姫神山一本杉園地キャンプ場(岩手県)
2007年 1月

住所:岩手県盛岡市玉山区馬場前田
料金:無料

今回の行き先はどこにするか・・・
暖冬とは言え先週来の冬型で、それなりに各地には雪も降ったという。
まさに冬本番、冬ならではのキャンプ・・・雪のあるところへと決める。
まずは北上すべく車を向けた。



天気は曇り。
道路は渋滞も無く全くスムーズだが、通い慣れたルートで面白味はなくひたすら北上する。
岩手や青森、秋田など北東北をドライブするときの楽しみは、昼間は普段聞けない北海道あたりのラジオ番組が聞けることである。
ちなみによく聴くのはSTVラジオ(1440Hz)・・・退屈なルートのドライブには結構気晴らしになるのだ。



さて、県境を過ぎ平泉に来たあたりから状況は完全に吹雪に変わった。
花巻を過ぎ盛岡になると所々路面にも雪が見え始めた。

残念ながら名峰南部富士・岩手山は厚い雲に囲われ全く見ることが出来ない。
そろそろまじめに今回のキャンプ地を考えねばならない(笑
周囲の低い山々には所々に雪化粧が見えており、これなら雪の有る所のキャンプは出来そうだ。

このエリアでのキャンプ地候補は幾つかある。
まずは網張方面へ向かう・・・いわずと知れた相の沢だ。
と、そのまま相の沢野営場ではつまらないので、馬返しキャンプ場を覗く。
この辺に来るともう完全に圧雪路だ。



馬返しキャンプ場の駐車場に着て見てビックリ・・・こんなにも車が!
どうやら、真冬でも歩くスキーということでトレッキングコースを歩く人達で賑わっていたのだ。
ここでテントを張っても良いのだが・・・ちょっと目立ってしまうし・・・(笑

では、次の候補地、相の沢野営場へ・・・駐車場に着くと、これまた更に多い車。
同じように歩くスキーで賑わっている。
場内も雪遊びの人達や歩くコースへの入る人、降りてきた人で賑わっている。
う〜〜ん、独り静かにテントを張りたいのだが・・・夕方になればほとんどは帰るのだろうが、それまで待つのもなぁ・・・。
翌日も早朝から人が来るだろうし・・・困った。

ともあれ、未だ時間は昼で早い。
温泉に浸かって一息ついて考えるかな・・・。
近くのお山の湯にするか・・・網張温泉にするか・・・。
ココまで来たならやはり、白濁硫黄の網張温泉だろうね・・・休暇村温泉館へ向かう。
眺めの良い露天風呂が気持ち良いのだ。
しばし温泉に浸かってまったりする・・・この季節の雪見の露天風呂は最高だ。

さて、温泉をあがり相の沢に下りてゆく。
野営場の駐車場に戻ると、やはりまだまだ車が多く居る。
これから夕方にかけて、まだまだ人が降りてくるようだ。
せっかくここまで着たが、今日の宿営地としては諦めた。
そうなると、最後に向かうのは玉山区の姫神山一本杉園地ということになる。



相の沢から約30分程の移動で、姫神山一本杉園地へ到着した。
炊事棟前の松林の周囲は雪も薄く最悪でもここでテントが張れる。
さて、いつもの園地上方の登山口の高台部分へは行けるだろうか?



やはり雪のためワタシの車では登れないが、歩いては行ける雪の状態だ。
車も上り口の駐車場に置ける状況で問題なし。
ここの道路沿いの入り口には清水が出ている。(ただし飲用可なのかは不明)
が、荷運びは車から坂道を約50mほどを往復せねばならないのが難だ。
とことん山Cのようにソリ運搬だと楽なのだが・・・。
ちなみに、とことん山Cでの雪中キャンプだと約200m以上は荷物運搬が必要だ。
ともあれ、大げさな荷物も無いので大した労力も要らない。

     

いつものお気に入りの場所は一面の雪原となっていた。
雪の深さは約30〜40cm位だろうか・・・
表面の20cm位が乾いた新雪状態だが、その下はザラメ状に締まっている感じで、足が埋まることが無く動きやすい。



まずはサイトを固めて場所を確保する。
サラサラした雪は踏み固めようにもなかなかか固着してくれない。



そのままでは付属の短いペグが効かないので、ペグ刺し部分に水を垂らして凍らせてからフライのゴムを掛ける。



相変わらず天気は曇りで、正面の岩手山の雄姿が望めないのが残念である。
ただこの季節には珍しくほぼ無風で、居心地は悪くない。
ちらほら雪が舞ったりするが程なく止んだりする。

