm10時30分を過ぎていた。
いつもの三崎公園か飛の崩れあたりで泊り、という誘惑を振り切り明日の為にはさらに北上しておく。

<南の池公園キャンプ場>
所在地:秋田県潟上市大潟村南2-17  料金:無料



ようやく到着したのは、大潟村(秋田県潟上市)、南の池記念公園である。
もうam0時半だ。
駐車場の端に車を止める。
雨で時間も遅い、もう眠くなっているので晩酌はやらずにそのまま車中泊とする。

     

翌朝、am6時半起床。
ここのキャンプ場を散策してみる。

      

場内はフラットな芝地、炊事棟が2棟に簡素なトイレがある。
駐車場から炊事棟までは結構距離があって運搬が大変そうだが、細い円周路で回り込むと何とかなるようだ。



場内には多くの桜の木もあって、花見時期(GWなど)にはかなり賑わいそうな場所と思われる。



さて、南の池公園キャンプ場を出立した。
近くの看板で見たモニュメントを見に行く。

      

経度緯度交会点標示塔、である。
北緯40度、東経140度きっかりの交差点(交会点)なのだそうだ。
地図では干潟の中なのだけれど、実際走ってみると田畑が広がる田園風景で、干潟と言う実感が無い。

さて急がねばならない。
ストーブ列車は時間が決まっているのだ。
出来るだけ昼前のに乗りたい。



R101で北上する・・・海岸線のとても素晴らしいルートなのだが、天気は悪く荒々しい景色なのである。
道路の下には五能線が並行して伸びている。

やがて深浦、鯵ヶ沢と入る。
時間さえあればゆったりと温泉に浸かりたいが・・・今回は時間を気にする放浪旅だ。
鯵ヶ沢とくれば焼きいか。

     

まだ時間が早いのか、いかを焼いている店はチラホラで、ばあちゃんに焼いてもらう。
この焼いかロード街(笑・・の焼いかは本当に美味い、1枚¥250の安さだ。

さて、ようやく津軽五所川原駅に到着。
駅前の駐車場に車を停め、津軽鉄道の駅に入る。
鄙びた雰囲気がとてもイイ・・・フラリ放浪の旅にぴったりだ。

     

終点の津軽中里までの切符を購入、¥840である。
なんとも懐かしい硬券である。
時刻表を見ると、午前中の一本am11:35発のストーブ列車があった。ラッキーである。
ストーブ列車は午前と午後の2往復のみなのだ。
いよいよお楽しみ、ストーブ列車だ。

      

この地(金木町)の作家、太宰治にちなんだ「走れメロス」号である。
ディーゼル車と客車の2両だ。
当然、引かれる側の後続の客車のストーブ席に陣取る。



これが、名物のストーブだ。

      

いやー、遠赤外線がすごいのなんの・・・じわじわと温まる・・・というか暑い(汗。



名物の網(笑、100均の網を巧く曲げてジャストフィットさせている。
さてガタンゴトンと走り出した。
せいぜい時速30km程度で、短い所では1分足らずで隣駅に到着する時もある。

      

芦野公園にも駅がある。この公園の向こうには金木オートキャンプ場という無料のオートキャンプ場もある。
終着駅、津軽中里へは約40分ほど、pm12:24の到着である。



一旦改札を出る。
駅はスーパーが同居していた。
復路の出発まで約20分あるので、昼食をこのスーパーで調達する。
復路、津軽五所川原行きの切符を買う。

     

今度も、やや細長い硬券だ・・・情緒がある。
記念になるので降りる時、貰えないだろうか・・・
早めに車内に入れてくれた。
pm12:46の発車。

     

昼食はネギトロ巻きとお茶。
車窓から、雨模様のまだ冬枯れた田園風景を眺めて食べ始める。



ちなみにコレがストーブで燃えている石炭だ。
車掌さんが片道で2回補給に来る。
補給して数分すると一段と火力が増して、暑くて汗だくになりそうで窓を開けたりしたのだった(笑。

     

さて津軽五所川原に到着、pm13:34の到着だ。
楽しい汽車の旅・・・こういうノスタルジーな雰囲気を味わうことで心が癒されるのだ。
いつまでも存続して欲しい・・・。
津軽鉄道(つてつ)・五所川原駅を名残惜しく出る。
当然、切符は記念に貰うことが出来た。

      

五所川原駅前の風景、その一角に一軒の食堂・・・その名の「平凡食堂」には思わず感動!
店の名前がイイ!入りたくてウズウズしてしまった。(笑



さて、次の目的地は、今夜の宿営地を決めねばならない。
が、この時期気軽に行けて野営できる無料のキャンプ場はほとんど無い。
候補地は直ぐに浮かんだ、七戸町(旧・天間林村)の天間林森林公園のキャンプ場だ。
早速向かう。

