秋の秋田&岩手キャンプ旅
2006年 10月

10月の連休は、台風並の発達した低気圧と秋雨前線が北上しており、東北地方は大荒れなのだった。
金曜日の大雨・・・翌土曜日の朝も雨。北上するほど悪天候のキャンプ旅は困難に思えた。
がしかし、そこは他人(ひと)も呆れるキャンプ好きの悲しさよ・・・雨降る中またしても車に荷物を積んでしまうのだ。
旅の相棒は今回も末っ子のトオル@キャンプ好き・・・だ。(笑

悪天候の元は太平洋側を北上しているので、まずは内陸へと西に向かい山形へ抜けようとするが・・・渋滞にはまる。
渋滞でタイムロスしているのに、見込みで山奥のキャンプ地を視察に向かってしまう・・・
が、それみたことか!荒れた林道を進めど一向にキャンプ地が発見できないじゃないか!(笑
道に覆い被さる伸びた枝が車を擦りながら山奥を約10km彷徨う・・・ついに断念。
幹線R13に這い下りて北上を続ける。
天気というと雨が小雨になり、時に雨が上がり曇り空となったりで気も軽くなったのだった。



<最上白川渓流公園キャンプ場>
住所:山形県最上郡最上町最上白川(東法田地区)  料金:無料

R13を北上して最上町に入った。
このキャンプ地を視察するのは3年ぶりかな・・・と寄り道する。
大堀温泉のあたりから白川ダム公園の方に分岐する。
最上白川ダムの下流に作られた公園にキャンプ施設があるのだ。

   

現地が見え始めた。天気が悪く公園がどんよりと見えてしまう。

      

水洗トイレ、炊事棟がある。施設はしっかりしている。

     

その先、下りた所にサイトがある。木製ベースが約10基ほど。

   

今日は増水の為か隣の白川の水音が凄い。
サイトは・・・う〜〜〜〜ん、この荒れた状況・・・。
季節柄かも知れないが草ぼうぼうな状況・・・、草枯れの時期で天気が良ければ居心地良いのだろうか。
草丈が高い上に地面の水はけも最悪、湿地帯でびちゃびちゃ・・・確かに高床のベースが無いとテント張れないよね・・・。
写真で見るより厳しい状況です。とにかく草が邪魔なのです。
此処でキャンプするには時期を考える必要があるのかもしれません。
草の枯れた時期ならまぁ何とか・・・なのだが、冬期はトイレや水場はきっと閉鎖されて正式利用としては無理だろう。



<おらだの川公園キャンプ場>
住所:山形県最上郡最上町大字大堀  料金:無料(「おらだずの宿 りんどう」にて利用申請必要)

もう一つ、この最上町に無料でキャンプ出来る場所がある。
簡易宿泊の温泉宿、おらだずの宿りんどうへ向かう。



温泉宿りんどうの駐車場の看板にてキャンプ場を確認。





場所はすぐ隣にあった。
キャンプ場というより、小さな公園と言った感じだが・・・キャンプサイトもよく解らない。
開けたところだが、駐車場から奥に入ってこないと何か落ち着かない感じ。

     

ここもご覧の通りの草地で草丈が高く、テントを張ろうとした場合かなりツライだろう。足が草に埋もれる。
先の白川渓流公園もそうだが、利用されている感じも無く整備された感じも無いために草も生え放題で荒れ模様なのだ。

      

炊事棟にトイレ。
強いて言えば炊事棟の脇、もしくは草の薄い場所を丹念に探ってならテントが張れるか・・・の状況だ。
ここも草の枯れた時期ならまぁ何とか・・・なのだが、冬期はトイレや水場は閉鎖されて正式利用は無理だろう。



<仏沢キャンプ場>
住所:秋田県美郷町(旧・千畑町)仏沢金沢東根字仏沢  料金:無料
利用申請必要:サン・スポーツランド千畑(キャンプ場隣の千畑温泉サン・アール内)