一息ついていると登山口から雪上ハイクを楽しんだ人が下りて来る。
聞けばこの姫神山も人気の山で、一年中登山者がいるのだと言う。
さほど高く険しい山でないことは判るが、冬山には変わりなくそれでも気軽に(?)この季節に登っているとは凄いものだ。
・・・とワタシは思っていたが、逆にこの登山者からは真冬に雪の上にテントを張りキャンプするワタシのほうに驚くようだ。
そんな意識のギャップが、また面白い(笑。



そんな話をするうちに、目の前の登山口の先がどうなっているか少しだけ入ってみたりした。(カメラを持ち忘れて画像なし)
確かに登山道はしっかりしていて、雪があっても迷わないように見えた。
慣れれば往復2時間、ゆっくりでも3時間もかからない距離だという。
これはまた、気候の良い時の楽しみにしておこう(笑
あれこれしているうちに夕刻となった。pm4時。



さて呑む前にまた温泉に・・・と思ったとき、またしても下から年配の男性が上って来た。
もう日が暮れるというのに、これから登るのか??いくらなんでもそれは危険では・・・?
挨拶を交わしながら心配すると、慣れているので暗くなっても大丈夫という。
う〜〜む、なんというツワモノなのだろうか!!確実にあと30分もすると真っ暗になるというのに・・・
スタスタと登山道に入ってゆくこのお方を見送り、温泉に向かう。
ここの一番近い温泉は車で約20分くらいかかるが、「ユートランド姫神」という綺麗な入浴施設がある。
昼に浸かった白濁の湯に比べたら迫力無い温泉だが、日が暮れて冷え込む頃合にお湯に浸かれるのは心地良い。
ちなみに外の気温はもう−3℃、露天風呂が気持ち良い。

ゆったりたっぷり温まって野営場へもどる・・・pm7時前頃。
下の駐車場には車は一台も残っておらず、夕方入山したあの年配の男性も登山が終わり帰ったのだろう。
さて、いよいよ独り貸切の野営場だ。
岩手山の麓の夜景が綺麗に瞬いている。



風が無く過ごしやすいのがありがたい。
温泉で喉が渇いていたせいか、定番のウィスキーのハイボールを一気に飲み干してしまった(笑
この時期、氷を入れなくてもキンキンに冷えていて美味いのだ。



肴をつまみながら同時進行で食材を煮る。
熱々を頬張ると先の温泉の温まりと合わせて、体全体がホカホカになって来てイイ感じなのだ(笑



周りはシンと静寂して、ストーブの燃焼音が闇の中に吸い込まれて行く。
独りキャンプのまったりした時間・・・こういう野営的な雰囲気が好きなのだ。
pm9時過ぎ気温は−7℃となった、山麓とはいえ多少標高もあるので平野より冷えるのだ。
そのうち雪が強く降るようになりテントに篭る頃合、テントの中は一人だと結構広く使えて快適。



寝酒に切り替え、地酒あさ開を燗にする。

     

テントの上を乾いた雪がサラサラと滑り落ちる音がする。
さてそろそろ寝るか・・・オヤスミ!



目覚めはam5時前、それなりに寒い。
テントの内側は結露部分が凍って白くなって、揺らすとパリパリと剥がれ落ちてくる(笑
結構冷えたのか・・・テント前に転がしていた温度計では−10℃を指していた。
風が無いので助かる、これで強い風でも当たるとツライ状況だろう。
飲み水はテント内に置いたので一部が凍っただけで、すぐ飲むことができた。
周囲は未だ暗く二度寝する(笑



am7時、外に出てみるが曇り空で暗い・・・キンと張り詰めたような空気だ。
am8時を過ぎる頃には僅かに日も射し、一気に−3℃まで気温が上がっており動きやすい。

     

熱いお茶を淹れてしばらく風景を見渡す。
しばらくして、ゆっくり撤収作業にとりかかる。



荷物を運び終えると小腹がすいてしまい、登山口にある清水を汲んでラーメンを作る。



こういうワイルドさがなんとも面白いのだ(笑
9時過ぎ帰路に車を出した。
姫神山一本杉園地はやはり好いところだ・・・遠いのが難ではあるけど。
岩手山が望めたら更に良かったのだが、そう毎度毎度望むのは無理というものですな。

     

さて、また退屈な道を南下することになるが、いつものように花巻で温泉休憩する。

     

ワンパターン気味だが、いつもの大沢温泉で〆たい。
雪見露天風呂で体がほぐれて爽快。
湯上りのコーヒー牛乳が美味しい(笑





END





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