稲荷穴キャンプ場(稲荷穴観光施設)(岩手県)
2007年 2月

所在地:岩手県遠野市宮守町達曽部 白石地区
料金:無料

今週末は寒冷前線の影響で久々の冬型気候である・・・との天気予報の御託言なのである。
が、しかし出発時は快晴で、またも季節外れの春模様キャンプかと一途の不満が頭をよぎる・・・
このまま暖冬で春になっては納得いかない・・・ガツン!と、何かピリリッとしたキャンプがしたいものだ(笑
何にしても今回は北方面へ・・・小さな車に簡素な荷物を載せトコトコと走るのだ。



いつもの様に下道を行くが、車も少なくスルスルと移動できる・・・いつもより2時間ほども早いペースだ。
岩手県一関に来たところでam11時・・・今日の行き先を考える。
コンビニで車を止め、さてさて何処でテントを張るか?と思案するのだ・・・。
前回の相の沢C、馬返しCまで行きリベンジするか?再度、姫神山一本杉園地か?
北上グリーンパークはすぐ先だし、ココから秋田へ向けてとことん山もアリか・・・選択肢は豊富だ(笑
今日は独りキャンプ、お気楽で何処へでも気の向くままだ。
いろいろ迷うが、どうにでもなるとアバウトに構えて、とりあえず、行けるかどうか判らないが野営地の視察に向かうのだ。

     

道路は乾いていて何の問題もない。
途中にあるダム風景、真冬の時期にこうして気楽に来られるのが異常だ、例年はとてつもなく雪深い。
視察したい野営地まであと1km程まで来た所・・・

     

分岐したとたんに積雪路となった。
野営場はすぐその先なのだが、ご覧の通りの通行止めであった。
今回は思いつきで向かったのでリサーチも無かったのだ(笑
ココは何れまた視察に来ることにしようか・・・。



雪道のドライブが楽しいね。
時間を忘れて、冬らしい景色を見ながら雪道ドライブが面白い!
ともあれ・・・今日はどうすんじゃい?!何処にテント張るのか?
もう遠くへは移動できない・・・これ以上の北上は断念して、以前行った事のある宮守村の野営地へ向かう。

遠野へ近付くにつれやたらと稲荷神社がそこかしこに見える。
昔ながらの日本の田舎、山里の村々の風景がここにあるように思える。



大きな赤い鳥居が目印となる野営地。



ひっそりとした雰囲気。
テン場は積雪約15cmと言うところか・・・。



左手にあるトイレ、扉も開き使用可で清掃状態も良い。
駐車場から舞台向こう上に登って設営を決める。



粗目雪の上に締った雪が積っており、区画整備はあっけない。

     

入り口側を見下ろすと何とも妙なロケーションだが、後ろ側を見上げるとそれなりに良い感じの野営地だ。



設営は時間も掛からず終了してしまい、何か手持ち無沙汰加減なのだが・・・
何気なくフツーにテントを張ったもののジツはこのとき、ある判断ミスを犯していたのだった。

とりあえず燗酒で雪見酒を始める。
風も無く居心地が良いね。

夕刻には、奥の湧き水を汲みに車が入って来る。
いくら名水と言えどこの時期、しかも薄暗くなってからも来るとは・・・



静かに日が暮れてきた。
バーナーで湯を沸かしてウィスキーを割る。
ランタンの光が届く周囲しか見えなくなるが、雪上が綺麗に見える。



とても静かな夜だ。
風も無く気温も−1℃程度なので、こうして外に居て呑むのも心地良いのだ。
雪中キャンプはこう言う雰囲気がとても楽しい。
独り静かに雪見酒・・・いつもながら、これが雪中キャンプの楽しみの一つなのだ(笑

      

pm9時・・・さて、そろそろテントに篭ろう。
テントの中に入りジャンパーを脱ぐと、これまた良い気分だ。
呑んだ後の〆に、うどんを熱々に作ってすする。
さて、夜も更けた・・・ラジオの小さな音をBGMにして寝よう。



目が覚めたのは明け方5時。
テントに積った雪が滑り落ちる大きな音で、目が覚めたのだ。
目が覚めたものの、シュラフの中が温かくて心地良い。

うつらうつらしながら、しばらくしたがまたもテントを滑り落ちる雪の音。
落ちた雪のために寝ている頭の部分が押される・・・結構な雪の量だ。



まだ外は真っ暗だ。
なんと!大雪になっているではないか!
テントの裾は既に雪でふさがっている・・・前出の判断ミスとはこれだ、冬用外張りを使わなかったことだ。

こうして雪でフライの裾がふさがりベンチレーターも倒れてふさがると、テント内の換気の面で宜しくない状況だ。
レインフライは防水性はあるが通気性は無い生地だ。
反対に冬用外張りは裾にスカートが有り雪を乗せるなどで保温性と対風性が増すが、防水性は無いので雨の時は使えない。
この大雪の状態が判っていたなら、迷わずステラの冬用外張りにしておくのだったのだ・・・。
まぁ、テント内で火器は使わないし何十時間も篭る訳ではないから、実際には酸欠の心配はないが少し悔やむ事項だった。

     

本格的な大雪!もう既に20cmほど積ったのだろうか・・・まだまだ積る勢いだ。
昨日テントを張ったときの区画はもう形も無くて、テントはまるて雪に埋もれた状態だ。
とりえずテントの雪かき作業をせねば・・・
おぉ〜〜きたねぇ〜〜!などと言いつつ、またまた温かいシュラフに潜ってしまう(笑

     

うとうとしながら、またテントの滑り落ちる音で目を開けるとようやく外は明るくなっていた。
明け方に雪を掻いたのに、もうまたこんな雪だ。

      

降ったねぇ・・・う〜〜む、この積雪では車が麓まで出られるか心配だ。
携帯は圏外で当然救援も呼べない・・・携帯が繋がる所までは約10kmはあるだろう。
なにやら今日は相当に荒れ模様になりそうだ。
強い風も出てきてテントが煽られている。
インスタントラーメンで朝食にしたら、早めに撤収して脱出しよう。

車の前をスコップで雪掻きした後、勢いをつけ一気に駐車場を脱出する。
麓への道路もたっぷり雪が積っており、下り坂に助けられながらも何時スタックするか不安ながらも麓へ下りたのだった。
明け方の雪でピークは去ったかと思われたが、麓へ下りても吹雪で一向に止む気配は無かった。



麓まで下りられればもう安心(笑
後はゆっくり雪道ドライブを楽しんで帰るとする。





END





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