R13に戻りさらに北上を続ける。
まだ山形・新庄市を抜けていないのにもう午後2時前だ。相当に移動に時間がかかっている。
今夜の寝床は何処にすれば・・・・やがてやっと県境を超え秋田へと入った。
横手の手前に来たところで手元のメモを見る。
候補は、真人公園、雁の里、仏沢公園・・・どうするか。
と、考えるうちに横手市の美郷町となった。
ここなら美郷町(六郷町)町民いこいの森もあるが、今日は天気が悪いのでパス。
お初のところだが、仏沢キャンプ場へと向かう。



R13から分岐し仏沢溜池を目指す。そこに温泉施設がある。
ここは以前、真冬の大雪の日に秋田に来て泊まる場所を探してきたが、大雪でキャンプサイトへ入れなかったのだ。(笑

     



仏沢キャンプ場へ到着。午後4時を過ぎていた。
温泉への道路の隣の上方に公園があり、松林沿いに車が入りその上にサイトが広がっていた。



小さなキャンプ場ながら、入り口側と奥側と炊事棟が2つある。トイレは奥に一つだけだが、水洗で綺麗だ。
サイトは松林に沿って長く広がる感じだ。



     

テン場は所々に整地された台があるが、大きくは無く小型テントでないと無理だろう。
僅かに斜面なので、大型テントの場合は場所を選ぶ必要がある。
奥の炊事棟前辺りがわりと良いのだがトイレの目の前でもあって、これはイマイチ。

さて、到着はしたものの大雨だ。ダラダラと降っている。
一気にタープを張りテントを設営しても良いのだが、こんな荒れ天気の日に他に人も居るワケは無く当然貸切だ。
こんな悪天候の日だ・・・今夜は奥の炊事棟も貸切で使わせて貰うことにしたのだった。



ゴミ一つ無く綺麗な状態だ。結構広い。

     

荷揚げしてテントを広げると、もう暗くなってしまった。
さて、今夜の寝床も決まった。温泉に浸かってマッタリしよう。



歩いても行ける距離だが雨なので車で行く。車で約1分も掛からない近いところにある。
キャンプ場利用受付は「千畑温泉サン・アール」なのだが、間違って手前の「美郷町千畑温泉保養所」へ入ってしまった。
大人¥200、子供¥100という超安価な温泉!
露天風呂は無いが摩るとヌルリとして透明で無臭、素晴らしい温泉だ。
あぁ〜〜〜、温泉で身体がほぐれてゆく・・・・気持ち良い!!トオルちゃんもご機嫌だ。
風呂上り、隣のサン・アールへ行き利用申請する。



キャンプ場へ戻る。
とっぷり暗くなった。炊事棟にはSWで灯りも点くしコンセントもある。



     

炊事棟もなかなか居心地が良いものだ。
炭火を熾すと暖かく乾いた空気も漂い、更に快適になった。



う〜〜ん、温泉も気持ち良いし、雨だれの音に囲まれたこの炊事棟の中も風情があって良い感じだ。



やはり蛍光灯はイマイチ雰囲気が無いので消す。
なんと言ってもランタンの灯が一番落ち着く。
夜も更けると雨脚も弱まり、ラジオが良く聞こえる。
今夜はビートルズ特集の局が運良くつかまり、聴き入るうちにウィスキーもすすんだ。
大荒れの天気を覚悟して出てきてみたが、今夜は快適、気持ち良いキャンプの夜だ。
夜もふけて・・・さて、寝ようかな・・・。



翌朝もやはり雨・・・。
8時を過ぎ撤収を完了させる。道具が濡れていないのでとても楽。



仏沢溜池の周辺に、キャンプ場、温泉施設が2箇所、観光物産店などがあって良い感じのエリアだ。
キャンプ場も無料で利用でき、温泉もすぐ隣で安価。此処は非常に良い所だ、お気に入りです。



<乳頭キャンプ場>
住所:秋田県仙北市田沢湖駒ヶ岳 料金:テント専用¥400/一人 他オートサイト等有り約¥3,000〜

仏沢キャンプ場を後にして向かったのは乳頭温泉郷だ。
途中、乳頭キャンプ場を視察する。



乳頭温泉郷へ向かう道に大きな看板があり迷わない。
キャンプ場へ分岐してすぐ右側のブナ林の中に、常設テントサイトが広がっている。



     