青森に入ったところで温泉を探すことにした。
湾沿いに浅虫〜野辺地とドライブしたかったが、時間も押してきており温泉でゆっくり出来なくなる為あきらめた。



青森市にある、「天然温泉かっぱの湯」である。
「手にした者だけが得をする・・・北東北日帰り温泉」のP41を開く。
掲載ページにスタンプを押してもらい、入浴料¥390が無料となる。
これは凄く快感!!
この調子で、例えば盛岡・つなぎ温泉「ホテル大観」などは、立派な露天風呂等があって入浴料¥1,000が無料だ。
ちなみにこの本は¥980であるから・・・一回で元が取れてさらに使えばどんどん得をする。
そんな感じで無料クーポンや他にも割引などのクーポン付きで、北東北(秋田・青森・岩手)全286湯もあるのだ。
そうだ、この本のクーポンを使うキャンプ旅・・・というのも思いついた。(笑
今年中にどれだけ使い切れるだろうか、楽しみだ。

このかっぱの湯、きちんと清掃されて気持ち良く温泉のお湯も申し分ない。
ツルリとして湯上りも冷めずにホカホカで、とてもいい湯だった。



さて、暗くならないうちに野営地を目指す。
天間林森林公園に到着だ。
この公園の直前には、砂利採石場があってそこの現場を通ってくるのだが、そのアプローチはいまいちだ。
砂利運びをしているトラックやブルドーザーをすり抜けて通って行く(笑

    

場内は残雪で覆われていた。約20cmの残雪状況だ。
よし雪中キャンプ・・・と思ったのだが・・・
天気が悪い・・・一旦上がったと思われた雨がまた強く降って来たのだ。
残雪の上に大雨ではチョッと始末が悪い。



仕方が無く大きな東屋に入ることにした。

      

丁度一張り分の空きがあって、其処にテントを張る。
自立式はこういう時に重宝だ。



一息ついて早速の一杯目を始める。
まずは燗酒から・・・。
やがて薄暗くなりランタンに灯をつける。

      

先週さっそく手を入れた、フェザーランタンNo229改のケロ仕様ランタンだ。
これがまた素晴らしく明るい。
圧の掛け具合で鋭い白色にも、柔らかい電灯色にもなるのがまた、使い応えがある。
そしてコンパクトで独り野営での装備にはバランスが良い。

     

いつものウィスキー・ブラックNIKKAをハイボールに切り替え、買ってきた惣菜などを焼く。
ダラダラと大粒の雨が降ったり、一時は止んで月が出たり・・・不安定な天気の晩だ。



雲間に月が出ると周囲がパッと明るくなり、残雪が光る。



夜も更け、良い感じに酔いも回った。
ふと周囲を見回すと、じわじわと白く濃い霧が迫ってくるのがわかる。
ランタンの灯りに霧が絡んでくるのが見える・・・
テーブルの上を簡単に片付けて、そろそろ寝る準備にテントに篭る。

     

今日の工程を振り返った。
ドライブルート、津軽鉄道・ストーブ列車、温泉・・・。
暖冬のこの冬でなく、例年の深い雪の状況ならこうもスムーズには移動できなかったかもしれない。
津軽五所川原も本来なら地吹雪ツアーの名所であり、こんな雪の無い風景は稀有であるという。
寝る前に明るいランタンの火を消し、ロウソクランタンに灯を付けてみた。

静かな夜だ。
隣のみちのく道路を走る車も無い。
東屋の中も完全に霧に囲まれてしまった・・・幻想的な雰囲気。
さてpm11時、もう寝よう。



翌朝、遅めのam7時に起床。
熟睡だ。

     

今朝はいい天気だ、晴れている。
昨晩のあの不気味なほどに濃い霧は一掃され、気持のいい陽が射していた。

     

隣の砂利砕石場も早々と作業が始まっており、ガラガラと音を響かせている。
湯を沸かしてスープにパンで朝食。
am9時となり撤収完了。



天気さえ良ければこっちの雪原にテントを張ったものを・・・と、少しばかり心残りだった。
帰路はひたすら南下。
来る時と違って帰りは単調だ。
幹線道路も盛岡まで来ると見慣れた道路となり、面白みに欠けて退屈でツライ(笑
ルートを変えて未知の道に変えたいが、帰り時間に制約があるのだった。

独りプチ放浪のドライブキャンプ旅・・・北東北はまだまだ心誘う魅力がある。
今年は何度、思い通りの旅が出来るだろうか・・・。





END





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