こんな感じ。
更に進むと管理棟がある。
管理棟の脇と正面に小さな広場がある。



     

ここがテント専用サイトなのだろうか。

     

あまり利用された形跡は無いが、昔ながらのサイトという感じがする。
雰囲気は悪くない。周囲がブナ林に囲まれて高原のキャンプ場ならではの雰囲気が良い感じだ。

その先に行き下におりるとオートキャンプサイトがある。
この辺は新しく整備されたサイトだろう。



     

オートサイトは確かに立派。
常設テントサイトは数が多く林の中。
肝心のワタシが期待するシンプルなテント専用サイトは、なんだか貧弱な感じだ。
全体に料金は安価な部類だろう。



さて、乳頭キャンプ場を視察した後いよいよお楽しみの温泉!
鶴の湯への分岐を過ぎ真っ直ぐ行くと、まずは妙の湯温泉旅館が現れる。
妙の湯旅館、10年以上前に泊まったことがあったな。
道路に溢れる泊り客の車・・・大人気の宿になったようだ。入浴料も高いのでパス。



その隣の大釜温泉、ここも良いのだが客が多い。
その先、温泉郷の最奥まで行く。



ワタシが好きな「蟹場(がにば)温泉」だ。
ここの野天風呂が最高なのだ。
ここに来るのも10年以上ぶりで、とても懐かしい。



大人¥500で程ほどの料金。
秋田杉の内風呂も良い感じなのだが、やはり名物の野天風呂・・・唐子の湯でしょう!
宿の裏口から外へ出て、はるか離れた野天風呂へと向かう。

     

約50m程林の中を歩いて行くが、このアプローチがとても良い。気分が盛り上がる。



野天風呂に到着。良い雰囲気だ!
硫黄の匂いが良い。
離れて見ると白濁の湯に見えるが、実際は透明な湯で近隣の濁り湯とはまた違った味わいなのである。

     



あぁ〜〜〜!良い温泉だ〜!!
・・・と思っていると、女性陣が4名ほど「しつれーしますー」と入ってきた。
そーだ!ここは混浴の露天風呂だったのだ♪
秋田訛りの女性陣だった。地元訛りに旅愁を感じるのだ。
そんな状況で、のぼせる手前でなんとか風呂上がりしてきたのだった。



<岩洞湖家族旅行村>
所在地:岩手県盛岡市玉山区藪川亀橋  料金:無料(オートサイトは有料)

乳頭温泉郷蟹場温泉の混浴野天風呂を堪能した後、盛岡の街中の渋滞に揉まれる。
R455に乗り標高を上げて行く。
今回訪れたかったのはこの岩洞湖家族旅行村なのだ。

ここは良く知られた場所であって、無料キャンプ場と有料のオートキャンプサイトがありキャンプ場としては有名だ。
だが、実は先月ここを視察した際に見た白樺林の広場が気になっていた。
そのとても雰囲気の良い広場で、キャンプ出来ないか後日問い合わせていたのだった。



R455から岩洞湖を回るように向かい、総合案内所(管理棟)の手前約3kmは未舗装の荒れた道。
旅行村の案内所に着く前、700m手前に無料のキャンプ場がある。(要利用申請)
有料のオートキャンプサイトへは管理棟の脇から下り、湖面に面した所にサイトが広がっている。




まずは利用申請する。
かねて問い合わせて相談していたとおり、キャンプサイトとは違う白樺林の広がる広場の利用を許可してもらう。

     

簡単な受付を済ませると、いよいよあの素晴らしい白樺林の広場へ向かう。
管理棟を過ぎ更に700m程移動する。
ここはピクニック広場なのだ。





素晴らしい!素晴らしすぎる!!
白樺が自生する広い広場、何処に張っても良いと許可された・・・しかも無料だ。
こんな素晴らしいことがあって良いのだろうか・・・天気は悪いが幸せだ、来た甲斐があった!!

感慨深く見回していると早速の雨粒が落ちてくる。
さて、手早く設営してしまおう。
設営する場所はもう決めている。前回視察の時に撮った写真を眺めて検討していたのだった(笑

     

     

場内に車は入れない。駐車場から20mほど入った所に決めていた。
風雨の荒れた天候を想定してきたので、頑丈な小屋をしつらえて完全マッタリ〜状況を狙う(笑

     

簡素な水道は駐車場のすぐ下。
立派なトイレ棟は駐車場脇の位置にある。
トイレ棟はとても綺麗で快適立派、身障者用はボタンで出入り口扉が自動で開閉するほどだ。



こんなに広く芝生と白樺林が調和した場所は初めてだ。
う〜〜〜ん良い感じ・・・大満足だ。
まったりと白樺林を眺めながら時間を過ごしている。

      

やがて暗くなり夜、楽しい夕げの時間。
雨は降ったり止んだり時たま強く降り、風が強くなった。
突風も吹き始めて荒れた夜だ。



      

スクリーンTを持ってきて大正解だった・・・突風が当りながらもこのスクリーンタープはびくともせず中は快適そのもの。
テントのインナーも中に張っている。雨風の心配なく寝れるなんて贅沢だ。

白樺林の上を撫でるように風が通り過ぎて行く。
テントの脇を枯葉がザザァーと流れて行く。時折バラバラと雨が落ちてくる・・・。
外に出てみると驚くほど真っ暗で、テント越しのランタンの明かりで周囲が見えている。
林の奥のほうで鳥の鳴き声がする・・・なんの鳥なのだろう?



pm9時を過ぎ、トオルちゃんは就寝。
寝顔を眺めながら一人で晩酌。ラジオを点けチューニングを探る。
ランタンの灯、ウィスキー、ラジオの小さい音・・・ワタシの定番の時間。



pm10時30、さて今夜も更けた・・・良い頃合なのでワタシも就寝。



昨晩、今朝と結構冷えた・・・2℃位だろうか。
ここ岩手玉山村の藪川地区と言えば、本州で一番寒冷な特異な土地として有名だ。
過去の記録では、マイナス27℃の最低気温の記録があるほどだ。
この岩洞湖は冬になればぶ厚い氷が張り、氷上わかさぎ釣りでも有名でもある。



早朝、朝日を見ようとしたが雲に遮られた。
しばし2度寝する。



     

今日はやっと天気が良くなった。とても清々しい朝だ。
広場を散歩しよう。

     



昨日までとはうって変わって、乾いた風が吹いていてカラリとしている。
ホントに気持ち良く素晴らしい所です。
しばしこの素敵な白樺林で過ごす朝を楽しむ。

撤収が終わりかけた頃、管理人のおばさんがやってきてトイレ掃除を始めた。
朝の挨拶とお礼を言い、「また来るのでよろしく」と後にした。
今年の営業は10月22日迄と言うことだった。

帰り際、オートキャンプサイトとテント専用キャンプ場を見る。

     

これはオートキャンプサイト。



管理棟の下方、湖面側に位置する。

次にテント専用キャンプ場。



管理棟の手前約0.7kmの対岸側に位置する。

      

駐車場の向かいの山のゆるい斜面に、木製ベースが設置されている。
トイレ棟は同じく立派で快適。炊事棟もしっかりしている。



ここも白樺林にあって良い雰囲気。夏にも涼しげで良いだろう。
木製ベースには小型テントは合わず、雨除けにタープが張りたくても上手く合わせられないだろう。
ベース部分以外は殆ど斜面で実質設営できそうもない。



岩洞湖家族旅行村・・・以前からキャンプ場としては知っていたものの、今回の白樺林の素敵な広場、ピクニック広場は最高だった。
来年もまた何度でも来たいと思う。
最高に気に入ってしまったのだ。(笑
なお、この白樺の広場にキャンプする際は必ず管理人に相談の上利用申請願いたい。




END





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